68話 ミートソースのパスタ
行列ですな。
佐藤君行きつけの店に行列が発生しております。
とりあえず、行列に並んでみます。
喋っている人たちの会話が、聞こえてきます。
「絶対、うまいんだって、前とは違うのさ、チーズだってかかってるんだぜ」
「本当かなぁ、まぁ、この行列をみれば本当だろうけど」
口コミではなく、友達をつれてきたパターンですか。
しかし、パスタだからか、回転率が高いですね。
行列が着実に減っていきます。
どうやら私の番になったようですね。
店内のテーブルは一つを除き全部埋まっていますね。
相席などではなく良かったです。
緊張しますからね。
しかし、市場での話は聞いていても、あまり気分のよい話ではなかったですね、でも、なんでお金持ちの家の子どもたちだとバレたのに未だにスープを売っているのでしょうか。
変ですね。
なにか、引っ掛かります。
それだけ贅沢をさせている大切な子どもたちを、ああしたことをさせている理由が理解できないです。
引っ掛かった人を馬鹿にするつもりでも、だいたいバレたらやめるんですよ。
よくわからないです。
気になります。
あ、パスタがきました、完全にミートソースのパスタですね。
上に粉チーズもかかってますし、おいしそうです。
「あのー」
「ああ、ご主人。お客さんいっぱい入ってますね、おめでとうございます」
「あー、ありがとうございます。それなんですが、仕入れをいいでしょうか?」
「このお昼の行列が終わったら、また、来ますよ」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
食材が切れそうなのですかね。
まぁ、今はこの、ミートソースパスタを食べましょう。
うん、おいしいー。
やっぱり誰かに作ってもらった食事はおいしいですね。
トマトの酸味もちょうどいいですし、挽き肉も玉ねぎもたっぷり入ってパスタとよく絡みます。
うーん、これが、銀貨1枚、いいんじゃないでしょうか。
量は普通ですが、パスタは腹持ちがいいですからね。
満足しました。
さて、この店の行列が終わるのはいつになることやら。
一時間ほど、街の中にある屋台を冷やかしたりしながら時間を潰しました。
スープを売る店では、パンも一緒に売っているケースがあるんですね。
私が屋台をやるときもパンを売りましょうかね。
そろそろ店に行きますか。
お店の入り口には準備中の看板が下がってます。
中に入ります。
ご主人が奥から出てきました。
「お疲れ様です」
「こちらこそ、わざわざすみません」
ご主人からお金をいただき、食材等の購入をします。
今回は金貨20枚いただきました。
なので、手数料の二割を引いた、金貨16枚分を買います。
トマトや玉ねぎはなくなっても市場に行けばいいけど、他はないからそういったものを少し多めに欲しい?
わかりました。
「今回もありがとうございます。助かりました。なにか困ったことがあったら言ってください」
あの子たちのこと聞いてみようかな。
 




