此処は1年中雪に覆われている≪ ロミナズナ王国 ≫の近くに隣接している≪ ケイラームの街 ≫の山奥にあるログハウス風のブックカフェだ。
≪ ケイラーム ≫は≪ ラチルミダ王国 ≫の中にあるんだけど、≪ ロミナズナ王国 ≫に1番近い≪ 街 ≫だったりする。
山中には珍しい植物,山菜,薬草なんかが豊富に生えていたり、天然の果物や木の実も実っているから取り放題だったりする。
料理の食材となる動物も生息しているから、好きな時に食料の調達も出来る環境でもある。
国境付近に出没する怪物は強くて、遭遇率も異様に高くなっている。
隣国の≪ ロミナズナ王国 ≫と≪ ラチルミダ王国 ≫の国境には弊害となるような物が何もないから、セロが怪物の強さ,出現率,遭遇率を勝手に上げたんだ。
怪物と遭遇した際の逃走率は下げられているから、怪物と遭遇した場合の生存率は篦棒に低くなっている。
セロは鬼だな。
≪ ロミナズナ王国 ≫の軍事力は相当なものらしくて──、「 国境を越えて侵略して来るのを防ぐ為です 」なんてセロは言ってたけど、本心ではなくて建前だと思っている。
セロの真意については、長年一緒に旅をしているオレにも分からないんだ。
≪ ケイラーム ≫は雪ゆき国ぐにに近ちかいから頻ひん繁ぱんに粉こな雪ゆきが降ふったりするし、偶たまに雪ゆきが10cセンチmメートルぐらい積つもったりするけど、ログハウス風ふうブックカフェ辺あたりなんて雪ゆきが降ふると30cセンチmメートルも積つもる時ときがある。
セロのお蔭かげでオレも寒さむさを感かんじないようにしてもらえているから、気き候こうや温おん度ど差さを気きにする事ことなく快かい適てきに過すごせている。
何なんでまた旅たびをしないで山やま奥おくにあるログハウス風ふうブックカフェで暮くらしているのかと言いうと、時ときたま発ほっ作さのように起おこるセロの気き紛まぐれの所せ為いだったりする。
今こん回かいは何なんでか知しらないけど、「 山やま奥おくでひ・っ・そ・り・とブックカフェを開かい店てんしてみたいです 」って内ない容ようだったわけだ。
セロが起おこす発ほっ作さの頻ひん度どが増ふえたのは、〈 久く宇宙を遠おん運営する実じつ偉大なる成じょう主宰者 〉から与あたえられた期き限げんの1万まん年ねんに近ちか付づいているから、らしい。
セロの言いう事ことだから冗じょう談だんなのか、嘘ウソなのか、本ほん当となのか──、オレには分わからない。
唯ただ言いえるのは、〈 久く宇宙を遠おん運営する実じつ偉大なる成じょう主宰者 〉から与あたえられたセロの期き限げんは着ちゃく実じつに迫せまっているって事ことだ。
期き限げんの1万まん年ねん迄までは未まだ4000年ねんも残のこってるんだけどな。
そう、セロ──セロフィート・シンミンは人にん間げんじゃない。
〈 久く宇宙を遠おん運営する実じつ偉大なる成じょう主宰者 〉から人にん間げんの姿すがたに似にせて作つくられている〈 お人にんゴデッセ形ぎょうルロド様さまール 〉なんだ。
セロは “ 面おも白しろい事こと ” が好すきで、起おこす発ほっ作さも大だい体たいが、“ 面おも白しろい ” を求もとめて発はっ症しょうする迷めい惑わく極きわまりない発ほっ作さだったりする。
大たい概がいセロの起おこす発ほっ作さの被ひ害がいを被こうむるのは何い時つだって人にん間げんだ。
人にん間げんが有う象ぞう無む象ぞうの被ひ害がいに遭あったとしてもセロは一いっ切さい合がっ切さい、全まったく気きにしていない。
“ 何ど処こでも良いいから ” って理り由ゆうで手て頃ごろな≪ 国くに ≫に目めを付つけては、「 滅ほろぼしてしまいましょう 」とか「 怪かい物ぶつモンスターに襲おそわせてみましょう 」とか「 全ぜん国こく民みんを実じっ験けんのモル実じっモ験けんット台だいにします 」とか「 〈 合ごうキ成せいメイ獣じゅうラ 〉の餌エサにしたいです 」とか「 全すべての貴き族ぞくをゾンビに変かえてみません? 」とか「 奴ど隷れいを怪かい物ぶつモンスターへ変へん貌ぼうさせてみましょう 」とか──、実じつに危き険けん極きわまりない迷めい惑わく千せん万ばんな発ほっ作さが多おおい中なかで、今こん回かいは何な故ぜか大人おとなしめの「 山やま奥おくでひ・っ・そ・り・とブックカフェを開かい店てんしてみたいです 」なもんだから覚かく悟ごをして構かまえていた分ぶん、拍ひょう子し抜ぬけしてしまったけど、実じつは心しん底そこホッとしている。
今こん回かいのセロの発ほっ作さでは被ひ害がい者しゃが出でなさそうだからだ。
国こっ境きょう付ふ近きんの怪かい物ぶつモンスター強きょう化かの件けんがあるから、被ひ害がい者しゃ数すう0ゼロは無ム理リだとしても何い時つもよりは少すくなくて済すむと思おもう。
「 山やま奥おくでブックカフェを開かい店てんしてみたいです 」なんて、珍めずらしく平へい和わ的てきで可か愛わいい発ほっ作さじゃんか!
こういう平へい和わ的てきな発ほっ作さなら、オレは何い時つでも大だい歓かん迎げいだよ!!