69話 生姜焼き
私は市場であったことを話してみた。
ご主人が考え込んでいる。
「下手に手を出さないほうがいいかもしれません、どうも忠告をした女性が怪しいです、こっちでもそうしたことに情報通な方がいるので、そこから当たってみます」
「怪しいんですか」
「怪しいですね、はっきりとは言えませんが」
うーん、異世界から来ているからか、どうもよくわからない。
なにか、私の知識の中に知らないパーツがあるのだろうか。
「まぁ、お願いします」
それからご主人と雑談する。
店の従業員を雇うとか、他にもメニューを増やすだとかだ。
有意義な時間を過ごし店をあとにする。
クリスさんの家に戻り夕食の準備をする。
今日はオーク肉の生姜焼きにしようと思う。
まずは、必要なものを買って下準備をする。
オークキングの肉を使う分だけ半冷凍し、好みの厚さに切り、酒、蜂蜜、味噌、おろし生姜をたっぷりと加えたものを肉によく塗る。それらをきれいに重ねて購入したときについてくる白い使い捨てトレーの上に載せ、上からラップをして冷蔵庫に入れる。
蜂蜜はなるべく、中国産を避ける。私も知らなかったが純粋と書いてあっても100パーセントの蜂蜜ではないと言われた。
輸入基準である一定の基準を満たせば純粋と表記してもいいらしい。
今回は明日の朝トーストに使いたいので、国産表記のあかしあを購入した。
甘さが上品でなんにでも合う優れものだ。
値段はピンきりだけど色がきれいな、少しだけ安い物を選んだ。
蜂蜜の値段はだいたい決まっているけれど、養蜂家や蜂蜜の会社が自由に値段を決めるられるから時々びっくりするぐらい値段が高い物がある。
それと、日本の蜂蜜の会社でも独自に中国産のあかしあの蜂蜜を輸入して、国産の蜂蜜と混ぜているところもあるから、裏を見ることは忘れない。
気をつけなければ。
さて、部屋に行って特級ポーションを作っておかなければ。
部屋に戻りポーション作りに励む。
さてポーション作りが終わりました、台所に行って料理の続きをします。
まず、ご飯を炊いてから。
キャベツを千切りにしてトマトをくし切りにして、きゅうりを長めにスライスして皿に盛ります。
豆腐とワカメとネギを切り、チャチャッとだしの素や味噌で味噌汁をつくると。
フライパンで肉を焼きます。
重ねた固まりごと入れて、表面の焼けたものを剥がして、裏面もきっちり焼いて、焼いたらフライパンの端に寄せて、新しく焼けたものを剥がして、裏面を隙間で焼く。
これを繰り返して、生姜焼きが完成した。
まだ、クリスさん来ないかな?
あ、玄関が開いた音がする。
ご飯を盛ったり、いろいろしながら、夕食の支度が終わる。
「ユキ!」
「おかえりなさい」
「ユキ、会いたかった」
「クリスさん、こういうときは『ただいま』がいいですよ」
「ただいま?」
いろいろな日本の挨拶のしきたりを教える。
さて、夕食にしましょう。
クリスさんが、がっついています。
今回はみりんでなく酒にしたから甘さは控え目ですが、蜂蜜をたっぷりいれましたからね。
それなりの甘さを感じます。
うん、おいしい。
味噌と蜂蜜がいい味出してる。
あ、クリスさん、味噌汁どうかな。
大丈夫そうです。
今日はクリスさんに渡した箸がなかったので、急遽デパートで箸を買いましたが、なんの違和感もなく、使っていますね。
だけど、クリスさんの生姜焼き多くしておいて、正解でした。
食べるのが早いです。
あ、ご飯おかわりですか?
ご飯を盛って、はい、どーぞ。
普通の肉でなく、オークキングの肉ですから、それだけでもおいしいのに、生姜焼きにしたからさらにおいしくなって、問題が発生しました。
生姜焼きのなくなったクリスさんが、悲しそうです。
事案です。
こころを鬼にしてもうありませんよ、と、告げます。
……仕方ないので私の皿からクリスさんの皿へ生姜焼きを1枚移動します。
クリスさんの目がキラキラしています。
次はもっと作っておきましょう。




