春眠暁を覚えず
この話の今は四月くらいです。
春の日差しは気持ちがいい。母国では曇りが多いせいか、こう暖かく日差しが気持ちいいと全身で日光を吸収したくなる。俺はいつもの縁側で日光と畳のぼこぼことした感触を噛みしめる。
「朝から畳でごろ寝とは随分この家に慣れてきたじゃぁないか。アドルフ」
奥のキッチンから出て来たのはこの家の家主、吉野縁だ。今日の着物は薄い水色にピンクの花が散りばめられ、オレンジ色の帯にも一輪の白い花が大きく刺繍されている。
「そういえば、お嬢さんはフダン何ヲシテルんですか?」
オチャを受け取りつつ、何気なく聞いてみた。
「そうだな、職業という点では画家兼写真家兼探偵って所だな。」
期待した答えとは微妙に違ったが、詰まりはごっこ遊びをしているんだろう。
「へーソウナンデスカ」
「……君、本気にしてないだろ。絶対。結構忙しいのだよ?アドルフ。」特に探偵はね。と最後に付け足した。
「へーソウナンデスカ、オジョウサン」
「本当はもっと流暢に話せるだろう?アドルフ。本当だぞ。」
「はい話せますョ。お嬢さん」
「いい忘れていたが、今日は客人が来るぞ。依頼人だ。」
「依頼人って探偵のですか?」
「もちのろん、だ」
「へーソウナンデスカ」
「おい。」
ーピンポーンー
「すいませーん!依頼人の浜松ですー」
「どうやら、来たようだぞ。」
……おいおいマジかよ。
推理要素入れていきたいと思います!