創作料理の一件から早、3ヵ月が経った。
時間の経過って早いよな。
実は、あれからオレはセロに内緒でとある秘密のミッションを遂行中だったりする。
セロにバレないように苦労してるんだ!
オレは3ヵ月間、ジャム作りに没頭した。
野菜,果物,花弁,薬草の素材を変えたジャムを沢山作ったし、ジャム以外にも挑戦した。
ジャム以外ってのは、マーマレード,ゼリー,ピューレ,ペースト,プレザーブスタイル,フルーツスプレッド,コンフィチュールとかだ。
ブックカフェに客らしい客が来ないのは何時もの事だから諦めた。
その代わりにたっぷりある時間を費やして、秘密のミッションを成功させる為にオレは頑張ったんだ!
ジャムを入れる小瓶はセロが〈 テフの源みなもと 〉で幾いくらでも構こう成せいしてくれるからタダ同どう然ぜんだ。
更さらに「 美お味いしいジャムを作つくれるように 」ってセロが霊れい験けん灼あらたかな神しん幻げん水すいを使つかわせてくれる事ことになった。
水みずが違ちがうだけで、今いま迄までのジャムとは雲うん泥でいの差さが出でちゃう特とく別べつな水みずだ。
有あり難がたいんだけど、完かん成せいしたジャムを外そとに持もち出だして売うってるなんて事ことがセロに知しられたら後あとが恐きょう怖ふこわいから、どうかバレないでほしい。
実じつは今日きょうもセロに渡わたさないで楠くすねて隠かくしといたジャムの小こ瓶ビンを幾いくつか持もち出だして売うりに行いくんだ!
今日きょうの外がい出しゅつする名めい目もくは茸キノコ狩がりだ。
だから、セロに怪あやしまれないように籠カゴの中なかへ沢たく山さんの茸キノコを入いれて持もち帰かえらないといけない。
マオ
「 ──セロ、じゃあ茸キノコ狩がりに行いってくるな! 」
セロフィート
「 マオ、呉くれ々ぐれも茸キノコの味あじ見みはしないでください 」
マオ
「 しないってば!
オレは生なまで茸キノコは食たべないよ 」
セロフィート
「 そうです?
マオは食くいしん坊ぼうさんですし、念ねんの為ためです♪ 」
マオ
「 …………オレを何なんだと思おもってんだよ……。
食しょく用ようとそうじゃない茸キノコの区く別べつは出で来きないから、仕し分わけはセロに一いち任にんするからな? 」
セロフィート
「 はいはい。
お土産みやげ、楽たのしみにしてます 」
マオ
「 お土産みやげぇ? 」
セロフィート
「 茸キノコに決きまってます。
籠カゴから溢あふれる程ほど、山やま盛もりの茸キノコを期き待たいしてます 」
マオ
「 …………努ど力りょくはするよ…。
行いって来きます! 」
セロフィート
「 マオ、待まってください 」
マオ
「 何なんだよ? 」
セロに声こえを掛かけられてドアの前まえで立たち止どまると、セロはオレに近ちか付づいての額ひたいおでこに口くち付づけをしてくれた。
マオ
「 セロ…(////)」
セロフィート
「 行いってらっしゃい。
ワタシの愛いとしいマオ 」
マオ
「 うん…(////)」
セロからデコチュされるなんて吃びっ驚くりだ(////)
笑え顔がおでオレを見み送おくってくれるセロへ向むかって、元げん気きに右みぎ手てを振ふりながらブックカフェの敷しき地ち内ないを出でた。
どうやらカモフラージュは完かん璧ぺきみたいだな。
デコチュ迄までされちゃって、セロはオレを微み塵じんも疑うたがってないみたいだ。
安あん堵どして「 ホッ… 」と胸むねを撫なで下おろしたオレは、山やまの麓ふもとにある≪ ケイラーム街まち ≫を目め指ざして軽けい快かいな足あし取どりで山やまを降おりたんだ。