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しょぼくない  作者: 何故
19/21

沁みるってこういう感じか。

「怖かったでしょ」

「・・・はい」

班長室を後にした僕らは、休憩室でお茶を飲んでいた。ちなみに僕はホットのストレートティー、細谷さんはホットのコーヒー。

「まあ慣れてくれとしか言いようがないんだよね。性格含めて」

「はあ」

紅茶をすする。程よく丁度良い温度が体に沁みる。

「じゃあ今後の事について話そうか」

「今後、ですか」

「うん、まあ」

今後。確かに加賀美さんも言っていた。それに気になる事もある。

「あの、その前に一つ」

「なに?」

「さっきまとめて、って言いましたよね」

「いつだっけ」

「加賀美さんの部屋で」

「ああ。それの意味が知りたいって話?」

「はい」

「おっけ、良いよ教えてあげる」

「あ、良いんですね」

「まあ別に隠す事でもないし、どうせすぐ分かるし」

「へえ」

「えっとね、まず君みたいに協力してもらう人が他に何人かいて、君が最後の一人」

「はあ」

「で、君の前の人達にはまだ具体的に話していない」

「だからまとめて?」

「そう。変に細々と話すよりまとめての方が互いに楽だからね」

「ちなみに、僕以外に何人いるんですか?」

「現状だと、2人かな。追加する可能性はあるけど」

「そうなんですか」

「楽しみ?というか興味ある?」

「まあ、そりゃあ」

「まあだよね。でもそこは当日まで秘密」

「えー」

「まあまあ、こういうのは焦らすもんなんだよ」

そこまで言うなら焦らすなよ。変な所でめんどくさいな、この人。




「まあこれ飲んだら一回帰ろうか」

何分か、十何分か、はたまた何十分か細谷さんと駄弁ってた。細谷さんの前に並べられた缶も五本ある。意外とごまかしたりふざけたりするけど、話すとなんだかんだ楽しい人だ。

「もう一本飲む?」

「いや、これ以上は夕飯に響くんで」

「それもそっか」

缶の底に残っているコーヒーを、グイっと一気に細谷さんは飲み込んだ。そしてすぐに空き缶を全部ゴミ箱に捨てた。

「じゃあまあ、帰るか」

「あ、はい」

僕も続いて捨てている間に、さっさと出て行ってしまった。それに急いで付いて行く。行きと同じ道で外へ向かう。カードリーダーにタッチするのを忘れずに。

外へ出ると、もう日がほとんど暮れていた。雲が濃くて夕焼けは見えない。だから一層暗く感じる。

「いやー、もうこの時期になると本当に暗くなるのが早いよねー」

「ですね」

一言交わして駐車場へまた移動する。風が冷たい。

「風も冷たくなってきたねー」

「ホントに」

車に乗る。今度も後部座席に座る。

「公園の近くで良い?」

「あ、はい」

こんな素っ気ない会話だけど、僕は楽しかった。

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