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明日は、晴れますか?  作者: カラスヤマ
2/2

きっと、晴れるよ

「海…………」


「ごめんね。連れてくるのが遅くなって。仕事が忙しくてさ」


「謝らないでください。とっても嬉しいです。ありがとうございます」


「あのさ、君に渡したいものがあるんだ」


「なんですか?」


「これを受け取ってほしいんだ」


「指輪?」


「僕は、キミのことが好きだから……」


「本当にいいんですか? こんな高価な物を貰って……。返却出来ませんよ?」


「ほらっ! 手を出して」


「……キラキラして、夢みたい」


「これからは、いつも一緒だからね。もっともっと二人で幸せになろうね」


「いつも一緒……。アナタと……。私もそれを望んてた気がします。ずっと……ずっと…前から……………ぁ……」


「どうした?」


「海が…呼んでる………行かなくちゃ……」


「ダメだっ!! 行くな」


「そろそろ、起きる時間……。寝坊は良くないですよ? さぁ、目を覚ましてください。……そして起きたら、私の分まで幸せになってください」


「行かないで………僕には、キミが必要なんだよ……。何でもするから………だから…行かないでくれ……頼む……」


「あの船旅で私達が出会わなければ……。事故が起きなければ……。私が泳げれば……。こんなに今、アナタを苦しめることもなかった。運命って、ほんと残酷ですよね……」


「僕も行くから! 連れていってくれ!!」


「ごめんなさい……。連れて行きたくても無理なんです。アナタは私と違って海に呼ばれていないから。さぁ、目を覚まして……。病室で、お友達も待ってます。アナタの手を握るご両親も早く安心させてください」


「僕には無理だ…………キミがいない世界では…生きていけない………」


「我が儘言わないでください。絶対に幸せになるって約束して。お願い…….」


「…………」


「お願いです。私の最後の願い……」


「分かった……」


「心配しないで。私とは、ずっと海で繋がっていますから」


「うん……」



ねぇ、雄介さん。


何?



『明日は、晴れますか?』


『きっと、晴れるよ。明日でこの船旅は終わりですけど……。夏海さんと僕の付き合いはずっと』


『はい。ずっと続きますよ。これからも。だから、心配しないで』


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