78話 情報屋ロイズ
佐藤君行きつけの店に来ました。
店の看板は準備中ですね。
店は終わっているようです。
クリスさんとルイスさんも一緒です。
店に入ります。
あ、ご主人。
と、誰か知らない人がいますね。
頭を下げられました。
私より少し年上の糸目の若い男性ですね。
この世界ってホントに美形ばっかりですね、糸目なのに顔が整っています。
眼鏡をかけたらヤバいですね、インテリエリートって感じになります、こういう男性がタイプだという女性もいるでしょう。
「すみません、ユキが関わろうとしているのですが、ユキの代わりに私がやりますので、というか私が潰します」
いやいや、クリスさん何を言っているのかな。
私がやりますよ?
私の物々交換が火を吹いて、スープ界に革命をおこして……それで、えっと……。
「ユキのやろうとしていることは、裏を牛耳っている者の逆鱗に触れるのでは?」
え? 逆鱗?なにそれ、クリスさん怖い。
「誰が後ろにいるのか、わかったのですか」
私がご主人に聞いてみる。
「娼館は、眩惑の扉、それをサポートしているのがゴローニャファミリー」
なぜか、糸目の人が答える。
「こちらの方はただの情報通ではないぞ、由紀、情報屋のロイズさんだ」
ルイスさんが冷静に教えてくれる。
「ご主人、この男を雇うのは安くはないはずだが、どうして雇った?」
「私の店がお客さんでいっぱいになったんで感謝の気持ちですね」
「ご主人、この人を雇ったんですか?」
私が驚いて言う。
「はい、雇いました。なにかでお返ししたかったのです」
「……」
そこまで、してもらうつもりはなかったのですが。
「とにかく、ユキが出なくとも、私がやる、私にだったらゴローニャファミリーも手を出せない」
「いや、ここは俺だな。一応俺も男だし」
なんの話だったのかな。
確か子どもたちの店を繁盛させて、お金を稼いで病気の母親を楽にさせてあげるという話でしたが、いつの間にか、ごろつきを倒す話になってますね。
でも、ごろつきは倒したほうがいいのかな? 危ないから。
あとは、質の悪いポーションを売っている薬師がいるんだよね。
この2つをなんとかしないと。
「ゴローニャファミリーはクリスが潰してこい、俺はそっちの子どもたちの母親の方に行く。たちの悪い薬師がいるなら、それを潰すのは俺のほうが適任だろう、ロイズ、そのゴローニャファミリーの情報とその母親の情報、いくらだ?」
「んー、勉強して、金貨15枚」
「これでいいか?」
じゃらりとルイスさんがお金を支払います。
「ありがとうございます。そうだ、そちらのお嬢さんの依頼も無料で受けますよ。隣の店に橋渡しをしてもらえるよう頼んでみます。だけど、なぜ子どもたちの屋台で働きたいのか理由が必要になってくると思いますがどうしますか?」
「それなら、私……屋台を出そうと今鍛冶屋で屋台を作ってもらっているので、その練習とかならどうでしょう? 自分の屋台を出す前に使わせてもらいたいとかの理由では?」
「それだと、屋台の使用料を支払っての勉強とかいかがでしょうか。一人でやるのは心許ないから子どもたちに手伝って欲しいとか?」
「いいですね、それでお願いします」
「わかりました。明日待ち合わせをして一緒に店に行きましょうか、待ち合わせはどうしますか?」
「お昼に市場の入り口でお願いしたいです」
「わかりました。お兄さんたちは情報は紙に書いて渡します」
「「わかった」」
「じゃ、そういうことで」
糸目のお兄さんが後ろのテーブルですごい勢いで紙になにかを書いています。
地図でしょうか。
人名もありますね。
あっという間に書き上げるとクリスさんとルイスさんにそれらを渡します。
私たちは店を出て、転移魔法で家に帰りました。




