ヤンデレ怖い・・・わけがないです!大好きです!
唐突だけど、ヤンデレってどう思う?
恐らく二次元はありでも、三次元だとダメって人は結構多いと思う。
ヤンデレという、ジャンルを愛している人は結構いるとは思うけど、あくまでフィクションとしての好みだと思う。
中にはリアルでもって人もいるだろうけど、まあ、経験者はガクブルで「ないわー」と口を揃えて言うだろう。
さて、ご存知の通りヤンデレとは、相手への愛が物凄くて、精神を病んでしまうほどの重たい愛を持った人のことをさすだろう。
まあ、これはある意味純粋だからこそ、その分相手への愛情が大きいからこそ起きるわけであり、得難い愛の形ではあると思う。
昨今、異性間の恋愛が軽くなりがちな現代において、相手をそこまで愛せるとは素晴らしいことだと僕は思う。
つまり、何が言いたいのかと言うとやっぱり僕・・・岸田疾風もヤンデレが好きである。
だからこそ、僕は彼女・・・椎名翠に告白された時に思わず喜んでしまった。
何故なら彼女は、病的なまでに僕を愛してくれているからだ。
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僕と翠は家が隣同士の幼馴染みで、昔からずっと一緒だった。
翠は、昔から内向的な性格であまり人づきあいが得意ではなかったため、幼少の頃に嫌がらせを受けたことがあり、それを助けてからはますます一緒にいる時間が増えた。
なので、必然的に幼馴染みの僕とセットでいることが多くて、翠はずっと僕の側にいた。
一応、僕も翠もそれぞれ友達はいたけれど、なんだかんだで二人でいるのが心地よくて、友達もその辺の距離感がわかっていたので特には過干渉はしてこなかった。
そんな、翠は小学校高学年になってからますます僕への独占欲を出し始めた。
具体的には、僕が女の子と話すと途端に不機嫌になったり、昔は男なら大丈夫だったのに男友達ですら一緒にいると機嫌が一気に悪くなったりで、可愛らしいものだった。
当時の僕ーー今とあまり変わらないけどーーはそれを見て、ある程度不機嫌になるかならないかのラインを保ちながら翠の嫉妬を楽しんでいた。
中学に入り、僕は見た目がそこそこよくて、人当たりも悪くないためか、告白されることが増えてきた。
そして、この頃から翠は僕に対して恋愛的な愛情が一気に増えてきたのだと思う。
具体的には昔は、誰かと話すと不機嫌になるだけだったのが、少しでも僕が楽しそうなふりをみせたり、長時間話したりすると相手への直接攻撃に出ようとしたり、トイレと風呂以外の時間はつねに翠と一緒にいたりした。
ちなみに、告白なんてされたら翌日には相手はこの世にいない・・・なんてことにならないように僕はなんとか翠の機嫌をとるので実質無害ではある。
この頃になると、翠以外の人間にはほとんど話せなくなっていた。何故か毎回クラスが一緒だし席も隣だから、ずっと一緒。
そんな中で時間をみつけては、僕はある程度の距離で友人付きあいをしていた。
さて、そんな束縛された中学が終わり、高校に入ってからは翠は僕に告白をしてきた。
当然好きなのでOKすると、次の日から、女子を視界に入れることすら危うくなった。
それどころか、最低限の出席日数以外は部屋に閉じ込められるようになった。
もちろん翠と一緒だ。
ある日、翠に聞いてみた。
「なあ、翠。なんで僕は学校に行っちゃダメなんだ?」
当然ある程度分かっている質問だ。
でも、僕は翠の口から聞きたかった。
すると、案の定翠は・・・
「もちろん、疾風を人目に晒さないようにだよ。疾風をみていいのは私だけなんだし、同じ空間にいていいのは私だけなんだし。待っててね、疾風。もうすぐ、資金調達と私たちだけの特別な家ができるから、それができたら、すぐに移ろう。大丈夫。疾風は働かなくていいから。着替えも食事も体を洗うのも、エッチなことも全部私がお世話するから。疾風は、ベッドに寝ているだけで大丈夫だよ。子供が出来ても私が育てるし、夫婦の寝室には入らせないから。ほんとは子供にも疾風の顔は見せたくないけど、疾風に似ていれば仕方ないから見せてあげる。あ、子供の世話で疾風との時間を削ったりはしないよ。だから疾風は安心してね。それに、お父さんもお母さんもお義父さんもお義母さんも了承済みだよ。お父さんなんて、『孫の顔が早くみたいから、産んだらこっちによこしてもいい』って言ってたのよ。疾風との時間は大事だからって。でも、いくら両親でももう疾風を見せるのは嫌だからやっぱりもう少しこの部屋で待っててね。あ!そうだ!いっそのこと両手と両足も拘束しようか。すこし窮屈かもだけど、疾風が動かずにすむし、そうしよう・・・」
「翠。」
僕は一息にそう言い切る翠に抱きついた。
「どうしたの?疾風?」
「ありがとう。翠。そこまで僕のことを考えてくれて。」
「当たり前だよ。疾風の為だし。」
口調は平然としているけど、少し顔が赤くなる翠。
そんな翠を僕は・・・
「はや・・・ん・・ぁん・・・ふぅ・・・」
思わずキスをする。
嬉しかった。純粋に僕のことだけを考えてくれる翠が。
「翠・・・」
「ねぇ、疾風。私って重いかな?」
唐突にそう口にした翠。
多分愛情のことだろうけど・・・
「いや。全然。」
「でも、普通ここまでしないよね・・・疾風は本当は嫌・・・だったり・・・」
「翠。さすがに怒るよ。」
「ご、ごめん・・・」
翠はたまに正気に戻ったように不安そうにこういうことを聞くことがある。
病んでしまうほどの愛情からの代償なのか時々精神が不安定になるのだろう。
だから・・・
「翠。僕だけをみろ。僕にすべての愛情を注いでくれ。」
「疾風・・・」
「僕は、ずっと翠と一緒にいる。だから翠も早く僕に全部を注いで。もっと翠で僕を満たして。」
「うん・・・うん・・・はやてぇ・・・」
「よしよし。愛してるよ。翠。」
「わたしも・・・」
僕と翠は毎回そんなやり取りをして互いに溺れていく。
僕は病的なまでに愛してくれる翠が好きだ。
だからこそ、僕も多分病的なまでに翠を愛してしまっているのかもしれない。
ヤンデレな僕の可愛い可愛い翠。
お読みいただきありがとうございます。
なんかヤンデレなのかわからない作品になってしまって(^_^;)