72話 新たな同居人
トーストを5枚ほど出して食べたところで、クリスさんが止まりました。
クリスさんの胃はブラックホールかな?
きゅるんとした目でクリスさんが私を見ます。
「ユキ、また今度あれを作ってね」
「はい」
カッコ可愛いイケメンには逆らえません。
モブは沈黙します。
「じゃあ、ユキ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
クリスさんが出ていきました。
私も食器の片付けや、部屋や廊下、リビングの掃除をして、家を出ます。
まずは、薬師ギルドに行きます。
買い取りカウンターで、特級ポーションの買い取りをしてもらい、食堂の調理場に行きます。
「ちょっとそれゼリーかい?」
サキさんが聞いてきます。
「そうですよ」
「あー、一人1個の制限がなければいっぱい買えるんだけどねぇ」
サキさんが残念がっています。
んー、でもしょうがないですよね。
私は冷蔵庫にヨーグルトやゼリーを入れるとサキさんに別れの挨拶をし、その場をあとにすると、ルイスさんのところに寄ってみることにしました。
ルイスさんには薬師ギルドにいると話しましたが、今現在、クリスさんのところにいますしね。
言っておかないと駄目でしょう、ついでにお惣菜などの提供ですね、エリクサーなどの薬草を譲ってもらったときに約束しましたから。
ルイスさんの家に着きました。
チャイムを鳴らします。
ガチャ。
ルイスさんです。
銀髪と青い瞳が今日もきれいです。
ん? ルイスさんが頬を赤らめている。
色っぽいですね、モブでもドキドキしますよ。
っと、後ろから誰かに抱きしめられました。
クリスさん?
なぜここに?
「ユキ、一人でコイツの家に来るなんて危ないでしょ?」
「いや、もう大丈夫だって女神様のお墨付きもあるし」
「でも、駄目」
うーん、なにが駄目だったのかな? よくわからない。
「とりあえず、今、薬師ギルドから出て、クリスさんのところでお世話になっいます。それと、お約束したお料理などを渡したく……」
ルイスさんに言い募ります。
なんだろう、ルイスさんの顔が般若のようだ。
なにか、気に触ることを言ったかな?
「由紀はお前の家にいるのか?」
「そうだが、それがなにか?」
「私もお前の家に住む」
「却下だ!」
クリスさんとルイスさんが怒鳴り合っています。
クリスさんの腕の中から逃げ出して。
えいっ、えいっ。
離れません。
あ、腕が外れました。
クリスさんの後ろに庇われます。
しかし、なんでしょうか、二人共突然怒り始めましたね。
終わるまで、少し離れていましょうかね。
「……!」
「……だから……!」
「それは……」
「……!」
「……!」
少し離れすぎたですかね、声が聞こえません。
あ、可愛い花ですね。
雑草かもしれませんが和みます。
終わったようです。
二人が近づいてきます。
クリスさんが苦虫を噛み潰したような表情をしていますね。
ルイスさんが満面の笑みです。
「今日から、私も由紀と一緒に暮らすことになった。よろしくな」
「はい」
モブはなんだかわからないけれど了承します。
クリスさんが言って駄目ならモブの私が言っても無理ですものね。
うーん、一緒に住むならお惣菜とか置いていかなくてもいいかな? そして、食事が一人分ふえるのかな? まぁ、なんとかなるでしょう。




