4話 買い物
武器屋に着く。
カンカンと奥から音が聞こえてくる。
店番はいないらしい。
武器屋だが、防具も扱っているようだ、鎧や盾なども置いてある。
何かあった時の為のものだが、薬草採取にも使えそうな大きめのナイフを選ぶ。
そばに鞘付きのベルトがあったのでそれも選んで店の人を呼ぶ。
問題なく買い物が出来た。
ちなみに店の人はドワーフだった。
あわせて金貨1枚だった。
思っていたより安い。
ナイフも鞘付きのベルトもいいものだ。
いよいよ大きな買い物である錬金釜を買いに魔道具屋にやって来た。
街の中央にある大きな商会がやっており、入口の門には槍を持った門番が立っていた。
恐る恐る店に入ると、宝石店のようなガラスケースの陳列棚があり高級感があった。
おお、緊張する。
周りを見てもどこに錬金釜があるのか分からないので、その場にいた店員に聞く。
奥に連れていかれ色々説明される。
親切だ。
初心者用、中級者用、上級者用、外出時に便利な携帯用、オーダーメイド。
一応、中古品がないか聞いてみると、ないとのことであったので初心者用を購入する。
下級ポーションと中級ポーションまではこれで作れる。
薬師ギルドでは中級ポーションとしての買い取りはしないので中級ポーションの講義はなかったが、実際に中級ポーションは存在し、もし中級ポーションであっても買い取りは下のランクの下級ポーションとしての買い取りになる。
中級ポーションを作るにはよほどに腕がいいか、使用する水に聖水を使うことが多い。
聖水は教会で金貨1枚で購入できるが高いので上級ポーションを作ったほうがコスパがいいとのことであった。
ちなみに金貨1枚ぶんの聖水で3つのポーションが作れる。
初心者用錬金釜、金貨7枚、高い買い物だがこれで金策が出来る。
店員さんに錬金釜を包んでもらいながら雑談をする。
ポーションを作る為の薬草採取用の袋、ポーションの空き瓶とコルクのような蓋のこと。
どちらも雑貨屋で買うことを勧められる。
薬師ギルドでも売っているが新品とのことで高いとのことであった。
ちなみに買い取り額には反映しない。
だったら安い雑貨屋で買うだけだ。
店員さんに御礼を言い、店をあとにする。
雑貨屋についた。
小ぶりな水筒代わりの水袋を見つける。
これも買おう。
小さめの麻袋5枚と蓋付きの空き瓶20本と水袋で銀貨4枚と銅貨5枚を支払った。
全部あわせて金貨9枚と銀貨5枚の支払となった。下級ポーションの講義で銀貨2枚をすでに使っている。
残り銀貨3枚、少し心許ない。
はやくお金を稼ぎたい。
薬師ギルドに戻り、食堂でパンとスープをいただく。
パンは素朴な黒パン2枚、スープにはキャベツらしき野菜くずと人参と玉ねぎのみじん切りが少しだけある。
味は塩味。
黒パンを1枚食べたところでもう1枚をアイテムボックスに入れ、とっておくことにする。
明日薬草を取りにいったときのお昼に食べよう。
見習い部屋に行き、ベッドに横になり今日あったことを整理する。
女神に会い、異世界に転移し、無事に薬師ギルドに保護された。
なかなか濃い内容だったと思う。
この世界では風呂は贅沢品で、高級宿や貴族、豪商しか持っていない、庶民はお湯に浸した布で拭くか、清潔という魔法でキレイになるかだ。
清潔という魔法は金貨30枚で教会で覚えられるとのことだ。
いつか覚えに行こうと思う。