⭕ 閑古鳥は絶好調
マオ
「 はぁ~~~~暇だぁ~~~~ 」
セロフィート
「 ……………… 」
マオ
「 はぁ~~~暇だなぁ~~~~ 」
セロフィート
「 ……………… 」
マオ
「 はぁ~~暇だよぉ~~~~ 」
セロフィート
「 ……………… 」
マオ
「 ………………何で黙りなんだよっ!!
何か言えよぉ!!
セロっ!! 」
セロフィート
「 …………………………はい?
何か言いました? 」
マオ
「 何が『 はい? 』だよぉ!!
全部、聞こえてるくせにぃ!!
聞こえてないフリしてんなよ! 」
セロフィート
「 面白くて……つい♪ 」
マオ
「 何が『 つい♪ 』だよ!
態とらしいんだよ! 」
セロフィート
「 マオも一緒に読みましょう 」
セロは手に持っている本の表紙をオレに見せながら微笑んでくれる。
くぅぅぅう…………キュンってするぅ♥️
オレに本を読み切る力が無いのを知ってて言ってるんだよ、セロは!
マオ
「 セロぉ~~~~! 」
セロフィート
「 はいはい。
マオは読むのが苦手でしたね。
ふふふ… 」
マオ
「 何で嬉しそうに笑うんだよ~~ 」
セロフィート
「 マオ、ジャムを作ってはどうです? 」
マオ
「 とっくに作り飽きてるよ!
セロが用意してくれた瓶に入れたし、何時でも売りに出せるぞ 」
セロフィート
「 マオが作ったジャムを売りに出すわけないでしょう。
ワタシ専用です 」
マオ
「 何でだよぉ~~~ 」
セロフィート
「 マオの手作りは全てワタシの物です。
当然でしょう 」
マオ
「 セロぉ~~~独占欲が強過ぎるよ…(////)」
セロフィート
「 何を言いますか。
君はワタシだけのマオです。
自覚してください 」
マオ
「 自覚はしてるよ… 」
セロフィート
「 それなら嬉しそうにしてください。
ワタシはマオを独り占めしたいだけです。
何故、不満そうな顔をします? 」
マオ
「 セロ……(////)
オレもセロを独り占めしたいよ 」
セロフィート
「 してるじゃないですか 」
なんて言ってくれるセロの目は既にオレではなくて本へ向いている。
マオ
「 オレを見て言えよぉ!!
もうっ! 」
セロフィート
「 マオ、ジャムにも種類がありますし、ワタシの為に作ってください。
果物,野菜,花弁,薬草は幾らでも採れますし 」
マオ
「 オレをジャム漬けにするつもりかよ… 」
セロフィート
「 ≪ ダンジョン ≫もあります。
遊んで来てはどうです? 」
マオ
「 1人で入っても詰まらないだろぉ~~ 」
セロフィート
「 ジャム作りも嫌、≪ ダンジョン ≫で遊ぶのも嫌…。
マオは我が儘さん~~~♪♪ 」
マオ
「 歌わなくていいから!(////)
大体さぁ、こんなに雪が降ってる日に客なんて来やしないよ。
本を読みに態々山奥に来る本好きなんて居ないって…… 」
セロフィート
「 マオ、何事も決め付けない事です。
自分から可能性を潰してどうします 」
マオ
「 何の可能性だよ…。
ブックカフェを開店して半年が経つのに誰も来やしないじゃないか~~ 」
セロフィート
「 3週間前に来たでしょう 」
マオ
「 あれは客じゃなくて山賊だろが!! 」
セロフィート
「 その割りに水を得た魚のように楽しんでましたよ、山賊狩り 」
マオ
「 それは否定しないけどさ…(////)
山賊共が溜め込んでた宝は全部回収したから懐は潤ったけど…… 」
セロフィート
「 1人残さずボコボコにする必要ありました?
眠らせてしまえば良かったのに… 」
マオ
「 鬱憤張らしも必要なんだよ!
ガス抜きだよ、ガス抜き~~。
散々悪事して来た奴等なんだから、軽く痛め付けたって構わないだろ?
殺してないんだしさ 」
セロフィート
「 見事な半殺しでしたね。
虫の息でしたけど… 」
マオ
「 多少は手元が狂う時もあったよ。
人数も多かったしな… 」
セロフィート
「 おや、人数の所為にしますか 」
マオ
「 うぅ…… 」
セロフィート
「 ふふふ…。
──マオ、そろそろ夕食にしましょう 」
マオ
「 もうそんな時間なんだ?
はぁ~~~~結局今日も誰も来なかったなぁ~~。
セロ、チラシでも作って配るか? 」
セロフィート
「 マオ、ひっそり──と言ったでしょう。
宣伝してどうします。
忙しくなっては “ ひっそり ” の意味がなくなります 」
マオ
「 えぇ~~~~。
…………そんなんじゃあ、一生誰も来ないかもじゃんか! 」
セロフィート
「 コンセプトは隠れ家的なブックカフェです。
マオは──、ワタシと2人切りでのんびり過ごせるのが嫌です? 」
マオ
「 そんな事言ってないだろ!!
夕食の料理を作るから待ってろ 」
セロフィート
「 は~~い♪ 」
セロの返事を背中で受け止めてたら、エプロンを首から掛ける。
カウンターの横から厨房へ入る。
今晩は何を作ってやろうかな?
◎ 訂正しました。
“ ひっそり” の ─→ “ ひっそり ” の