表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/194

11話 デパート召喚

「デパート?」


 駄目なのだろうか?


「デパートは、高級な品物とか食料品を売っている専門店です」

「へー、面白そうだね。それも取り寄せ出来るようにするから、なにか取り寄せてみてよ」


 ピロリン。


 音がした。


「ステータス」


【名前】高梨 由紀

【種族】人族

【年齢】16

【レベル】5

【HP】175

【MP】305

【攻撃力】204

【防御力】98

【筋力】135

【敏捷】87

【知力】183

【運】298

【スキル】錬金術、重力魔法、聖魔法、鑑定、アイテムボックス、世界言語、料理、物々交換

【称号】女神のお気に入り


 全然変わっていないけど、一つだけ変わったところがある。

 スキルに『物々交換』。

 等価交換じゃないんだなと思う。


「どうやってこのスキルを使うのですか?」

「うーん、多分言えば使えるんじゃないかな。頭の中で考えるだけでも使えるかもしれないけれど」


 言えば使えるのか。

 よし!


「物々交換」


 おお。


 頭の中に色んなお店が思い浮かぶ。


「それ、画面として他の人に見せることも可能みたいだよ」


 そう女神様に言われる。


「いえ、とりあえずこのままで、店も多いですし、まずはデパートからですね」

 

 今は選択肢が多すぎて表示をしたらごちゃごちゃになる。


 頭の中にデパートの商品が並ぶ。

 何にしよう。

 食品がいいかな。

 ここの商品を女神様に見せるには。


「オープン」


 おお、出た。

 地下の食料品ですね。

 なんとなくこのスキルの使い方がわかってきた。

 沢山の品物の映像が見れる。


「とりあえず、今日の夕飯を買ってみますね」

「うん」


 お寿司にしよう。

 トロ入りの美味しそうな一人前。

 ちょっと贅沢だけどいいかな。

 会計は、日本のお金、円の表示だ。

 1200円。

 商品を選択する。

 お金はどうするのだろう。

 物々交換らしいから、価値のあるものでないと。

 魔石はどうかな?


 ここに入れるのだな、とわかった空中に浮く特殊な空間にスライムの魔石を一つ入れてみる。

 表示が出た。


 10円。


 うん。


 10円か。


 スライムの魔石は一つ銅貨1枚での買い取りだ。

 つまりは100円の価値がある。

 換金率が悪い。


 魔石を戻し、銀貨を入れてみる。

 

 100円。


 うん、銀貨を戻し、次は金貨だ。


 10000円。


 金の含有量を考えるともっと高くてもいいとは思うけど、仕方ない、金貨でいこう。


 自然とわかった方法で購入を選択する。

 頭の中で購入のイメージするといいらしい。


 チャリン。

 

 手の中にお寿司のトレーがある。

 美味しそう。

 1200円。

 もう二度と食べられないと思ってた。

 醤油もガリもついている。


 スーパーをイメージして、ペットボトルのお茶と割り箸を購入する。

 ホームセンターでは醤油を入れる小皿。

 あわせて400円。

 無事に買えた。


 しかし、取り寄せとはいえ、店にある全ての商品が購入できるシステムになっている。

 昔見た、デパートの通販サイトよりも商品数が多いのはいいのだろうか。

 まだまだこのスキルはよくわからないこともある。

 

 さすがにインターネットの巨大ショッピングモールには負けるが、店の商品がまるごと買える。

 なかなか凄いスキルじゃないだろうか。


 一度このスキルを閉じてみよう。


 閉じて、また開ける。


 お金はどうなっているかな。


 8400円。


 あるね。


 なくなってはいない、大丈夫だ。


 そして、返金できるのかな。


 銀貨8枚と銅貨4枚が返ってきた。


 で、銀貨を入金すると。


 ……100円。


 今度からは、入れっぱなしにしておこう。

 なんだか損をした気分になる。


 しかし、ただの取り寄せよりも凄い気がする。

 もはや、召喚と言っても過言ではない。


 私は今日、異世界で地球のデパートを召喚した。


 そう言ってもいいだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ