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旅先ハテナと白馬の皇子

作者: 女々一郎

会話文で形成されております。拙いところが多々あると思いますが、それでもいいと言ってくれる方はどうぞ。

【街の公園にて】


白馬の皇子「やぁ。そこ行く少年」


旅先ハテナ「僕ですか?」


白馬の皇子「そうそう。君だね」


旅先ハテナ「はぁ。何かご用でしょうか…」


白馬の皇子「いやいや、大したことではないのだがね。少しばかり気になったもんだからさ」


旅先ハテナ「何か顔にでもついてます?あ、今朝食べたシュークリームですか。そうですか」


白馬の皇子「いや、違うがね?私が言ったのは君の雰囲気のことだからね」


旅先ハテナ「べ、べつに、ムラムラなんてしてないし」


白馬の皇子「見事なまでに墓穴だね」


旅先ハテナ「ところであなたは誰ですか?一見すると怪しい人ですけど」


白馬の皇子「私はホーン。白馬の皇子とも言われているね」


旅先ハテナ「あー、分かります。まさに白馬の皇子って感じがしますもん」


ホーン「はっはっは。そうだろうそうだろう。頭の上にある冠とかもいい味出しているだろう」


旅先ハテナ「そうですねー。赤く光っているのはルビーか何かですか?」


ホーン「いや、賢者の石だね」


旅先ハテナ「予想だにしなかった」


ホーン「ところで、君は誰なのかな」


旅先ハテナ「僕はーー私は旅先ハテナ。思春期真っ盛りとも言われていますね」


ホーン「だから、ムラムラしているんだね」


ハテナ「あ、分かります?」



【同じく街の公園】


ホーン「いやー、しかし困ったよ」


ハテナ「とうとつに話を振りますね」


ホーン「いや、しかし私は困っているんだよ?」


ハテナ「図々しさが垣間見得ました」


ホーン「実はだね……」


ハテナ「図々しさが全貌を現しましたね」


ホーン「私の頭にはなにかがかけているとは思わないかね」


ハテナ「謙虚な気持ちですか」


ホーン「そんなに図々しいかね」


ハテナ「そこそこに。ブランコを投げつけたいぐらいはそこそこに」


ホーン「痛そうだね」


ハテナ「痛いでしょうね」


ホーン「そういうことではなくて、だ。答えを言うと冠の中心を通る角が無いのだよ」


ハテナ「あぁ、そういえば賢者の石の下にぽっかり穴が空いてますね。角だったんですか」


ホーン「だったのだ。こちらへ来るときにどこかで無くしたらしくてなぁ」


ハテナ「つまり、一緒に探してくれ、ということですか」


ホーン「いや、探してきてほしい」


ハテナ「僕、あなたが嫌いです」


ホーン「正直なことはいいことだー。もっとオブラートに包んでほしいが」





【人気のない商店街】


ホーン「なんだかんだ言って探してくれるのだな」


ハテナ「なんだかんだ言ってついてくるんですね」


ホーン「気になるからな」


ハテナ「気になりますからね」


ホーン「どこへ行こうか」


ハテナ「落としたアテはないのですか?」


ホーン「コンビニのトイレとデパートのトイレと佐々木さん家のトイレどれだと思うかね」


ハテナ「トイレばかりですね」


ホーン「ちなみに、今も腹が痛い」


ハテナ「あぁ、ビックな方だったんですね」


ホーン「ゆるゆるだね」


ハテナ「シャバシャバですか」


ホーン「あ、ちょっと、待って、ほしい」


ハテナ「行ってらっしゃい」





【再び公園へ】


ハテナ「どこにも無かったですね」


ホーン「他に行った場所などないのだが…」


ハテナ「本当にトイレしか行きませんでしたね」


ホーン「私は嘘をつくやつは嫌いだからな」


ハテナ「僕は白馬の皇子が嫌いです」


ホーン「私だね」


ハテナ「そうなります」


ホーン「まぁ、この際角が見つかれば良しとしよう」


ハテナ「僕は使い捨てか何かですか」


ホーン「いやいや、私の駒だね」


ハテナ「そんなあなたが嫌いです」


ホーン「さすがに冗談だよ?」


ハテナ「あ、五メートルほど離れてください」


ホーン「いや、だから、あの」


ハテナ「うざいです」


ホーン「ごめんなさい調子乗りましたすみません」


ハテナ「一メートルは離れてくださいよ」


ホーン「遠いなぁ…」





【ベンチにて】


ホーン「まずいね。このままでは私は帰れない」


ハテナ「ホーンさんはどこから来たんですか?」


ホーン「遠い遠いところとでも言っておこうかね」


ハテナ「いや、異世界ですよね」


ホーン「……そこは違うだろう」


ハテナ「いやいや、どう見てもそこでしょう」


ホーン「え、もしかして、誰からも分かってたりした?」


ハテナ「誰もが分かるでしょうね。この世界にホーンさんみたいな人はいませんよ」


ホーン「じ、じゃあ、私が注目されていたのは…」


ハテナ「怪しいですからね」


ホーン「この世界では私はイケメンだと思ったのに…」


ハテナ「底辺ですね。おそらく」


ホーン「あぁ、神よ」


ハテナ「そういえば髪も薄いですね」


ホーン「それは言ってはダメだろう」


ハテナ「すいませんでした」





【山頂へ移動】


ハテナ「急に山へ行くとかどうしたんですか」


ホーン「そういえばこの世界に着たとき、山の頂上だったということを思い出してね」


ハテナ「一番覚えていそうなもんですけど」


ホーン「そこだ」


ハテナ「はい?」


ホーン「そこで話はコンビニのトイレへと続くのだよ」


ハテナ「またですか…」


ホーン「私もいい加減恥ずかしくなってきたよ」


ハテナ「腹痛のあまり角がとれたとか云々を忘れてしまったと?」


ホーン「そうなります…」


ハテナ「もう角なんてこの世から消えればいいと思う」


ホーン「ちょ、私の大事な一部なんだよ!」


ハテナ「なおのこと」





【山頂】


ホーン「お、おぉ…」


ハテナ「あれですか…?」


ホーン「どうみてもあれだろう」


ハテナ「どうみてもタケノコです」


ホーン「いや、間違いない。この質といい、この匂いといい」


ハテナ「タケノコです」


ホーン「ここにいたのか相棒よ」


ハテナ「もしもしー」


ホーン「うぐっ、微妙にでかいな…」


ハテナ「秋真っ盛りですから」


ホーン「おっ、はまったはまった」


ハテナ「…予想以上には似合いますね」


ホーン「いい感じだろう?」


ハテナ「僕は茹でたのが好きです」


ホーン「何を話しているのだ?」


ハテナ「何をつけていると思っているんですか?」


ホーン「いや、角だろう」


ハテナ「タケノコですよ?本当に」


ホーン「まぁ、はまったからいいではないか」


ハテナ「そうですねー」


ホーン「さて、角も見つかったことだ」


ハテナ「帰るんですか?」


ホーン「秋葉原へは行ってみたい」


ハテナ「帰らないんですね…」


ホーン「さぁ、行こうか友よ」


ハテナ「本当に図々しいことこの上ないことで」





【秋葉原】


ハテナ「ずっと気になっていたんですけどね」


ホーン「なんだね」


ハテナ「なんで体が白いんですか?背中から翼生やしてるんですか?」


ホーン「うん?」


ハテナ「ていうか、なんで馬が喋ってるんですか?」


ホーン「それはあれだよ」


ハテナ「あれ?」


ホーン「私が白馬の、皇子、だからだよ。ユニコーンのね」


ハテナ「あぁ、なるほど。分かります」


ホーン「だろう?」


ハテナ「さてさて、どこへ行きましょうか」


ホーン「ついてきてくれるのだね」


ハテナ「正直なところ、楽しくなってきたので」


ホーン「正直なことはいいことだね」




読んでいただきありがとうございました。

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