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この世は無情!デスアンチ軍団襲来!

俺「ぎゃああああああああ!!!!!!!!!」

 俺はトラックに轢かれてしまった!トラックは俺を轢いた後執拗に前後運動を繰り返す!俺を確実に殺すためだというのだろうか!

 そんなわけで俺は死に、異世界にチート能力をもって転生した。俺の能力は「ディメンジョンマスター」、簡単に言うとテレポート能力だ。

 しかし、当然というべきだろうか、やはりこの世界には大量の能力者がいた!まさに世界は異能バトルフィールド、血で血を洗い、能力で能力を洗うバトルが日々繰り広げられている。


* * *


俺「困ったな…」

 そして俺は今困っていた。トイレに入ったはいいものの……。いや、俺は確かに入ったときにはトイレットペーパーがあったのを見た……気がするんだ。ところが、排便を終えて見てみるとトイレットペーパーがなくなっているのである。

俺「これは……能力者の仕業か!!!」

 能力者の攻撃に違いない。そう確信した俺は能力を使うことに決めた。

俺「まず……俺の部屋に鼻セレブが置いてあったはずだ……」

 尻をふくのに鼻セレブを使うというのはいささかオーバーキル気味な気がするが、俺は攻撃の手は緩めない主義である。相手が確実に死ぬまで殴り続けるのだ!そう、たとえて言えばあのトラックのように。

俺「ディメンジョンマスター!」シュインシュイン


* * *


俺「ぐああああーーーーー!!!!!!」ブスブスブス

 な……なんだ!!!!!能力者の攻撃か!!!???足裏に激痛が走る!!

 ふと気づくと、なんと俺の部屋中に画鋲がまかれているではないか!

??「ククク……きっとお前はお前の部屋にやってくると思っていたぞ……」

俺「誰だお前は!!」

 俺の部屋のベッドに居座る謎の黒ずくめの男!男は自己紹介を始める。

山田「私は山田オリュンポス。デスアンチ軍団の幹部の一人だ。」

俺「デスアンチ軍団だと!!!」

 デスアンチ軍団の悪名は聞いたことがある。工作、ステマ、転売、殺人などあらゆる悪事を行っている恐ろしい組織だという。しかし、なぜその組織が俺を狙いに来たというのであろうか。

山田「ククク……なぜデスアンチ軍団がお前を狙いに来たか不思議がっているようだな……」

 男はうろうろしだす。

山田「デスアンチ軍団は軍団員を募集している……だから私は人を脅迫して軍団に入らせるようにしているのさ……一人入らせるごとに2万円もらえるからな!!」ズブリ

俺「馬鹿めが!!!油断したな!!!」

 男の足裏に画鋲が突き刺さる!説明するときは人はうろうろする、その性質を利用した見事な頭脳プレーであった!俺に先制点が入った!

山田「ぐあああああああああ!!!!!」ブシュウウウウ

俺「痛いか!!!俺はもっと痛かったぞ!!!!」

 俺は山田に殴り掛かる。しかし、それよりも俺の足裏に画鋲が突き刺さるほうが早かった。

俺「ぐあああああああ!!!!!!」ブシュブシュブシュ


* * *


 フィールド効果、 ⊥ 画 鋲 ⊥ によって戦況は硬直状態を迎えていた。

山田「ぐ……貴様、なかなかやるな……」

俺「お前もな!」

山田「だが……お前、尻をふかなくていいのか……?」ニヤリ

俺「!!!」

 そうだった!うかつにも俺は、尻を山田の人質に取られていたのだ!トイレットペーパーを見つけられなければ、時間が経過するごとに俺の尻はかゆくなっていくのだ!

 落ち着け、俺……

 俺は呼吸を整える。そして考える。頭脳戦は俺の得意とするところである。尻をふくものといえば、トイレットペーパー、鼻セレブ、そして……ウェットティッシュ!!!!

 ウェットティッシュは下の階の倉庫にある。しかし、倉庫内に画鋲が仕掛けられている可能性もある……!くそっ!プランBだ!

 プランBは

山田「しかし、まさか空間転移能力者を我が軍団に引き入れることができる可能性ができたとはな……」

 プランBはウェットティッシュではない別のものを利用する。すなわち、トイレットペーパーか鼻セレブか、あるいは……

山田「我が軍団の団長は時間能力者……時間と空間が合わされば……最強!」

 山田がいろいろほざいて俺を妨害しやがる!!!許しがたき暴挙、尻をふいたら尻をなめさせてやるぞ……!俺は静かに怒りを燃やした。

山田「どうした?尻をふかないのか?」ニヤリ

俺「くそっ!お前が妨害するからだろうが!!!」

 必死に思考を巡らせる。紙、紙……はっ、そうだ!!

俺「キッチンペーパー!ディメンジョンマスター!」

 俺が最後に見た光景は、山田が高笑いする光景だった。


* * *


俺「ぎゃあああああああああああ!!!!!!!」ズブシャシャズブシャアアアア

 画鋲フィールドはキッチンをも覆っていた。俺の足裏はもはや画鋲なのか皮なのか、区別がつかない。階上から山田の声が聞こえてくる。

山田「馬鹿めが!!!!お前はキッチンに行くだろうと思っていたさ!!!!どうやら俺の勝ちのようだな!」

 俺の足裏はもはや画鋲なのか皮なのか?俺の足裏はもはや画鋲なのか皮なのか……?

俺「そうだ……俺の足裏は画鋲だ……」

山田「ん?何か言ったかね??ところで我が軍団に入らないか?」

 俺は、ゆっくりと歩きだした。もはやフィールドは私に害をなさない。舗装された道のように、舗装された画鋲の上を歩いていく。

山田「な!!!!なんだと!!!!画鋲がまいてあるのだぞ!!!」

俺「そんなの、関係ないさ……」


俺「愛があれば、画鋲も乗り越えられる!ノッシノッシ

俺「勇気があれば、尻をふかなくてもいい!」ノッシノッシ

俺「友がいれば、能力なんていらない!」ノッシノッシ

俺「強さがあれば、トラックに轢かれない!」ノッシノッシ

山田「や、やめろーー!!!!!俺に近づくな!!!!!」

俺「いやだね」

 俺は山田の前に立つ。そして画鋲を拾う。


俺「これが、俺を怒らせた罰だ―――――――!!!!!!!」ズブリ


 山田の心臓に画鋲を突き刺す!!!山田は大きく目を見開き、そして息絶えた。


* * *


俺「最後に一つ教えてくれ。お前の能力は何だったんだ?」

山田「トイレットペーパーデストロイヤー、トイレのトイレットペーパーを消滅させる能力さ」バタリ


* * *


俺「なんてことがあったんだよな~」

ヒロイン「そんなことよりズボンをはくべきだと思います」

 勇者は、ひどく赤面した。そして、尻をふくのは忘れていた。

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