霧の国からコンニチハ
留学生の名前が決まりました!家主さん出てきます
『おおぉお!スッゲー!』
俺の目の前には立派な、立派な日本家屋が広がっていた。
『すごいだろ。ここが今日からお前が住む所だ!』
さぁ、挨拶に行くぞ。という先生の言葉で俺達一行は、玄関前にきた。そしてインターホンを鳴らす。なんか、ここまできて急に緊張してきた。上手く日本語喋れるだろうか?
ドキドキしながら待っていると、
ーガラガラガラー
ドアが開いた。こっちではスライド式なのか!
『えっ』
関心していたのもつかの間。俺は絶句した。変人というからてっきり男性だと思っていた。でも、ドアから出て来たのは、釣り目がちな目と紫の簪(ネットで見た)でまとめた艶のある黒髪が印象的な女の子だ。
「ようこそ東の島国へ。私は吉野縁だ。」
しかも、今お辞儀をしている"彼女"はなんと俺の妹(15)より小さい。と言う事はこの娘の両親がいる訳で……
『ちょっと、先生!ホストファミリーは一人だって言ったじゃないですか‼』
『私の両親は此処には居ません。住んでるのは私一人。』
『!?』
小声で話していたつもりなのだが、先に答えたのは彼女だった。しかも流暢な英語で。
『まぁ、フフ、そのうち分かッフるさ。』
ちょっと!何笑ってるんですか!こんな小さい娘がこんな山奥で一人暮らしですよ?
ポンと背中を叩かれた。挨拶をしなさいのサインだ、とりあえず、挨拶はきちんとしないと。先生には……帰ったら問いただそう。
「コンニチハ、イギリスからキマシタ。アドルフです。これからヨロシクお願いシマス」
「嗚呼。宜しく頼むぞ。アドルフ」
そう言って彼女は釣り目がちな目を細めた。
「……ところで、お嬢さんはオいくつですか?」
部屋の案内が終わったところでずっと気になっていたことを聞いてみた。
「少なくとも、お嬢さんと呼ばれる歳ではない。敬意を込めて『吉野様』とでも呼ぶんだな。」
「またまた〜お嬢さんこんなに小さいクテkawaiiのに」
「可愛いの所だけ貰おう。ちなみに、150はあるからな。断じて小さくはないぞ。」
どうやら気にしてる事らしい。
ちなみに、先生の名前はハリスです