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しょぼくない  作者: 何故
14/21

手品の様で、手品じゃなければ、それは魔法?

「離して」

「お、悪い悪い」

細谷は僕の腕を離した。

「んで、どうだった?」

「気持ち悪いです」

「ははは、気持ち悪いか。ははは、ちょっとショック」

「あ、ごめんなさい」

他人がおもむろにうつむくのって、なんかシュールだ。

「まあそういう反応には慣れてるから」

「そうなんすか…」

「まあこんな能力だしね。昔はいじめられてたし」

能力いじめ。この能力社会の課題の一つとして挙げられる問題の一つ。人の外観によるいじめの様に、自身で変えられないものによる、いじめ。主に能力の発動時やその効果、またはその悪用方法によって起こる。

「まあ、君が言った様に、まあ昔は変態だとか覗き魔だとか言われまくったね」

「あ…」

この時、初めて自分の言った事の重大性に気付いた。この人は、そんな事を平気で言われる中で生きてきて、こんな初対面の人間にすら言われる様な事を、ずっとどうしようもなくなっていたんだ。

「ごめんなさい…」

「いやいや、もう気にしてる事じゃあないんだ。今はその能力で稼げてるから、もう、気にしてないんだ」

嘘だ。この人は、僕を慰めるために嘘を吐いている。へらへらと笑ってはいるが、今も引きずっているんだ。この笑顔の裏で、この人は、どんな想いをしてきたのだろうか。

「あ、でさっきの続きだけどさ、この能力にも問題があってさ。なんだと思う?」

「え?」

「だから、問題。なんだと思う?」

この人は……

「残念、時間切れ~」

ビクッと軽く跳んだ。

「ははは、何跳んでんの。そんな驚く事?」

「え、あ、まあ…」

「んじゃあ、答え合わせ。正解は…」

どぅるるるるる~、とセルフ効果音を言いながら腕をグルグルしていた。

「バン、発動条件がめんどくさい事です!」

「はあ…」

「あり、反応悪いなあ。折角効果音まで入れたのに」

「あっ、ごめんなさい」

「あ、いやいや、謝ってほしくて言ったワケじゃないから」

ダメだな。この人に気を使わせてばっかりだ。

「んで、その発動条件っていうのは、『自分を認知している相手』にしか効果が無いって事です!」

「それ、発動っていうより、効果対象者じゃ…」

「あり、そうか、それもそうだな」

「で、なんなの?」

「ああ。まあ説明するとめんどいんだけど、要は探し物は探してる時が一番見付からないって事」

「え、最初からその説明で良かったんじゃない?」

「それもそうだな。うん、失敬失敬」

失敬なんて初めて聞いた…

「まあ他にもいくつかルールがあるんだけど、それはまた今度」

「今度?」

「うん、今度」

「じゃあ今からは?」

「一番大事な質問をする」

まさか、あのケースの事で…

「君には、俺達に協力してもらう」

細谷ほそや しょう

能力名:「灯台とうだいうえ

効果:自身を認知出来なくなる

正確には視界内にはいるが、細谷を細谷と認識出来なくなる。また、自身が直接触れている無生物に限り、この効果の影響を受ける。ただし一定のサイズを超える物は対象外。

喋れば声は聞こえるし、物に触れられる感覚もある。

能力対象:自身の存在を認知している生物

カメラ越しなどでも同様に生物は認知不可。ただし機械のみの識別の場合は除く。

発動条件:任意で発動

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