プロローグ
「...なんで空ってこんなに綺麗なんだろう...」
ただ青いだけの空が綺麗に見えるのは、俺の目がおかしいだけなのか
どんな見方をしても綺麗に見えてしまう青空をいつも不思議に思う
どんなに考えても綺麗に見える理由が分からない...ますます不思議だ
「ハヤテ!いつまで寝てんだ!置いていくぞ!」
誰かの声が聞こえる...あぁクルスか...
今の声は、クルス今では一緒に旅をしている大事な仲間だ。
「あぁ...すまん今行く....」
青空の事は忘れ、起き上がる
だるい...物凄くだるい...
また寝たくなってしまう...
「何時間も寝てるからだ...全くお前って奴は....」
こいつはシーク俺の相棒
獣の中ではとても珍しい猛禽類の鷹だ。
俺達は他の旅人やギルドの人からは「白銀の鷹」とかいう異名で呼ばれている。
全く恥ずかしい...
「分かったよ...あと勝手に俺の心を読むな!」
俺たち獣の旅人は心が通じ合っているため心が読める
正直マジ迷惑...
そんな事を毎日思いながらも俺は旅を続けている
そう...親父に会うために....
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5年前...
「嘘でしょ!?ねぇ...嘘だと言って!」
僕の目の前には顔を涙で歪めていた母さんがいた。
僕はただその光景を見ているだけそれしか出来なかった...
「ライオッド様の遺品があります...遺品の周りには、
大量の血がありました...あの出血量ではもう命は...」
父さんの友人であるドレイクが父さんの事を涙ながらに、
母さんに話している。
「もういい!聞きたくない!出て行って!」
母さんは、ドレイクを押し出すかのように扉を強く閉めた。
話は終わったはずなのにまだ泣いている
母さんは涙を流しながら僕に言った
「ハヤテ...あなたは絶対に旅人にならないで...
母さんの願いなの...分かった?」
僕は返事が出来なかった
気付いたら涙を流していた
分かった。これだけの言葉が涙で言えなくなる。
それだけで苦しかった...
次の日の学校の帰り
「お前親父が死んだんだってな?可哀想に〜
ヘッヘッへ!」
みんなが僕の事を馬鹿にしてくる
聞きたくも無い言葉が永遠と耳の中に入ってくる
僕はすぐに家に帰った
「クソぉ...帰ってきてよ...父さん...」
今日は母さんが居ない
母さんが居ない間は、いつもは入ってはいけない
父さんの部屋で本を読んでいる。
今日もいつも通りに本を読んでいた。
「ん?なんだこれ?」
いつもよく見ていなかった壁にボタンらしきものがある
押しちゃダメなんだろうけど好奇心が勝ってしまう...
恐る恐るボタンを押すと...
ガシャっ
壁が無くなり階段が出来た
「こんなものが...降りてみよう...」
好奇心が高まり階段を降りた
まさかだとは思ったがやっぱり隠し部屋があった
暗い...何も見えないため戻ろうとしたその時
「お前...人間か....?」
何者かの声が聞こえた誰も居ないはずのこの部屋で…
「...誰だ!?」
声のする方に駆け寄ると、そこには人間では無く...獣がいた...
その姿はとても美しく白銀の羽が輝いている。
珍しい猛禽類の鷹だ。
「え?なんで獣がここに?」
「それはこちらのセリフだ....貴様ライオッド殿の息子だな?
奴は何処だ?」
答えたくも無い質問をしてきた...
なんでこいつが父さんの事を知っているんだ…
疑問を持ちつつ質問に答えた...
「父さんは...死んだよ」
それだけしか言えなかった。
だって泣いてしまうから、また何も言えなくなるから...
けどその獣は驚くどころか笑ってきた
「フフフ...嘘を言うな奴のソウルの炎は消えておらんぞ...」
...え?
驚いたのは俺の方だった
父さんが生きてる?ドレイクさんは死んだって...
「旅人は心が繋がっているそれをソウルと言う...
どちらかが死ねばもう片方も死ぬ...俺の母さんのソウルの炎は消えていない
お前の親父は生きているんだよ」
もう驚きもしなかった
ただただ泣いていた...何処の誰だかも分からない獣の、
言葉を信じてしまっているのだ。
「何処にいる!?どうしたら会える!?」
泣きながら質問した。
「今のお前じゃ無理だ世界は広い旅人の世界では危険な奴らが沢山いる...
それでも会いたいか?」
もう迷いもなかった
ただ一つの言葉を強く言い放った。
「会いたい!...どうしたら会える!!」
「そうだなぁ?...5年だ...5年間共に修行して強くなろう...
今のお前じゃ旅に出て半年で死ぬだろう」
「分かった...俺強くなって母さんの笑顔を取り戻したい!」
それから俺は必死に修行したどんなに辛いような事もやり遂げた...
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5年後
「母さん行ってくる」
心も体も大きくなり強くなった、次こそ母さんの笑顔を取り戻す!
絶対に....
「ケガ...しないでね...?」
「大丈夫だってなっ?シーク!」
共に修行したシークに語りかけた
「大丈夫ですよこいつは強くなりましたから」
母は安心したような顔をして笑顔で見送ってくれた。
絶対に見つける...父さんを!母さんの為に...
また家族揃って笑顔で暮らす為に....
ここから俺の旅は始まった。
初投稿です。
楽しく読んで貰えたら嬉しいです。
今後もハヤテと僕をよろしくお願いします!