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7話 初めての討伐

 再び街を散策し、身分証を作ったので返金を求めて門に行く。

 呆気ないほど簡単に返金され、用事のなくなった私は、薬師ギルドへと歩む。

 途中、行列のできていた屋台で小ぶりな焼き鳥と同じぐらいの大きさの串焼きのオーク肉を買う。 

 銅貨5枚。

 オーク肉は高級品らしく、めったに買えないらしい。

 あったらラッキーといったぐあいに珍しいらしい。


 薬師ギルドの食堂でパンとスープをもらい、さっそくオーク肉にかぶりつく。

 ジュワッとした肉汁が美味しい。

 肉の旨味を感じる。

 今度あったら多めに買ってアイテムボックスに入れておこう。


 部屋に行き、下級ポーションを作る。

 途中魔力を回復させながら時間を掛けて昨日より慎重に作ったが、魔力切れで30本が限界だと分かった。

 魔力切れにはマナポーションがいいらしいが、下級のマナポーションでも1本金貨1枚するらしい。

 どうするか悩んだが無理はしないでおこうと、今日のポーション作りはやめることにした。

 

 翌日、下級ポーションを売り、金貨12枚を手にし、金貨10枚の貸付金を支払う。

 心配事がひとつなくなった。


 街を出てかなり歩くと少し開けた場所に出る。

 ここがフォレストキャタピラーとスライムの出る平野だなと思う。

 この世界のスライムは討伐しなければならない悪いスライムらしい。

 平野を鑑定をすると薬草がたくさんあった。

 薬草採取をしながらレベル上げをすることにした。

 

 緑色の仔犬ほどの大きさの芋虫がいる。

 鑑定するとフォレストキャタピラーとの名前が出た。

 正直、リアルすぎて気持ち悪い。

 近づいてナイフで切りつけ、倒す。


 ピロリン。

 音がした。


「ステータス」


【名前】高梨 由紀

【種族】人族

【年齢】16

【レベル】2

【HP】118

【MP】255

【攻撃力】154

【防御力】58

【筋力】96

【敏捷】48

【知力】147

【運】258

【スキル】錬金術、重力魔法、聖魔法、鑑定、アイテムボックス、世界言語、料理

【称号】女神のお気に入り


 料理は多分地球でよくやっていたからで、称号の女神のお気に入りはよくわからない。


 レベルが上がったが、実感はわかない。


 その後もフォレストキャタピラーを狩りながら薬草採取をする。

 水色の大きな物体がある。

 バレーボールぐらいの大きさだ。

 スライムかな?

 とりあえず倒す。


 ピロリン。 

 また音が鳴ったが気にしない。

 見てもわからないからだ。

 しばらくすると、スライムの身体が溶けるように消え魔石とスライムの一部が固まりになる。

 魔石は買い取りになるがスライムの固まりは何も言っていなかった。

 魔石だけをアイテムボックスに入れる。


 ピロリン。

 ピロリン。


 しばらく狩りをする。

 思った以上にレベルが上がりやすい。

 重力魔法を試したいが、街に帰ったら、下級ポーションも作りたい。

 重力魔法は諦める。


 お昼に黒パンを食べ、水を飲む。

 街まで歩くので時間が掛かる為、適当な時間できりあげ、そのまま冒険者ギルドに向かう。


 スライムの魔石はひとつ銅貨1枚になった。


 全部で21個、銀貨2枚と銅貨1枚。


 こんなものかと思う。


 高級でない宿なら素泊まりで銀貨2枚。

 職業で薬師を選んで良かったと思った。


 薬師ギルドに帰る。

 お風呂に入りたい。

 薬師ギルドの見習い部屋に泊まらないときは別に届けを出すといったことなどしないらしい。

 全ては自己責任だそうだ。


 下級ポーションを30本つくり、少し早い夕飯を食べ、高級宿へと行く。


 オススメと聞いた高級宿だが、思ったよりも高級でなく、普通の宿だった。

 二階建てで、全て個室で風呂付きの宿である。

 さっそく食事なしの素泊まりで宿泊し、風呂に入った。


 風呂を沸かすのは魔道具らしくボタンを押したらお湯が出た。


 風呂はいい。

 リラックスする。

 この異世界に来て、思っていたよりも緊張していたようだ。

 身体の芯から温まり冷静にこれからなにが必要か考えることができた。

 衣食住全てがまったく足りない。

 地球にいた時と違い、一から始めなくてはならないからだ。

 ベッドに横になる。

 薬師ギルドの部屋のベッドよりも寝心地がいい。

 時々お泊まりしたい。


 早朝、はやく目が覚めチェックアウトする。


 薬師ギルドのパンとスープをいただく。

 習慣でパンの1枚はアイテムボックスに。


 下級ポーションの買い取りをお願いする。

 昨日と同じ、金貨12枚。

 順調にお金が稼げている。


 今日もフォレストキャタピラーとスライムを狩る。

 まだ慣れないが昨日のよりもナイフの使い方が上手くなった。

 

 重力魔法を試してみる。

 対象はスライムだ。

 動きを止めるぐらいに弱く魔法を打ってみたが、スライムは一度震えた後、消え去った。

 思っていたよりも弱いらしい。

 魔石を拾いナイフでスライムを倒し続ける。

 今日は25個の魔石を得た。


 毎日冒険者ギルドに行くのは面倒なので魔石がたまったら行こうと思う。


 パンを食べ水を飲む。

 

 しかし、この世界の食料事情はどうなっているのだろうか。


 今のところ塩味以外の調理に出会えていない。

 夕飯は薬師ギルドでない食堂で食べて見ようか。


 街に帰る。

 屋台を見回し行列を探す。

 オーク肉の屋台は特にないようだ。

 残念。

 部屋に戻り下級ポーションを30本作る。

 レベルが上がったせいか魔力切れはおこさなかった。

 今日はこれから外に出て食事をするが、せっかく薬師ギルドにいるのに食事をもらわないのは勿体ないので、少し早めに夕飯のパンとスープをもらい、パン2枚をアイテムボックスに入れ、スープだけを飲み、薬師ギルドを出た。


 まだ明るいので街には活気がある。

 人も多い。

 美味しそうな匂いのする混んでいる食堂に入る。


 メニューはなく、黒板のようなものに今日のオススメが書いてあった。

 よくわからないので近くの人が食べている美味しそうな料理を頼む。


 塩味のこの世界特有のハーブを使った料理が出てきた。

 多分食べているお肉は鶏のモモ肉で、あっさりとした味がする。

 付け合わせのパンはライ麦らしきパンで黒パンよりも食べやすく、食事代金は銀貨2枚したが満足した。


 たまたま隣の人達の話を聞いていると、甘味はこの世界では貴重で、喫茶店のようなものはもっと大きな街に行かないとないらしいことが分かった。

 ただし、商業ギルドに行けば砂糖もあるし、塩以外の調味料があるらしいとの話もしていた。

 

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