51話 エリクサーの作り方
ルイスさんに家の中に招かれます。
入りました。
広い。
シャンデリアが下がってますね。
高そうです。
モブは場違いです。
でも、エリクサーの為です。
進みますよ。
クリスさんと手を繋いでいるのですが、反対側をルイスさんに握られます。
廊下は広いですが、三人並ぶと狭いですよ。
そして、今の私は捕まった宇宙人。
二人共、離してください、狭いですから。
二人共手は離したが、腕を組んできた。
やめてください。
うう、離れない。
問題はさらにややこしくなりました。
二人共近すぎる。
モブはこんな風に主人公たちとじゃれあいません。
しかし主人公二人にモブである私の意見は通らない、とぼとぼと歩きます。
そうこうしているうちにひとつの扉の前に来た。
「ここが、私の錬金部屋なのですよ」
ルイスさんの側の腕組が解かれた。
もう片方も……。
離れない、クリスさん離してー。
ルイスさんが部屋に入る。
続けて私たちも入る。
広いなぁ。
学校の教室ぐらいの広さだ。
薬草の匂い。
錬金釜はさすが神でもあるルイスさんの使うもの、神からいただいた私の錬金釜に勝るとも劣らないゴージャスさです。
まずはマナポーションの作り方を教わります。
これもポーションと同じで、下級、中級、上級、特級があるそうです。
それぞれ教えてもらいます。
エリクサーは身体の一部欠損が治るものや、四肢欠損まで治るものまで一様にエリクサーというようです。
エリクサーは貴重品なため、ひとつひとつ鑑定がなされ商品として売られるようです。
ルイスさんのは一番良いエリクサーとされ取引が熱望されているとのことです。
「まぁ、生活には困ってないし、王都には力のある聖女もいるしね、俺は自由にやらせてもらってるのさ」
と、言っています。
納品は時々だそうです。
エリクサーの材料は皆同じで、効能の差は個人の実力などだそうです。
クリスさんが薬草に興味を示していますね。
どうやら、マナポーションの薬草やエリクサーの薬草の生えている場所に心当たりがあるそうです。
作り方を教えてもらいました。
エリクサー、モブにも作れそうです。
ちょっと難しいかなと思ったけど、メモをとっていますからね。
さすがに簡単ではないだろうとホームセンターでメモ用紙とボールペンを購入して書いていたのですよ。
ばっちり書きましたからね、これでエリクサーも作れます。
ルイスさんから手招きされ奥の部屋に入ります。
乾燥された薬草が棚にどっさりありますね。
そこからどんどん薬草を渡されます。
上級ポーション、特級ポーション、下級マナポーション、中級マナポーション、上級マナポーション、特級マナポーション、そしてエリクサーの薬草、棚からなくなるんじゃないかってぐらいに渡されました。
私のアイテムボックスに入れましたが、遠慮した方が良かったのでしょうか。
「俺は強いからいつでも採りにいける。心配するな」
はい、心配はしません。
ありがたくいただきます。
「その代わりと言ってはなんだが、たまに、今日みたいな料理を寄越してくれないか?」
「いいですよ、いつでも言ってください」
女神様にだって渡してますから、このルイスさんに渡しても問題ありませんよ。
「そうか、ありがとう」
用事の終わった私たちは、ルイスさんの家から出ることになった。
 




