期待と希望があるかもしれない。
「すみません、遅れました!!」
すごいデジャヴを感じる第一声で男が入ってきた。見て分かる灰色のオーバーサイズのパーカーを着た男だった。この流れから、恐らく同年代だと思う。身長や変声期中かと思われる、高低が混じった声からもそう思う。
「あ、来ましたね」
「そうだな」
ようやく喋れた。この空気感は本当に辛かった。重い空気って本当にあるんだと知れたから多少は良かったが。
「よし、揃ったな」
「そうですね。では、始めましょう」
どうやら野上さんが仕切るみたいだ。こういうの得意そうだし、適任なのだろうと思う。
部屋が暗転し、プロジェクターからスライドが表示されてる。僕の対面に最後の一人が座っているのだけが、正直心配だ。入って来てすぐ始まったから、正直どの様な印象を持っているかと訊かれても、絶対に言い淀む自信しかない。
「じゃあ、始めますね」
「おう」
「ではまず、今回の案件に協力していただく方々の紹介から参ります」
いきなり自己紹介とかしなきゃか。まあ当然か。でも嫌だな。こういう時に一言喋れとか何言えば良いのか分からないから。
「まず一人目、落水透。十四歳。M**市立E**中学校二年生です」
いや野上さんが言うんかい。というかしれっと結構個人情報表示されてるな。プライバシー多少は守って欲しいな。せめて顔写真は貼らないで欲しい。
「次、石木田光。十五歳。M**県立E**高等学校一年生です」
最後に入って来た人か。というか2コ上か。先輩じゃん。変な事言う前で良かった。
「最後、榎川綾。十三歳。M**市立N**中学校二年生です」
あの女子か。つーかN**中って、E**中の学区の隣じゃなかったっけ。意外と世間は狭いんだな。
「以上三名に、今回の捜査に協力していただきます」
「おう」
今回、という事は過去にも行われた事があるのだろうか。それにしては全体的に手探り感を感じる。単に慣れていないだけなのか、期間がかなり空いただけだからだろうか。何にせよ、少し気になった。
「では、御三方に向けて、協力していただく意図について、お話します」
お、遂に理由が聞けるのか。
「その前に、皆さんは『カラーギャング』について、ご存じでしょうか」
おっと、話が変わってきたぞ?




