62話 不安な気持ち
ピザも食べ終わり、まだ少し入りそうだったので、食後のデザートとドリンクを選びます。
私たちは、フルーツソースのかかったパンナコッタと紅茶をいただきました。
おいしかったです。
紅茶を飲みまったりします。
「いいなぁ、中村君、こんなにおいしい店がそばにあるなんて」
「高梨はもっといいだろ、地球の物を取り寄せられるんだから」
「はぁー、地球かぁ、今までどれだけ恵まれてきたのか、正直あの頃の自分にいいたいよ、もっと感謝しなさいって」
「俺もそうだな、毎週漫画雑誌が買えて夢のような日々だったと今では理解できるよ」
「そうだね、夢みたいだったよ」
「ああ、そういえば、王都の教会に渡り人が現れたって噂があるぜ、多分、クラスメイトの誰かだな、俺は興味が無くて行かなかったが、高梨なら、女子と仲良かっただろ、多分女子の誰かじゃねぇかな」
「いや、話しはするもののそんなに女子たちと仲良くはなかったかな、みんな知り合い程度のもので、ハブられてはいないけど、特定の仲良くしている人もいなかったし」
「そうか、高梨なら、会いに行きたいかと思ったが、そうじゃなければ、それでいいんだ」
「教えてくれて、ありがとう」
「どういたしまして」
ふふっ、と二人顔を合わせて笑う。
久しぶりだ、こんな風に話すのも。
時間の経つのは早い、そろそろ店を出るか。
店を出て、クリスさんと手を繋ぎながら、魔道具屋に向かう。
遠くに教会の尖塔が見える。
誰かいるのかなぁ。
私自身、まだ、誰も助けられないぐらいの状態なので、会いに行くことはしないが、教会といえば聖魔法のスキルを持っている私も職業『聖女』になっていたのかもしれなかった。
もしかしたら、私があそこにいたのかもしれない。
なんとなく複雑な気持ちになりながら、道を歩く。
クリスさんが、そんな不安定な気持ちになっている私に気がついたのかギュッと手を握ってきた。
クリスさんと目を合わせる。
S級冒険者はこんなところの勘も鋭いのかな。
「ありがとう」
クリスさんに私は微笑んだ。
魔道具屋についた、ご主人に言って、奥の部屋を使わせてもらう。
あとでご主人には、なにかお礼をしなくては。
奥の部屋に行き、中村君に映像を見せる。
「オープン」
「すげぇな、なんでもある」
「そうだ、今回は電気屋も増えたんだよ」
「電気屋かぁ、なにかあったときの為に懐中電灯でも買っておこうかな」
「そうだ、ご主人にはこの部屋を借りたりしてお世話になったから、お礼がしたいんだ。なにが、喜ばれそうかな」
「あの人、魔道具マニアだからな、家電とかがいいだろ、ちょっと待ってな、呼んでくる、本人に選ばせたほうがいいだろ」
「わかった」
消え物でなく、家電、何を選ぶのかな。
部屋の入り口が閉まります。
クリスさんと二人きりです。
「ユキ、疲れた?」
「疲れてないよ、それより、長々付き合わせてごめんね、退屈だったでしょう」
「ユキのいろいろな側面が、知れて良かった」
クリスさん、優しいな。
こんないい人を引きずり回して申し訳ない。
こんど、女神様が来たら、転移魔法をお願いしようかな。




