61話 ピザ
ピザが提供される。
もちもちの生地のようだ。
パンタイプだな。
マルゲリータっぽいのは刻んだトマトと、白いチーズ、緑のバジルっぽい葉がきれいだ。
茹で卵と生ハムのピザはトマトソースの上に輪切りにした卵、生ハム、ルッコラのような葉っぱのサラダに白いソースと粉チーズのかかったピザだ、これもおいしそうだ。
最後のブルーチーズに似たチーズの載ったピザは、蜂蜜が別添えで、熱々のピザにお好みで蜂蜜をかけるようになっている。
私は絶対かけるが、クリスさんはわからない。
甘党ではないのかもしれないしね。
中村君のいただきますの音頭で食事を始める。
クリスさんが、「いただきます」とは何か? と聞いてくる。
私たちの国での食事前の挨拶、と簡単に説明しておいた。
もちろん、セットになっている「ごちそうさま」についても教えた。
クリスさんが興味を示している。
さて、ピザを食べようか。
チーズがとろーり、トマトの酸味とあっている、バジルみたいなハーブもいいアクセントで、このマルゲリータみたいのは当たりだ、茹で卵の載ったピザはどうかなと思ったが、ルッコラに似た葉が新鮮でおいしい、白いソースはシーザーサラダのドレッシングに似ていて、生ハムの塩気もおいしいし、これも当たりだ。
最後に、ブルーチーズに似たチーズの載ったピザに蜂蜜をかける。
甘じょっぱい、うーん、クセのあるチーズに蜂蜜の甘さ、病みつきになるおいしさだ。
このレストランは地球のレストランとなんら遜色のないレベルだ。
「中村君、おいしいよー」
「だろ? いろいろ食べたけど、予約なしなら断然ここなんだぜ」
「でも、人が少ないよね。確かに店内は人でいっぱいだけど、行列もなかったし」
「隠れ家的なレストランなんだよ。それに、チーズや蜂蜜、卵なんかも使ってるしな、値段が高いんだ。俺は頻繁にこれるけど、普通の稼ぎじゃ、なかなかこれないさ」
「なるほど、今日はごちそうになるね。何か欲しいものがあったら遠慮なく、言ってね」
「あー、それだけど、蕎麦の乾麺とめんつゆ、それとネギをいいか? それとカレーのルーとコーヒーとコーヒーフレッシュ」
「いいよ、選んで欲しいけど、さすがにここでは映像を出せないね。目立っちゃう」
「そうだな、高梨みたいなスキルは少ないだろうしな、目をつけられたら厄介だ。店に行ったら奥の部屋でまた、見せてもらうわ」
「わかった」
「クリスさんも、俺たちばっかり話しててすみませんね、おい、高梨、クリスさんに気をつかって一緒に住むんだぞ、お前、どっか抜けてるしな、心配だわ」
「わかってるよ、大丈夫」
「大丈夫ですよ、ユキは控えめなので、かえってわがままをもっと言って欲しいぐらいです」
「お前愛されてんなー、わがまま言わせてくれるなんてなかなかないぞ、クリスさんを大切にするんだぞ」
「いやいや、愛されてるはないでしょ、クリスさんはすごい冒険者なんだよー、私なんかがとんでもない」
「ユキのことは大切にします」
誤解、クリスさん誤解を招きます。
クリスさんがキリリとした表情で断言します。
中村君はうんうんと頷いています。
もう! 二人共、知らないからね。
ピザを食べることに集中します。




