22話 女神様?
スーパーの袋に大量に購入した、鮮魚センターの品物を入れます。
スーパーでレモンも買って……と、あちらの世界で切ってもらいましょう。お茶は前回渡さなかったはずですが、今回はどうしよう。
粉茶でも買ったほうが良かったでしょうか?それとも煎茶?
ペットボトルのお茶なんて駄目ですよね。
「おもしろいからペットボトルのお茶を10本!」
ニコニコしながら女神様が言います。
わかりました。
ペットボトルのお茶を購入して、スーパーの袋に入れて……。
「で、困ってることない?」
「困っていることとは?」
「だって無料という訳にはいかないでしょ。なにか困っていることの一つや二つはあるでしょ?神だものなんでもいいわよ?願いをかなえてあげる」
クリスさんのことを相談してみましょうか。
距離が近すぎるんですよね。
あの超絶キラキライケメンは、モブの私には危険です。
私がクリスさんとの距離が近いことを考えて気にすること自体、自意識過剰かもしれませんが、しかし、もしものときは……転ばぬ先の杖とも言いますしね。
よし、クリスさんのことを相談しましょう。
「その男性のこと以外で、困ってることない?」
速攻で、はっきり拒否られました。
なんでもいい訳ではなかったのですね。
クリスさんのことは駄目なのでしょうか?
「その男性は駄目。ある意味、世界一安全で、世界一危険かもしれないの。逃げなければ幸せにしてもらえるよ」
幸福とは自分で努力して掴むものです。
クリスさんに幸せにしてもらおうなんて考えていません。
第一モブの私があんなキラキライケメンと関わってはいけません。
クリスさんとのお付き合いは、私が特級ポーションを渡すまでです。
しかし、世界一安全で、世界一危険ですか。
世界一安全なのはやっぱりS級冒険者だからですかね。
世界一危険なのはなんででしょう。
究極のイケメンだから?
しかし、クリスさんのことが駄目だとなると、ゴブリンを倒せなかったこととかですかね。
レベル上げがフォレストキャタピラーとスライムだけではいつになったらレベルがカンストするのかわかりません。
「レベルはカンストしないわよ。上限がないんだから。とはいえ、フォレストキャタピラーとスライム相手じゃ、いつまでたっても強くなれないわね」
うーん、といった感じで女神様が腕を組んで悩んでいます。
「カンストしないことはわかりましたが、魔物を狩らなくても強くなれませんか?」
「どういうこと?」
「ゲームの世界ではいろんな食べ物を食べたりとか、アイテムを使ってレベルアップが出来たりするのですが」
「食べ物を食べるかぁ。それいいも、確かスキルに料理があったわよね。由紀ちゃんが作った料理を食べた者たちが食べてから12時間得た経験値を同じように由紀ちゃんが得られるとかっていいんじゃない」
「寄生プレイですか?」
「うーん、寄生プレイというよりも、ご褒美プレイかな、別に食べた連中の経験値が減るわけじゃないし、あくまでも由紀ちゃんの手料理を食べた者たちのみにするし、第一面白そうだから絶対やって欲しい」
ウンウン、悪い情報はなさそうですね。
S級冒険者に対抗するには素早さを上げなくてはなりません。
主に捕まらない為には必須です。
「それでお願いします」
 




