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〜序章〜
留学って一度は憧れますよね
空港から数時間。ずっと車に乗りっぱなし。山道に差し掛かかったと思えば、ついに舗装されていない道へ突入した。
『あの、こんな山奥に在るんですか?俺のホームステイ先。』
先の見えない道を眺めながら付き添いの先生に質問を投げかけてみた。ちなみに、この先生かなりのベテラン教師である。
『ああ、もうすぐだよ。』
そしてこう続けた。
『そういえば、君のホストファミリー…と言っても一人なんだが、ちょっと変わった人でね。きっと濃い数カ月になるよ。』
『えっ!一人なんですか⁉』
それはホストファミリーと呼べるのか?ファミリーって……にしても、"変わった人"か。
さてさて、俺はこの「日本」で上手くやっていけるだろうか?母さん、父さん、そして妹よ。今から不安です。
『おい。着いたぞ。』
数分もしない内に着いた。本当にもうすぐだったらしい。
俺はこれからの数カ月。正確に言うと5ヶ月と3週間への期待とほんの少しの不安を抱いて車を降りた。
留学生の未来はいかに!