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27話 可愛い

 マジックバックにする袋が沢山置いてあります。

 いいですね。

 おしゃれです。

 あ、白い皮に可愛らしい刺繍がされたものがあります。

 ふぉ、一目惚れです。

 モブがこんな可愛いものを持つなんて罪悪感しかないですが、可愛いは『正義』ですね。

「これにします」

「金貨5枚ですね」

 お金を払います。

 これは、腰につける小さめのバックですね。

 バックの入れるところは小さいですが、入り口以上の大きさのものが入るようです。

 白い皮に小さな水色の小花柄。

 うーん、何度見ても可愛い。

 白なので汚れが気になりそうですが、大切につかいます。

 では、さっそく中村君に付与してもらいましょう。

 ほー、集中してますね。

 あ、終わりましたか。

 馬車5台分?

 大きいですね。

「ありがとう、大切にするね」

 マジックバック、ゲットだぜ。

 さっそく装着してみます。

 中身がモブでなければ完璧だったかもしれません。

 まぁ、いいでしょう。

 誤差の範囲ではなく、でっかい差異ですが、気にしません。

 私は、度量の大きな女性になるのです。

 そうだ、お礼に。

「中村君、地球の物を持ってこれるチートスキルあるんだよ。地球の物でなにか欲しい物ない?」

「おお、チートだな。あー、でもどうしよう。欲しい物か、今週の週刊の漫画雑誌が欲しいけど、かけ蕎麦も食いたいしな」

「残念、漫画は本の扱いがないから駄目なんだけど、かけ蕎麦は大丈夫。スーパーの扱う物は大丈夫なんだ」

 パパッとめんつゆと生麺の蕎麦を購入します。

 これだと、さびしいですかね、あとで切ればいいネギとエビ天、七味を追加します。

「おお、凄いな。エビ天もありがとう。だけどこんなスキル持ってて大丈夫なのか?監禁とかされたりするんじゃないか?」

「大丈夫ですよ、ユキが監禁されても助けますし、ユキの魔力は覚えました。ユキがどこにいても助けてあげられます」

 力強くクリスさんが断言します。

 ふんふん、クリスさんの説明によると、魔力は個人によって違い、同一のものがない?

 指紋みたいなものですね。

 とりあえずいざとなったら、クリスさんが助けてくださることになりましたが、クリスさんから監禁されたときの救助方法は示されていません。

 モブはクリスさんを警戒しますよ?

「他は、何が欲しい?」

「あー、水筒かな。保温の出来るやつ、俺、冷たい飲み物より温かい飲み物のほうが好きなんだよね。それとドリップコーヒーかな。朝弱くて、コーヒーがなくてつらい」

 なるほど水筒ですか、デザインや容量もありますからデパートとホームセンターの両方を見せましょう。

 コーヒーはデパートにコーヒーの専門店もありましたし、一応スーパーにもありますから、こちらも両方見せれば……と。

「オープン」

 まずは、デパートからですね。

「遠慮なく選んでね」

「おお、あ、これスタイリッシュで格好いい」

 黒いボトルですね。

 マット加工の艶消しタイプですか。

 いい、センスです。

 はい、購入。

「なぁ、コーヒーは金払うから大量に買ってもいいか?どうしても朝が駄目なんだよ」

「お金はいいよ。マジックバック作ってもらったし、一年分買ってもらっても大丈夫」

「そうか?ありがとう。じゃ、遠慮なく。悪いな」 

 デパートではこれぐらい、スーパーではこれぐらい、両方で大量購入します。 あ、ご主人が驚いてますね。

 本当に大量購入ですから。

 遠慮しないでもうちょっと選んでもいいですよ。

 はい、選びますか。

 どーぞ、どーぞ。

 あ、中村君がやりきった顔をしています。

「今日は本当に良かった。どの袋を選ぶかわからないから呼ばれて来たんだけど、客が高梨だとは思わなかったし、単純にマジックバックにする為だけに呼ばれたと思ってたから、こんなに欲しい物が手に入るとは思ってなかったんだ」

 ふむふむ、ついでに、非常事態用にインスタントコーヒーも欲しい?

 インスタントだとドリップコーヒーよりも目覚めにくいけど、ないよりはまし。

 なるほど、そういうこともあるのですね。

 賞味期限に気を付けてくださいね。

 砂糖とコーヒーフレッシュもいいか?それと、パウダー状のコーヒーフレッシュ?

 どーぞ、どーぞ。

 フランス産の固まった粒状の砂糖と、スティックシュガー、コーヒーフレッシュはいくつかのメーカーの物を選ぶのですね。

 ふんふん。

 自分のマジックバックを持ってくれば良かった?

 俺の馬鹿?

 中村君は優秀ですよ。

 クラスでも一、二を争う秀才でしたよ。

 私とここで出会い、私がレアなチートスキル持ちだとは思ってもみなかったでしょう、想定外ですよね。

 フフフ、誰も私のようなモブが伝説級のチートスキル持ちだとは誰も思いませんよ。

 あ、それだけでいいですか。

 もっといいのか? いいですとも、マジックバッグの付与を無料でしてくれましたしね。じゃ、迷っているそれも購入して。

 結局中村君が買い終わったのは、三十分くらいで、あわせて、金貨6枚と銀貨5枚だった。


「ユキ、お昼の時間だ。予約してあるんだ、そろそろ行こう」

 予約?

 いいお店の予感がしますよ。

 お腹も空きましたしね。

 中村君がこの魔道具屋さんの従業員部屋にお世話になっていることを聞いて。

 さぁ、ご飯を食べに行きます。

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