僕とあの子
自分の経験したことを思いつきで小説にしてみました。どうもふぁいちゃでございます。(๑•̀ㅂ•́)و✧
「わっ!!!!!」と誰かが声を出しながら僕の肩を叩く。
驚いて少し後ずさりながら後ろを振り返ると、驚いている僕を見てにこにこと満足そうに笑っている少女が立っていた。
彼女はしらいさんだ。彼女について説明するとしたら…
白くて細く長い手足に、小さな顔、身長が高くてバランスが良い。少しつり目だが二重で可愛らしさも兼ね備えた目。笑うとくしゃっと瞑ってしまうところが可愛らしい。長い睫毛のカーテンの奥には、きらきらとした深い茶の瞳があって、その瞳には確かに僕が映っている。マスクを着けているが、それでも分かるくらいすっと通った鼻筋、ほんのり下がっていて穏やかな印象の眉毛が印象的だ。唇はたしか、彼女の白い肌によく映えるような薔薇に似た彩やかな色だったはず。髪の毛は紅樺色で、光に当たって金色に光っている。その髪は顎の下まで美しく伸び、風に揺られる度に柔らかな質感が漂う。前髪は丁寧に整えられ、その手間と努力が見て取れる。
彼女は普段、猫を被っているかのように、柔らかな光を抑えた声と真面目で大人しそうな顔付きをしている。しかし、友人や私の前に姿を現すと、小鳥の囀りのような明るく柔らかな声と、きらきらと輝く笑顔を見せる。そのギャップは驚くべきものである。
…だいたいしらいさんはこの様な感じだ。好みは分かれるだろうが、客観的に見て美しい見た目に分類される…だろう。まあ僕は興味が無いが…。
彼女は僕と違うクラスで、僕の小学生の時の友達を通して知り合った。入学してから少しして、放課後にたまに友達と一緒に帰っていただけなのだが、何故か「可愛い!」と気に入られ、メッセージで「さかえくんのことめちゃくちゃ好きなので推してもいいですか!?」と送ってきた。正直自分のどこがそんなに推すほど可愛いのか理解できないし、彼女の友達も理解してないようだから、彼女はちょっと独特だ。
今の話に戻る。今は、推していいかと聞かれて4ヶ月ほど経って訪れた夏休み中の、夏期講習が終わった帰りだ。
最初に言った通り、彼女が肩を叩いて驚かせてきた。課題である新聞を読みながら帰っていて、周りにあまり注意を向けていなかったせいか、相当驚いてしまった。
「わっ!びっくりした…」とつい声に出してしまったのだ。
僕は我に返って、彼女にとって新鮮だと思われる僕の反応をきょとんとした顔でじっと見つめている彼女を見て、なんだか恥ずかしくなって目を逸らした。
彼女はふふっと控えめに柔らかく笑って「お久しぶりですっ!」と言ってみせた。とりあえずそれに対して「久しぶりです…」と頭を下げる。
……そういえば何の用事で追いかけて来たんだろう。それを聞くか聞かないか迷っているうちに彼女が再び口を開いて、「お菓子あげたい!」と言いながら、僕にあげるためにずっと手に持っていたのであろう“黒糖ミント”を差し出す。その白くて細い指に触れないようにそーっと手を伸ばして受け取り、「ありがとうございます」とお礼をする。
少しの間が空いて、彼女は少しぎこちない笑顔で「黒糖、好き?」と聞いてきた。勿論答えは「はい」だ。
お菓子を交換し合った時に黒糖の飴をあげたことがあるので、黒糖が好きだと覚えていて、しかもミントのガムが好きだと知っているので、黒糖ミントも気に入るんじゃ…?と思ったんだろう。しらいさんは僕のことを推してるから、何でも知りたいと思うんだろうな。
…そう考えると僕らの関係はとても同じ学校の別のクラスの女子と表現するだけでは収まらない、微妙で複雑な関係だ。もししらいさんと僕のどちらかが恋愛対象として好きだったり、片方は好きで片方はそうでなかったりしたら、更に関係が言い表しにくいものになるだろう。だが幸いと言うべきだろうか、多分今僕らはお互いに恋愛対象として見ていない。
彼女は僕をただの推しとして、僕はただの別のクラスの女子として見ているのだから、恋愛には発展しないだろう。
……一方しらいさんはというと、“推しor好きぴ”であるさかえくんを目の前にして緊張し、頭が真っ白になっていた。
これから始まるのは、さかえくんとしらいさんのぎこちない関係の物語だ。
ぎこちなさMAXの2人です。2人のフルネームはいつか公開しますね…!この日のしらいさんは頑張ってさかえくんに追いつきました!偉い!
さかえくん歩くのちょ〜はやい…Byしらい