──*──*──*── ケイラームの街
山を降りて≪ ケイラーム ≫に到とう着ちゃくしたオレは、手て作づくりジャムを厚こう意いで店みせの棚たなに置おいてくれているパン屋やへ向むかって走はしった。
──*──*──*── パン屋
パン屋やのドアを開あけると香こうばしい出で来き立たてのパンの匂においが漂ただよって来くる。
やっぱり、パン職しょく人にんの作つくるパンの香かおりって独どく特とくで良いいもんだな!
マオ
「 こんにちは~~! 」
店員:A
「 おやぁ、マオちゃん!
また来きてくれたんだねぇ! 」
マオ
「 こんにちは、マーサさん。
今日きょうもジャムを持もって来きたよ。
また置おいてくれる? 」
店員:マーサ
「 勿もち論ろんだよ!
マオちゃんのジャムのお蔭かげでパンの売うれ行ゆきも好こう調ちょうだよ。
売うれ残のこりも無なくなって、閉へい店てん前まえに完かん売ばいするようになって助たすかってるよ。
有あり難がとね、マオちゃん! 」
マオ
「 パン屋やさんに貢こう献けん出で来きてるんだ?
嬉うれしいよ(////)」
店員:マーサ
「 ──はい、マオちゃん。
昨日きのう迄までのジャムの売うり上あげ金きんだよ。
間ま違ちがいないか確かく認にんしておくれ 」
マオ
「 有あり難がとう!
マーサさん、これが1週しゅう間かん分ぶんのジャムだよ 」
店員:マーサ
「 はいよ。
確たしかに預あずからせてもらうよ。
ヒーウイ、ジャムを棚たなに並ならべておくれ 」
店員:ヒーウイ
「 はいよ。
また美う味まそうなジャムだな 」
オレが売うり上あげ金きんを確かく認にんしている間あいだに、持もち込こんんだジャムは綺き麗れいに棚たなへ並ならべられた。
店員:マーサ
「 今こん回かいは花はな弁びらフラワージャムが多おおいんだね 」
マオ
「 うん。
食しょく用よう花ばなが沢たく山さん咲さいたからね。
野や菜さいベジタブルジャムは、ピューレジャム,ペーストジャムを用よう意いしてみたよ。
果くだ物ものフルーツジャムは、葡萄ブドウジャム,メロンジャム,林リン檎ゴジャム,白はく桃とうピーチジャム,黄き桃ももピーチジャム,苺イチゴジャム,無花果イチジクジャム,桜おう桃とうサクランボジャムを用よう意いしたよ。
それと…新しん商しょう品ひんのミルクジャムだよ 」
店員:マーサ
「 新しん商しょう品ひんかい?
ミルクジャム……ミルクをジャムにしたのかい? 」
マオ
「 まあね(////)
試し行こう錯さく誤ごして完せい成こうしたんだ。
良よかったらマーサさんとヒーウイさんも試し食しょくしてみてよ。
此こ処こにあるのが試し食しょく用ようだよ 」
店員:ヒーウイ
「 新しん商ひょう品ひんならレジ台だいに置おこう。
1番ばん目め立だつからな 」
マオ
「 有あり難がとう! 」
店員:ヒーウイ
「 それにしても、こんなに美う味まいジャムなのに1瓶ビン500Urユロは安やす過すぎやしないか? 」
マオ
「 そうなの?
小こ瓶ビンだから500Urユロでも高たかいかなって思おもってたよ。
オレはプロじゃないし、趣しゅ味みで作つくってるだけだから、小こ遣づかい稼かせぎが出で来きたら良いいんだ(////)
それに1コインだと買かい易やすいだろうし 」
店員:マーサ
「 確たしかにそれはあるね。
パンを2.000Urユロ以い上じょう買かうとジャムを100Urユロ値ね引びきする,パンを5.000Urユロ以い上じょう買かうとジャムを1つ100Urユロにする──って言いう案あんも斬ざん新しんだしね。
美お味いしいジャムを安やすく売うるなんて勿もっ体たい無ない気きがするよ 」
マオ
「 ジャムはオマケだよ。
メインのパンが売うれないと意い味みないし。
マーサさん、特とく製せいサンドイッチ4つ買かうよ。
今日きょうは山やまで茸キノコを籠カゴ一いっ杯ぱい採とらないといけないんだ 」
店員:マーサ
「 はいよ。
特とく製せいサンドイッチね。
クッキー入いれとくから小こ腹ばらが空すいたら食たべな 」
マオ
「 有あり難がとう(////)
マーサさんのクッキー美お味いしいから好すきなんだ♥️ 」
店員:マーサ
「 有あり難がとね、嬉うれしいよ 」
店員:ヒーウイ
「 山やまに行いくなら気きを付つけた方ほうが良いいかもな 」
マオ
「 熊くまとか怪かい物ぶつモンスターにだよね 」
店員:ヒーウイ
「 違ちがう違ちがう、もっとヤバいヤツが出しゅつ没ぼつするらしいんだ 」
マオ
「 熊くまや怪かい物ぶつモンスターよりヤバいヤツぅ?
国こっ境きょう付ふ近きんの怪かい物ぶつモンスターが篦べら棒ぼうに強つよいのは聞きいてるけど、流石さすがに山やま迄までは来こないんじゃないの? 」
店員:ヒーウイ
「 ドラゴンだよ、ドラゴン!
何なんでも背せ中なかに茸キノコを生はやしたドラゴンが目もく撃げきされてるらしい。
キノコドラゴンって呼よばれてて今いま1番ばん危き険けん視しされてるドラゴンだよ 」
マオ
「 茸キノコを生はやしてるからキノコドラゴン?
分わかり易やすいね 」
店員:ヒーウイ
「 近ちか々じか山やまでの茸キノコ狩がりや動どう物ぶつの狩かりも禁きん止しされるかもな……。
キノコドラゴンの被ひ害がい者しゃも少すくなからず出でてるらしいからな 」
マオ
「 そうなんだ…… 」
店員:マーサ
「 マオちゃん、呉くれ々ぐれも山やまの奥おくには入はいらないようにね 」
マオ
「 うん、有あり難がとう。
キノコドラゴンか……。
それっぽいのを見み掛かけたら直すぐ逃にげるようにするよ 」
店員:ヒーウイ
「 マオ、キノコドラゴンを見み掛かけたら『 傭よう兵へいギルドに報ほう告こくしてくれ 』って事ことらしいから、念ねんの為ために報ほう告こくしてやってくれるか? 」
マオ
「 分わかったよ。
傭よう兵へいギルドなんて初はじめて行いくからドキドキしちゃうな(////)」
店員:マーサ
「 はい、マオちゃん。
特とく製せいサンドイッチとお釣つりだよ 」
マオ
「 有あり難がとう。
じゃあ、山やまへ行いって来きます 」
店員:マーサ
「 行いってらっしゃい。
明あかるい内うちに山やまを降おりるんだよーー 」
店員:ヒーウイ
「 大だい丈じょう夫ぶかな…… 」
店員:マーサ
「 傭よう兵へいギルドに伝つたえといた方ほうが良いいかも知しれないねぇ 」
店員:ヒーウイ
「 だよな?
オレ、傭よう兵へいギルドに行いって、マオの事ことを伝つたえて来くるよ 」
店員:マーサ
「 頼たのんだよ、ヒーウイ。
店みせはアタシと旦だん那なに任まかせな! 」
元げん気きにパン屋やを出てて行いったマオを見み送おくったマーサとヒーウイは、山やまへ茸キノコ狩がりへ出て掛かけたマオの事ことが心しん配ぱいになった。
マーサに見み送おくられたヒーウイは、パン屋やを出でると傭よう兵へいギルドへ向むかって走はしり出だした。
◎ 「 黄桃 」は「 おうとう 」って読むそうです。
「 桜桃 」と被ってしまうので、「 黄桃 」の事は「 きもも 」と表示する事にしました。