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2023年7月4日放送 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#91 窓ガラス


 サクソフォン奏者八巻和行(やまきかずゆき)さんのラジオ番組

 こうのすFM フラワーラジオ

 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)

   八巻和行の七転び八巻

 

 というラジオ番組の投稿コーナー

  妄想【愛の劇場】

 毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。


 小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。

 そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。


 妄想【愛の劇場】のコーナーで、絶賛!妄想仲間を募集中!! 

 こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです! 

 《番組への参加方法》

 ①フラワーラジオが聴けるように、ListenRadioリスラジのアプリをダウンロード

 フラワーラジオを選局して、お気に入り登録

 ②パーソナリティ八巻さんのX(旧Twitter)をフォロー

 ③毎週日曜日の夜に、八巻さんのX(旧Twitter)から【作品のテーマ】が発表

 ④八巻さんのX(旧Twitter)のダイレクトメールから投稿

 ※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。

 ※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。



 サイト投稿回数 第45回目の今回は………

 2023年7月4日放送。

 妄想【愛の劇場】#91 窓ガラス


『ガラス窓を隔てた街並みは、深い灰色をしている。

季節によってカラフルに彩られるので、寂しいとは思わない。

人々の行き交う様子も飽きないものね。

笑い合いながら歩く人たちも、不機嫌な表情で歩く人も、忙しそうにスマホを片手に早歩きする人も、様々な表情で人は行き交うけれど、空を見上げる人はいないのね。今日もとてもキレイなのに』


「ウインドウショッピングが趣味だと話すと、大抵私の話に興味を持たなくなるの。何故かしら?私は話をしたいのに。

楽しいのよ。ウインドウショッピング。

ガラス窓越しにキレイに着飾ったバランスの良いマネキンだけが興味深いわけじゃないの。

季節によって彩られる背景と、そのシーズンを楽しむように演じる俳優のようなマネキンたち。

見ていてこんなに楽しいものはないわ」


『あら、今日も来たのね。

いつもわたし達のガラス窓の前で足を止めて、瞳ひとみをキラキラさせながらこちらを見上げている。

毎日毎日飽きないのかしら?

周りをごらんなさい。毎日毎日わたし達に興味を持つなんて、あなたくらいなものよ。

随分と珍しい人もいたものね。

笑いたいけど、ガマン、ガマン』


「今日も素敵な私のお気に入りのマネキンさん。毎日眺めても飽きないわ。

頭が小さくて、手足がスラリと伸びて、体のバランスがとても素敵。

こんな体になれたらと思うけど、多分人間に照らし合わせたら、細すぎるのでしょうね。

あら!今日も目があったわ!

勝手に私が目を合わせているだけなのだけど。

ふふふ、おかしな話ね。マネキンさんも私を見て、笑っているみたい」


『いつもわたし達を見てはうっとりしている、珍しい不思議な人。

彼女はわたし達の何に、そのような感情を持てるのかしら。

気になるけれど所詮住む世界が違う、わたしと彼女。

彼女の思う事など分からないままなのでしょうね。

残念ね。

残念?

わたしも不思議な感情を持ち始めたみたいね』


「夏の季節を先取りで謳歌おうかしているマネキンさん達。

今年の流行りを提案してくれるその姿を見ながら、私にも似合うかしら、私では無理かしらと、次の季節が楽しみだけど、不安にもなるの。

何でも似合うあなた達には分からないでしょうね」


『自分には似合わないなんて、寂しい事を言わないで。

ああ。不思議な事に、わたしの中に彼女の寂しい感情が入り込んできたみたい。

そんな事ってあるのかしら』


「不思議なんかじゃないわ。私はずっとあなたを見ていたし、憧れてもいたわ」


『彼女にわたしの声が聞こえるの?』


「もちろんよ。私も少し戸惑っているけど、あなたの声が聞こえるわ。こうして会話までできるだなんて!」


『まさか、そんな夢の様な事が起こるだなんて』


「私にもあなたの様に、夏の流行りが似合うかしら?」


『もちろんよ。必ず似合う1枚と巡り会う事ができるわ』


「本当に?嬉しい!」


『見たことのない輝く笑顔の彼女を、わたしはお店へと誘いざなった』



『ガラス窓を隔てた灰色の街並みは、季節によってカラフルに彩られている。

行き交う人は、相変わらず空を見ない。

瞳ひとみをキラキラさせながら、毎日毎日わたし達を見ていた彼女は、今日もわたし達を見上げている。

素敵な1枚と巡り会えたのね。

ガラス窓にその姿を映しながら、わたし達に自慢げにしているのよ。

かわいらしいじゃない』


『人って本当に飽きないわね』


 ありがとうございました。

 次回もラジオ番組の投稿コーナー

 妄想【愛の劇場】へ投稿した作品の投稿になります。


 妄想【愛の劇場】#92「スニーカー」


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