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Character's Profile for 悠刻のエンデュミオール Part.10

作者: タオ・タシ

【『あおぞら』関係者】


神谷隼人<かみや はやと>……

 本作の主人公。浅間大学人文学部史学科4年。ボランティア組織『あおぞら』所属のボランティア。21歳。180cm、73kg。“女の子がピンチになると体が勝手に動く”という難儀な特質の持ち主。また、『他人の彼女に用は無い』、そして『俺や俺の仲間を裏切る奴は絶対に許さない』も彼の中では重要な掟である。

 複雑な家庭生活の末、大学進学を機に独り暮らし開始。学業とバイトに勤しむ生活を送っていたが、3年生の春にエンデュミオール・ルージュの戦いを見たこと、そして理佐と出会ったことで、彼の人生は変貌を遂げていく。

 紆余曲折の末ようやく付き合い始めた2人だったが、理佐の束縛癖に隼人が付き合いきれず、最終的に理佐が大爆発。その際、彼女が上記の掟に触れてしまったことにより破局する。その傷の痛みを乗り越えて、バルディオール・レーヌの正体を看破するのだが、それはその変身者の死を招くのだった。

 そして始まった伯爵家の攻勢に苦戦する仲間を守るため、会長から“愚者の石”を借り受けて戦う。それは強大な力と引き換えに、隼人の心身に過大な負担を強いるものであった。その惨憺たる姿は仲間たちの――特に優菜の哀願により、使用を控える約束をさせられるほどであったが、同時に戦力の低下を招き、見かねた会長の決断で鷹取家への援軍要請へと至るのであった。

 進級して、就職活動(と卒論執筆)に追われる日々であるが、そこは主人公――いや、律儀な性格ゆえ、他の4年生よりボランティアに顔を出すことが多い。

 最終巻である今作は、彼に主人公として大いに働いてもらいます。


島崎理佐<しまざき りさ>……

 本作の前メインヒロイン。浅間大学人文学部英文学科4年。ボランティア組織『あおぞら』所属のボランティア。21歳。175cm、57kg。

 ヤキモチ焼きの束縛大好きっ娘。

 シリーズ中一番の器量良しであり、当代のミス・キャンパス。だが、部屋を片付けられないなどその外貌とミスマッチな部分が多数見受けられ、ゼミでは“残念系クール・ビューティー”と呼ばれているほか、ミキマキからは“残念ねーやん”、圭からは“サイコちゃん”など、惨憺たる別名をいただいている。全て彼女の身から出た錆なのだが、実はこの評価は彼女の心に複雑な影を落としており、この物語の行く末に影響を与える要素となる。

 『Part.5』でようやく隼人と付き合い始めた彼女であったが、早くも束縛癖を発揮し、隼人だけでなく周囲にも迷惑をかける有様。あげくの果てに彼と大喧嘩の末、彼を突き飛ばしてしまう。これは隼人の『禁忌』に触れる行為であり、破局となってしまった。

 でも、あきらめません。それがどれほど罪のない他人を巻き込む迷惑であったとしても。だから、サイコちゃんなのです。

 今作でも、残念ねーやん全開です。行間ではちゃんと働いてるんですけどね……


田所優菜<たどころ ゆうな>……

 本作のヒロイン。浅間大学人文学部経済学科4年。『あおぞら』所属のボランティア。21歳。164cm、61kg。

 肩を組んで酒が飲めるナイスガイであり、西東京支部のフロントスタッフのまとめ役。その意外とふくよかな外装と背骨が乙女なのは偶然の産物。

 現在フリーの彼女ですが、隼人との仲はどうにも微妙。愚者の石を使って苦しむ彼を思いやる彼女の涙が、結果として事態の解決への大きな布石になったことは否めないのだが、その後はその想いを率直に伝えかねていた。そんな彼女も前作でついに奮起し、隼人とデートの約束を取り付けた。しかし、デート前日の鷹取屋敷襲撃事件に遭遇した隼人がその身を挺して美玖をかばい、デートは流れてしまった。

 今作ではついに、ハチミツバターサンドとお別れです。


光明寺るい<こうみょうじ るい>……

 本作のヒロイン。浅間大学人文学部経済学科4年で、優菜と同じゼミ在籍。『あおぞら』所属のボランティアで『ちっぱい団』団長。22歳。166cm、59kg。

 我が道をゆく酒飲み天邪鬼。ボーイッシュなおでこちゃんで、男切れの悪い女として彼女のゼミやボランティアでは有名。隠れミリオタとして、隼人の同志的存在。

 今作では出番が増えます。大規模戦闘があるからね。


唐沢美紀<からさわ みき>……

 本作のヒロイン。浅間大学人文学部史学科4年で、隼人のゼミ仲間。21歳。『あおぞら』所属のボランティアにして『ちっぱい団』団員。155cm、46kg。

 155センチと低めの身長にマッチする童顔と幼児体型の持ち主で、双子の姉とともに他人を動揺させるべく“ユニゾン”に日々精進する、自称“謎の双子”。

 男出入りの激しい姉を気遣う一面を見せるも、その体験談を赤面しながら記憶に刻む耳年増。

 隼人が始めたボランティアの秘密を知ってしまったゆえに、彼との接点を求めて白水晶を探した末、謎の女性(会長)から白水晶(姉とペアで6,000円)を購入して『あおぞら』に加入した。しかし、ダブルデートで告白するも受け入れてもらえず、美紀の気持ちを聞いた上で改めて交際を申し出た篠木と付き合うことにする。篠木との交際は順調の様子。

 『Part.7』のIntermissionにて彼女が見せた優しさは、隼人の独善からくる暴走を制止し、西東京支部のフロントスタッフの心にできていたささくれを修復し、空中分解を防いだ。その意味では、彼女がこの国の平和を守ったのだと言えるだろう。

 だが、その優しさは同時に、6年後に起こる動乱への埋火うずみびを生み出してしまったのだ……

 今作では姉ともども奮戦してもらいます。


唐沢真紀<からさわ まき>……

 本作のヒロイン。浅間大学人文学部史学科3年で、隼人のゼミ仲間。20歳。『あおぞら』所属のボランティアにして『ちっぱい団』団員。155cm、46kg。

 美紀の双子の姉。155センチと低めの身長にマッチする童顔と幼児体型の持ち主で、妹とともに他人を動揺させるべく“ユニゾン”に日々精進する、自称“謎の双子”。

 やや生真面目(当社比)な妹を心配する心優しき面も持つ。その妹の白水晶捜しを手助けした結果、彼女もエンデュミオールとなることに。どことなく楽しそうなのは、騒動屋の血が騒ぐからか。妹ともどもすっかり支部に溶け込んで、なんやかやと楽しくやっている様子。

 今作では妹ともども奮戦してもらいます。その妹に消されかけます(2作連続)が、気にしない気にしない。


佐藤可奈<さとう かな>……

 ボランティア組織『あおぞら』西東京支部の支部長。45歳。166cm、65kg。

 “伯爵”との22年前の戦いに参加しているお方。

 家族(夫、一男一女)にはこの仕事を理解してもらっているらしい。なお、子供にはエンデュミオールの才能はない様子。

 伯爵家の攻勢の中で、指揮能力が高いとは言えない彼女は苦労のしどおしであったが、アクアに現場指揮を任せて後方からのサポートに徹することで乗り切った。現在は指揮に関しては鷹取家参謀部がやってくれるので、支部の業務に専念できているようだ。

 今作も後方支援に徹します。


横田<よこた>……

 『あおぞら』西東京支部の正規職員で、サポートスタッフのチーフ。29歳。170cm、60kg。

 支部にある食堂の元賄いさんと結婚して一女有。なお、たずなからの誘惑にはなんとか耐えた模様。

 今作も後方支援に徹します。


会長……

 『あおぞら』の会長。電柱の天辺に立てたり、人外の力を封じる抑縛呪が使えたり、22年前と同じ相貌だったり。白水晶の供給を一手に握っていることもあり、謎の人物であったが、前作においてついに正体が判明。それは隼人がバイト講師を務める塾での教え子、沙良であった。

 鷹取沙良の項を参照。


河端千早<かわばた ちはや>と黒岩圭<くろいわ けい>……

 『あおぞら』横浜支部所属のフロントスタッフ。桜里大学4年。

 2人とも隼人とは保育園以来の幼馴染で、特に千早は中・高通じて3回付き合った“ズブズブの腐れ縁”。現在は同級生と交際中。

 今作は出番少な目。風邪引くなよ。


祖父江祐希<そぶえ ゆうき>……

 本作のヒロイン。『あおぞら』旧北東京支部所属のフロントスタッフ。女子大学2年生。19歳。

 支部の先輩である楓と違い、男性慣れしていないところがあり、イジられていた。レーヌとの戦闘において支部長を含む5名を失い、気力が大幅に減退する。それも真紀と美紀からの叱咤で持ち直し、西東京支部に吸収された旧北東京支部組の一人として――そして隼人へのネガティブなツッコミ役として――最終決戦を迎えることになる。

 いずれ再建される予定の北東京支部に、旧スタッフ共々戻ることが決まっている。隼人に関しては、万梨亜は冷やかし込みで厳しすぎる態度を心配しているが、本人に恋愛感情はまったくない。でも気になるという、デレ要素ゼロのヒロインである。

 今作でも、ところどころで台詞と場面がもらえます。


大西レオポルディナ万梨亜<おおにし れおぽるでぃな まりあ>……

 『あおぞら』旧北東京支部所属のフロントスタッフ。女子大学(祐希と同じ大学)3年生。20歳。

 エスパニヨル語圏出身者を父に持つハーフで、童顔ながら派手目のかわいい子。素直が取柄で、それゆえ祐希の隼人に対するひねくれ方には先輩として勝手に心を痛めている様子。素直な性格は言動にも表れ、鋭すぎるコメントに周囲がヒヤリとすることもある。

 今作も祐希と同じく、ところどころで台詞と場面がもらえます。


会川京子<あいかわ きょうこ>……

 『あおぞら』旧北東京支部所属のフロントスタッフ。フリーター。20歳。

 本人曰く『いつもなんとなく平穏無事』という、ある意味最強の素質持ち。だがそれもレーヌの戦闘では発揮されず、大損害を受けた北東京支部は西東京支部に吸収の憂き目に遭ってしまった。

 西東京支部のサポートスタッフ・海原春斗といい感じ。

 今作では出番激減。彼とはどうするんでしょうね。


狗噛凌<くかみ りょう>

 浅間大学教育学部1年で、『あおぞら』所属のボランティア。18歳。165cm、49kg。

 岡山県に居住する狗噛一族の出身。一族の詳細は前作に詳しいが、要約すれば忍術を体得している一族である。『シェイク ハンズ シェイク!』に登場する狗噛夜那岐との関連は不明。

 彼女は一族の現状を憂い、失われた古術を知る手段を探すこと、そのために一族と因縁を持つ鷹取家に接触すること、趣味のナイフ収集が捗るであろうことを理由に、一族の引き止めを振り切って、東京の大学に進学した。

 そして入学して1ヶ月と立たずに妖魔討伐の現場に遭遇し、鷹取家への接触に難なく成功。自身が持つ技の鍛錬も兼ねて――もちろん、大好きなナイフを存分に振るえる――『あおぞら』のフロントスタッフとして登録した。その後、かつて狗噛の男と暮らしていた沙良から、失われた古術の鍛錬方法に関するメモを与えられ、一族に披露するべく帰省。一族の奮起を期待したが、逆に危険分子と見なされて襲撃を受けた。最低限の反撃でかわして負傷しながらも郷を脱出、失意のまま東京に舞い戻る。

 その後は一族のことはいったんあきらめ、自らの技を磨くことに専念している。

 今作では、忍びならではのアレコレが発生。


浦永陽子<うらなが ようこ>

 金春音楽大学1年で、『あおぞら』所属のボランティア。18歳。168cm、51kg。

 『Part.6』に初登場(当時は高校生)。海原満瑠と江利川千夏のコンサート会場で、客席のステップを踏み外しかけた彼女を隼人が助けようとしたところ、パニックを起こした彼女は彼を突き飛ばしてしまった。理佐とはファン仲間(ただし理佐は満瑠派、彼女は千夏派)であり、方々の会場で顔を合わす間柄である。

 その後、前作で大学生として再登場し、理佐の変身を偶然見てしまう。興味を持った彼女は思考とネット、そして天性の良い耳を駆使して、玲瑯舎大学での栗本と鷹取家の戦闘にたどり着いた。それは同時に、『あおぞら』会長の関知するところとなり、西東京支部を探りに来たところをスカウトされる。優羽、瞳魅、凌の1年生カルテットで仲良くやっているようである。

 性格はたまにエキセントリックな爆発がある以外は普通である。ただし、『女性遍歴に一点の曇りも無い男以外はみんな汚れてる』という独特な男性観の持ち主ゆえに、隼人の過去や行状には嫌悪感を隠さない。凌や優羽、瞳魅とは同学年として仲良くやっているようだが、優羽の行状は『汚れてる』扱いではないようで、そこをネタにされることもしばしばある。

 今作は出番激減。


エンデュミオール・ルージュ……

 田所優菜が変身する炎系エンデュミオール。炎系というエンデュミオールではレアな系統ゆえか、はたまたそれなりの適格者が炎系となるのかはわからないが、リーダー的存在として西東京支部の変身者を束ねている。その数も自身を含めて8名+3名と大所帯になり、かつ就職活動のためボランティアに顔を出す時間が減ってしまい、支部長は悩んでいるところである。

 拳に炎をまとわせての接近戦も行うが、どちらかというと投射系スキルのほうが得手。


エンデュミオール・ブランシュ……

 島崎理佐が変身する氷雪系エンデュミオール。コードネームは理佐が変身者となった時、同じ支部にすでに『ホワイト』がいたため、フランク語から採った。

 中学1年から続けているため、結構な経験を有している。氷の槍を作り出しての近接戦闘を好む。第2次倉庫街戦闘において、彼女はこだわりを捨て、小刻みにかつ執拗に相手を削っていくスタイルに変更した。


エンデュミオール・アクア……

 光明寺るいが変身する水系エンデュミオール。

 キックボクシングの技を生かした正面切っての攻撃スキルだけでなく、防御スキル、治癒などのサポートスキル、全体攻撃スキルなど幅広い(悪く言えば八方美人な)スキル持ち。倉庫街の戦闘では指揮とサポートに徹し、また開戦前にバルディオール・エペを精神的に揺さぶるなど、その勝利に貢献した。

 その後は現場指揮官として、整っているとはいえない戦力に苦労しながらも、伯爵家の攻勢をしのいで鷹取家の参戦まで持ちこたえた。


エンデュミオール・ブラック……

 神谷隼人が変身する光線系エンデュミオール。

 光線系はかなりレアな系統であるため師匠役がおらず(隼人の場合はそれ以前の問題もあったが)、結局"エストレシリーズ"の各種光線技をコピーすることで戦力としている。

 基本的には強力な投射系スキルを使用する中・長距離攻撃がメインだが、隼人の持つ難儀な特質により、接近戦用のスキルも無理やり実装している。それも、鳥人間との戦闘でスキルの再考を迫られたこと、“女の子がピンチになると体が勝手に動く”彼の特質を戦力に変える必要ができたこと、以上の理由で光剣と光盾によるガチ白兵戦仕様に変更した。

 伯爵家撃退後は妖魔の討伐を行うため、バランス重視の戦術に戻している。


エンデュミオール・イエロー……

 唐沢美紀が変身する電撃系エンデュミオール。

 読んで字のごとく、電撃を駆使して闘う中長距離メインのエンデュミオール。近接戦闘を挑んできた敵に電撃をかまして返り討ちにもできる。ただし、そのためにはなにがしかの方法で敵に触れねばならないため(もちろん電流が流れる部分を)、そこは一工夫が必要なのだが。

 急速に戦力として成長している模様。トゥオーノとの差は、やはり才能と覚悟なのか。


エンデュミオール・グリーン……

 唐沢真紀が変身する質量操作系エンデュミオール。

 この実に胡散臭げな系統、投射系のスキルが全く作れないガチ近接戦闘要員で、実は結構出現率が高い。変身者に武道経験者や喧嘩慣れしている者が多いのがその原因の一つであろう。……真紀は、一体何の経験者なんでしょうね。ふっふっふっふっ。

 彼女もまた、親交を結んだ千早や圭にアドバイスを乞いつつ、急速に戦力として成長している。


エンデュミオール・ヴェルデ……

 イエローとグリーンがスキル“アネクゼーション・ドライブ”で融合変身したエンデュミオール。パーソナルカラーは黄緑で、系統名は理佐の命名により電凸系となった。

 グリーンの質量変化系をベースに、イエローの電撃が同時使用できる。これは本人たち曰く「質量変化はグリーンが、電撃はイエローが行っている」つまり意識や思考まで融合しているわけではなく、2人を白水晶の力で体力を使って無理やり1人にしていることになる。それで戦闘ができるのは普段からのユニゾンの成果であろうが、当然のことながら体力切れ寸前までの時間制限が存在する。倉庫街での戦闘後にそのことを2人が話さなかったのは、内通者対策である。

 最後に、このことを聞いた会長のつぶやきを。「系統以外のスキルなんて作れないはずなんだけど……」


エンデュミオール・トゥオーノ……

 祖父江祐希が変身する、旧北東京支部所属の電撃系エンデュミオール。隼人やヤミキマキよりも経験の少ないエンデュミオールであるため、実力はまだまだながら、着実にかつ堅実に経験を積みつつある。


エンデュミオール・アスール……

 大西レオポルディナ万梨亜が変身する、旧北東京支部所属の水系エンデュミオール。『あおぞら』では珍しい、エスパニヨル語由来のコードネームとスキル名なのは、彼女がエスパニヨル語圏出身者を父に持つハーフだから。同じ水系でもどこかの天邪鬼と違って、押し流したり叩き付けたりと範囲攻撃的な投射系スキル、近接系スキルの水の鞭など、わりとオールラウンドに戦える。北東京支部の対レーヌ戦は、所定のフォーメーションを捨てて彼女とロートを援護役に下げるべきだったと戦後に分析されている。


エンデュミオール・アンバー……

 会川京子が変身する、旧北東京支部所属の電撃系エンデュミオール。能力的には並みだが、治癒スキルを開発したことにより、重宝されることとなった。


エンデュミオール・イツヒメ……

 狗噛凌が変身する武器強化系エンデュミオール。彼女が本来体得している体術及び忍術を駆使した速攻や撹乱に加えて、得意武器であるナイフの切れ味が増す武器強化系の特質によって、尋常ならざる戦闘力を発揮する。ただし、エンデュミオールとしての身体能力増強を加味しても非力であるため、妖魔・金剛の硬く厚い皮膚やパワープレイには苦戦を余儀なくされるのが玉に傷。


エンデュミオール・ブリランテ……

 浦永陽子が変身する旋風系エンデュミオール。風、あるいは空気の流れを操り、敵を吹き飛ばしたり壁に押さえつけたりなど間接的な役割を担う。また、空気の操作によって飛翔することもできる。ただし、体力を際限なく消費することになるので、どこまでも行けるわけではない。使いようによっては相手を窒息させることも可能なはずだが、彼女はまだそこの域には達していない。そこまでやりたいかというと、他の支部所属の旋風系エンデュミオールと同じく『ほどほどで』というところだろうが。


【鷹取家の人々】


鷹取沙耶<たかとり さや>……

 本作のヒロイン。鷹取家総領候補者。玲瓏舎大学文学部英文学科の非常勤講師にして、修士課程1年(蟄居解除に伴い復学)。25歳。鷹取家の女性特有のふっくらとした容姿の持ち主。168cm、61kg。

 鷹取家1200年の歴史の中でも十指に入ると推察される強力な巫女で、18歳の時164年ぶりに“御剣鬼みつるぎの巫女”の銘を襲った。3年前に引き起こした、とある未遂事件の咎を受けて蟄居していたが、親族寄合の全会一致での採決により赦免となった。その代償として御剣鬼の巫女の銘を剥奪されたが、彼女自身にとっても鷹取家にとっても、些細なことでしかないだろう。

 伯爵家の攻勢に対する迎撃においてはバックアップに徹し、要所々々でその実力を披露している。といっても、彼女の戦闘に関する信条は『挑んできた相手を煽って激高させ、実力以上の力を出させた上でひねり潰す』という性質の悪いもの。つまり、彼女に戦いを挑まなければいいだけなのだが、攻め寄せている時点で伯爵家は『挑んで』いるわけで、会長が鷹取家に救援要請をした時点で侵攻は手詰まりだったと言える。

 大学の同僚である長壁順次郎に好意を寄せているが、想いを伝えているとは言いがたい状況である。それでも少しずつ2人が接近した結果が『Part.8』ラストの集団デートだったのだが、栗本残党の襲撃により、一般人の前で鬼の血力を振るえない彼女は窮地に立たされる。だがそれは、たまたま近在でバイトをしていた隼人――エンデュミオール・ブラックの救援により事なきを得た、かに見えた。

 その後、袴田主任参謀(と参謀長)の仕掛けた罠にはまり、大学構内で妖魔討伐を行ったところを長壁に見られてしまう。直接の描写はないが、彼に拒絶されたと思われるシーンで前作は終了した。

 というわけで、今作では冒頭でピンチです。彼女ではなく、現世が。


海原琴音<うなばら ことね>……

 本作のヒロイン。海原家当主予定者。玲瓏舎大学社会学部心理学科3年。20歳。

海原家の女性らしい細身の美人。166cm、57kg。

 沙耶には遠く及ばないが、一般的な基準からすれば十分強大な“鬼の血力”を持ち、また冷晰な頭脳と明るく社交的な性格で宗家を――特に、人懐こい性格とは言い難い沙耶を――支えていくものと期待されている。趣味はオカルト探索と“黄色い革の手帳”へのメモ書き。巻が進むにつれて、隼人への思いが少しずつ強まってくるような……しかし奥ゆかしいというか、おっとりしているというか、なかなか真意の見えづらい女性である。

 今作は前作と違って大活躍です。彼女の本意ではないかもしれませんが。


蔵之浦鈴香<くらのうら すずか>……

 本作のヒロイン。蔵之浦家当主。玲瓏舎大学工学部化学科3年。20歳。隼人曰く“健康的な体格の地味目美人”で木之葉の義妹。166cm、61kg。

 琴音とは中学校以来の親友。一般家庭の生まれであるが、17歳の夏に鷹取の血を引くことが判明。このため、高校卒業をもって、海原の分家扱いで立家された蔵之浦家の初代当主となった。この立家にはさまざまな事情――友情、憐憫、監視など――が絡んでいる。

 その事情は、『Part.8』で明らかとなった。4年前に栗本が蜂起した際、疫病神を無理やり現世に顕現させるための寄り代に利用されたのだ。不幸にもそれは、彼女の『代替ワリニ叶ウ者』としての特質を開花させることとなってしまう。つまり彼女の魂には疫病神が食い込んだ状態であり、彼女が好むと好まざるとにかかわらずその力を使用してしまうたびに魂を蝕み、最終的に代替わり――つまり、鈴香が次代の疫病神になってしまうのだ。

 それゆえ、自身の恋愛については悲観的。琴音が見せ始めた隼人への想いを応援し、なかなか当人が動かないことにやきもきする毎日である。

 今作では、まあぼちぼちの出番。クライマックスで今後につながる一場面があります。


鷹取優羽<たかとり ゆう>……

 仙台鷹取家の長女。浅間大学人文学部法学科1年。18歳。164cm、58kg。前作で妹がいることが判明したが、兄も1人いる。

 舌っ足らずな口調が特徴の、無邪気(7割は計算)な巨乳ちゃん。ふわふわした言動と自分を可愛く見せる所作に長けているため、言い寄る男は引きも切らない反面、一族以外の女子には人気が無い。

 入学当初から隼人にまとわりつき、彼への好意を隠さないが、相手にされていない。これは彼女にとって初めての経験で、いきり立った彼女は倍々プッシュで攻めているが、良い意味でも悪い意味でも慣れている隼人には通用していない。

 賑やかし役として、るいのお株をすっかり奪ってしまった彼女。だが、時折みせる『普通のしゃべり』がまた『ギャップ萌え狙いか?』と女子には不評である。彼女にとってはどうでもいいことだ。美貌と有り余るお金の持ち主なのだから。

 今作でも騒いでもらいます。


海原瞳魅<うなばら ひとみ>……

 仙台海原家の次女。浅間大学人文学部英文学科1年。18歳。170cm、57kg。

 近接格闘を好む戦闘スタイルの巫女(投射系を使用しないという意味ではない)。それゆえかキビキビした言動で優羽と好対照となっている。優羽のフリーダムさとも対照的であるため常識人と見られがちだが、彼女もしょせん海原家。いろいろとずれている。メタ的には優羽のカウンターパート役であり、今後も出番は基本的に一緒であろう。それが相方というものだし。

 今作でもそれは変わりません。


鷹取沙良<たかとり さら>……

 隼人がバイト講師をしている進学塾『東堂塾』の卒業生。154cm、46kg。

 隼人に想いを寄せる高校生・坂本沙良として(そして振り向いてもらえないかわいそうな子として)日々を過ごしていたが、その正体は隼人の所属する『あおぞら』の会長にして、800歳を超える鷹取家の伝説の巫女だった。

 14歳の時、病に伏せる婚約者とともに不老の呪いを享受して、結婚という鷹取一族として最大の難関を乗り越えようとした。だが、儀式は失敗に終わり、婚約者は死去。その魂と怨念が対価となって、沙良には不老を越えた、不老不死となる呪いがかかってしまった。

 このことを咎められて鷹取家を追放となり、諸国を流浪する。明治の開国後は外国へと渡り、フランクにて伯爵アルマン(当時)と知遇を得た。恋愛関係にあったかどうかは明言されていないが、それに近い関係だったと思われる。しかし、愚者の石に魅せられたアルマンが沙良からそれを奪取。彼が黒水晶を作り出して日本への侵略を開始したことを知った沙良は、自らも白水晶を作り出し、仲間に与えてそれを迎え撃つのだった。

 現在は鷹取家に戻り(約100年前、疫病神顕現を予見した当時の総領によって赦免されていたが、通知が届かなかった)、総領の相談役として活動している。『あおぞら』の会長ももちろん兼務して。念願だった大学生にもなり、充実した人生を送り始めたところである。隼人へ寄せる想いは変わらないが、相手にされていないのも相変わらず。奮闘は続く。

 今作でも、要所で登場して働きます。コメディパートが多目かな。


海原春斗<うなばら はると>と海原耕介<うなばら こうすけ>……

 東京近郊に居住する海原家の男子。ともに高校2年生。

 鷹取家と『あおぞら』との間にある距離を埋めるべく、全国的に施された処置により、西東京支部でサポートスタッフとして働いている。春斗が京子といい感じになっているが、お互いにどうしていきたいのか模索中という不思議なカップルである。


仙道たずな<せんどう たずな>……

 鷹取家参謀部主任参謀。28歳。169cm、62kg。

 誰もが認める豊かな胸と色香を持ち、それに引き寄せられる男の人生が終わる(本人曰く『そんなつもりはないのに』)、いわゆる“運命の女”。弓子の姉。

 蒼也絡みで沙耶たちと知り合い、その年に勃発した栗本の叛乱で参謀としての才能を見せたことにより、参謀部にパートとして入隊する。その後主任参謀に抜擢されたが、沙耶たちとのコネクションによる贔屓であるとの妬みをこうむることになる。

 作戦立案者としての思考は冷徹で、味方の損害も少なければ目的達成のためにはやむを得ないという傾向がある。

 『 Final Resolution!!』にも登場しますね。そう、格上の副参謀長として。ということは、そこに至るまでのゴジャゴジャが描かれるわけで。ああ面倒くさい。

 今作はガッツリ働いてもらいます。ゴジャゴジャの解消のために。


袴田<はかまだ>……

 鷹取家参謀部主任参謀。50歳。全国に9つある管区に付属する参謀部のうち、関東を所管する宗家の参謀部は他のそれより格上とみなされており、彼はその参謀部に自衛隊から転身して実質ナンバー2である主任参謀にまで昇進した。中々のやり手として次の副参謀長とも目されるチョビヒゲ。

 総領候補者である沙耶を排除するべく、参謀長や鷹取家の婿連中と結託して陰謀を巡らしている。

 今作も策動します。


鷹取美弥<たかとり みや>……

 鷹取家第61代総領。53歳。隆俊と沙耶の母。総領として鷹取家の諸儀式を取り仕切り、かつ財閥の総帥である息子の補佐として多忙な毎日を送りながらも、家族や一族への思いやりは忘れない女性。

 自らが平凡な巫女であったことから、幼少時より才能の片鱗を見せた沙耶に多大な修練を課し、“御剣鬼の巫女”を襲名できるほどに育て上げた。だがその結果、人付き合い、殊に異性との関係構築に難のあった沙耶を学友たちから遠ざけ、ますます不器用な性格へと追いやることになってしまった。そのことが3年前の事件の遠因とも言えるため、彼女の心のしこりとなっている。

 今作でも総領としてお仕事をしていただきます。


【栗本一党】名前が出てくるのは今のところ下記の6名であり、全体としてどれほどの集団なのかは不明である。


栗本<くりもと>……

 宿怨の鬼還編のキーパーソン。年齢不詳(推定40歳)。

 3年前、いわゆる戦国時代に消滅した鷹取家の分家の末裔を名乗り、分家相応の扱いを要求。無視されると蜂起し、鈴香に疫病神を憑依させ、その力を使って暴れた。この蜂起は鷹取家によって鎮圧され、警察に引き渡された。

 だが、公判中に脱走した彼は顔を変えて貿易商になりすまし、財産を築く。一方で、彼と同じく鬼の血力を持ちながら在野に埋もれた人材を探し出した。

 また、持ちビルの地下に術式を描き、疫病神が幽閉されている地獄の牢穴を破る。その身に疫病神を宿し、先に『代替ワリニ叶ウ者』となった鈴香を抹殺するため、玲瑯舎大学に単身出現。琴音と交戦して窮地に追い込む。遅れて到着した鷹取家の本隊及びエンデュミオールたちを向こうに回して奮戦するも、カラミティ+ブラックの全体攻撃で妖魔勢を消滅させられたうえ自身も重傷を負う。最後は蔵之浦蒼也によってその身から疫病神を剥がされ、またも敗北した。ただし救急搬送中に一味が身柄を奪取したため、生死不明である。


祖笛<そぶえ>……

 栗本一党の一人。30代の女性。栗本の秘書的な役割を担っていた。

 鷹取屋敷襲撃事件で戦闘終盤に沙耶の超特大突光の横撃を受け、行方不明。


乃村<のむら>……

 栗本一党の一人。30代の女性。

 『Part.7』で瞳魅を襲撃し重傷を負わせた。前作の鷹取屋敷襲撃事件では隼人の挑発に乗って戦線を勝手に離脱。美玖をかばった隼人を仕留めたが、白水晶による回復までは読めず、呆然とした隙を突かれて美玖の執事に取り押さえられた。


安堂<あんどう>……

 栗本一党の一人。30代の女性。

 星見丘公園における沙耶襲撃でブラックと交戦し、自爆技を食らって爆散したと推定されている。


平居<ひらい>……

 栗本一党の一人。10代の女性。鷹取屋敷襲撃事件で戦闘終盤に沙耶の超特大突光の横撃を受け、行方不明。


清多<きよた>……

 栗本一党の一人。50代の男性。当然のことながら、鬼の血力は使えない。暗殺術を極めていると吹聴する自信家だが、その筋の腕は確か。

 鷹取屋敷襲撃事件で作戦に従い単独行動を取り、庭師を襲っては殺していた。何人目かを亡き者にした段階で真紀と美紀の邪魔が入り、双子相手に互角の勝負を繰り広げるも、偶然帰還した凌に不意打ちを食らい戦死。


【写真に写る人々】

 沙耶の友人たち。仙道たずなは【鷹取家の人々】に記載。


向井木之葉<むかい このは>……

 沙耶の親友。25歳。163cm、53kg。荒い口調ながら、はすっぱなねーちゃんというわけではなく、細やかな気遣いもできる人。鈴香の兄・蒼也と結婚して1女有り。実家の『居酒屋 むかい』を手伝っている。

 沙耶とは高校以来の付き合いで、同じ大学に進学したが、そのことが彼女たちの運命を荒波に投げ込むことになる。

 今作は、ぼちぼちの出番。


仙道弓子<せんどう ゆみこ>……

 沙耶の親友。25歳。160cm、55kg。たずなの妹。姉同様にナイスバディを十全に生かした男性遍歴を持つ。だが姉とは違い、常に複数をキープして『楽しく切れ目無く、かつ割り切った』関係を構築している。

 情報処理系の学部卒。大学1年次に合コンで知り合った木之葉を介して沙耶とも交友を結ぶ。現在は鷹取財閥傘下のソフトウェアベンダー、タカソフの主力社員。

 『Final Resolution!!』にはマッドSEこと仙道主任として登場する彼女は、姉ともども鷹取家親族寄合で認められた存在、すなわち『友人知人を傘下企業に雇わない』という信条の例外措置を受けている身である。

 今作でもキリキリ働きます。


岩政夏姫<いわまさ なつき>……

 沙耶の親友。26歳。171cm、58kg。わりと豪快な姉御肌の人。

 仙道姉妹とは幼馴染で、弓子経由で沙耶と知り合う。鷹取家に勤務する庭師の岩政五郎と、お見合いという名のドツキ合いをして負け、学生結婚する。1男有り。

 今作は、ぼちぼちの出番。


海原満瑠<うなばら みちる>……

 琴音の姉。25歳。172cm、57kg。琴音並みにほっそりとした、琴音以上に派手目の美人。

 本来なら海原家当主予定者として妹の上位に立つはずであったが、幼少のころよりヴァイオリン演奏に特段の才能を示したため、本人のたっての希望により、巫女としての基礎的訓練を受けただけで当主予定者から外れている(合同練武への年1回の参加義務はある)。現在はプロの演奏家として活躍しており、もちろん海原財閥の広告塔として、また傘下企業のオーナーとして多忙な毎日を送っている。


江利川千夏<えりかわ ちなつ>……

 満瑠の仕事上のパートナー。25歳。166cm、53kg。

 満瑠と大学在学中に知り合い、以来コンビを組んでいるプロのピアニスト。ボーイッシュで、満瑠とは別方向に派手。

 今作でも、満瑠とともに遠くで心配する役です。


【伯爵家】


“伯爵”<はくしゃく>……

 本名アルマン・ド・ヴァイユー。前伯爵。

 フランク共和国在住の貴族で、バルディオールたちを使って『あおぞら』の会長こと鷹取沙良が所持する愚者の石を奪取し、同時にその身柄を抑えることを企んだ。

 その野望は、かつて交流のあった沙良から愚者の石の片割れを奪ったことに端を欲する。彼はその石から見分けの術式を行って黒水晶を作り出し、配下に与えてバルディオールに変身させていたのだ。

 23年前に密かに日本に侵略に来て、現在の西東京支部長たちと交戦。重傷を負わされて逃げ帰り、最近ようやく本復しつつあった。が、自室に籠もることが多くなり、実は寿命が尽きかけているのではないかと囁かれており、実際耄碌した隙を弟ニコラに突かれ、全権を委任する摂政位を弟に与える書類にサインしてしまった。

 現在は家督を次女のミレーヌに譲り、穏やかに、主の御許へ旅立つ日を待っているらしい。

 今作でもまだまだ言及されます。本人そのものに対してではありませんが。


アンヌ・ド・ヴァイユー……

 前伯爵の長女にして、現伯爵の姉。170cm、63kg。

 伯爵家が代々行っている“ディアーブル”討伐の先頭に立つ、剣の使い手。進捗の見えぬ日本侵略と、エンデュミオール・ブラックの登場による脅威の増大に対処するため、総司令官代理・ニコラの命により、日本に送り込まれる。本国でのディアーブルの大攻勢は辛くも奮戦により撃退したものの、少なからざる家臣を失い、彼女自身は日本にとんぼ返りせざるを得なかった。

 その後、それなりに日本生活を満喫しつつ西東京支部への雪辱を果たすべく鍛錬をしていたが、叔父ニコラの画策によって拘禁される。執事ベルゾーイの知略によって脱出を果たしたが、それは『あおぞら』への退避に結びつき、反逆者として追求される身となってしまった。そのニコラを討伐するため『あおぞら』と鷹取家に助力を仰いだことのけじめとして、伯爵家の家督継承権を放棄した。

 現在は伯爵家遊撃隊指揮官として、ディアーブル討伐に専念している。永田へはメールやクリスマスカードなどで折々に気遣っているようだ。

 今作ではそれなりの出番。戦闘もあります。最終戦は欠場ですが。


ミレーヌ・ド・ヴァイユー……

 前伯爵の次女であり、現伯爵。171cm、60kg。家業はこの国に出現する“ディアーブル”を討伐すること。

 彼女も“ディアーブル”討伐の戦士ではあるが、どちらかというと防衛向きの性格であり、バルディオールとしてもその方面に特化したスキルを持っているため、留守居役が多い。

 姉の反逆に激怒したが、後にそれが叔父による御家乗っ取りの策略であったことを知らされ、同時に家督が自分に回ってきたことにより、気楽な次女の身から一気に渦中の人となった。そのため、姉を少なからず恨んでいるという。

 今作でも動転していただきましょう。


ソフィー……

 本作のヒロイン。アンヌの配下。短髪の人。アンヌのために粉骨砕身することもいとわない苦労人。アンヌとともにミシェルに拘禁されるも、ベルゾーイの手引きで脱出。『あおぞら』に主君と共に身を寄せ、ニコラ討伐に赴くこととなった。

 現在は伯爵家に創設予定の参謀部スタッフとして、鷹取家に研修のため派遣されている。在日大使館スタッフと交際しているようだが、彼は他所人。彼と結婚することは一族からの離脱と離仏を意味する。敬愛する主君を支えることもできなくなるため、悩みは深い。

 今作でも、そこそこの出番があります。


バルディオール・レーヌ……

 伯爵配下の光線系バルディオール。その正体はボランティアスタッフの長谷川和美であったが、当初は不明であった。

 北東京支部の管轄地に突如現れ、北東京支部長や楓たち5名を殺した。その後第2次倉庫街戦闘においてエペの増援に登場し、同じく現れた鳥人たちとともに西東京支部のエンデュミオールたちに挑むが、これは成果が出ず撤退。その後日本各地に出現し、横浜支部ではブラックやブランシュと再戦した。

 スキル名は全てフランク語であるが、帰国子女の優菜曰く「棒読み」なため、日本人ではないかと推測されていた。

 その後、仙台支部襲撃の際フロントスタッフを死傷させるものの、『あおぞら』側の取った対抗手段により次第に戦果が上がらなくなり焦ったところへ、隼人が正体を推理したうえで仕掛けた罠にかかる。それでもブラックとの3戦目では追い詰めたものの、会長ことエンデュミオール・カラミティの参戦により形勢を一挙に逆転され、最期はブラックの光線によって黒水晶を破壊されて戦死した。

 彼女の引き起こした出来事について、今作でも言及があります。


【神谷家】


神谷なごみ<かみや なごみ>……

 隼人の義妹。20歳。なにやら特殊能力持ちらしい、整った顔立ちのふくよかさん。大学に入学したが、まだまだ家庭の苦労は耐えない。

 隼人に好意を寄せていることを隠していないが、その一環で続けていた彼の日常生活のお世話を辞めてしまったことから、何事かが原因で、気持ちが途切れてしまった可能性がある。

 今作は、くるみともども重要な出番があります。途切れた原因も述べていただきますし。


神谷くるみ<かみや くるみ>……

 隼人の義妹。18歳。顔立ちは良く似ているが、姉とは対照的に細身。病気がちで、現在6か月に渡った入院を終えて復学。時折検査に病院通いをしながら勉学に励んでいた。隼人や姉と旅行に行くことを目標に体力づくりに励んでいたが、それが仇となって病気が再発。一気に重症化して、緊急手術を受ける羽目に陥った。隼人の必死の金策と、『あおぞら』スタッフたちのカンパでどうにか手術費用は捻出され、一命を取りとめたが、まだ予断を許さない状況である。生活環境を変えるよう医師からは忠告されているが、それは彼女には困難な話である。今は、まだ。

 姉以上に隼人への思慕を表沙汰にしているが、全く相手にされていない。隼人の嗜好を考えると、恐らく彼女の思いがかなう日は来ないだろう。それでも彼女は想い続ける。わたしはこんなはずじゃないんだ、と。

 今作は姉と一緒に出番です。


【OTHERS】


長壁順次郎<おさかべ じゅんじろう>……

 宿怨の鬼還編のキーパーソン。玲瓏舎大学文学部英文学科の講師。つまり沙耶の同僚。29歳。173cm、66kg。

 穏やかで爽やかな人柄。研究者としても如才なく、学生からの人気も高い。沙耶が彼に好意を持っていることは鷹取一族周知の事実なだけでなく学生たちも感づいており、本人もまんざらでもない様子であった。だがそれも、妖魔の襲撃を受けたことで一変する。妖魔が放つ殺意に圧倒された彼は、その時の沙耶の動きに不信感を抱く。そして大学構内で沙耶が行った妖魔討伐の現場に遭遇して動転の極みに達した彼は、沙耶からの想いを受け入れることはなかった。

 今作では名前が出てくるのみ。


鴨池、樹鞠、紫月<かもいけ、きまり、しづき>……

 もう覚えてる人もいないだろうが、左からバルディオール・ミラー、アルテ、バルちゃんの本名である。3人とも黒水晶を沙良から返却されてている。

 鴨池はフランク語だけでなく諸国語に堪能なのを活かして、鷹取家に通訳兼護衛として雇われている。

 樹鞠は千葉海原家のパトロンに比較的自由に創作活動をやらせてもらっている。作品もそれなりに評価されているが、変身して作品を構築しているため、一部からコスプレ芸術家呼ばわりされて怒っている。

 紫月は大学に復学して、学生生活をやり直し中。一応長野支部所属のバルディオールという変な立ち位置だが、やっぱりちょっと怠け癖の有る彼女はあまり出勤していない模様。

 で、ここで名前が出てくるということは、ちょい役の出番があります。


ツカダ……

 地獄総鎮守府に勤務する女性。沙耶たちの旧知の人物、いや幽霊。初出は『Part.8』。

 当初出す予定はありませんでしたが、お話を動かすために出てもらいます。

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