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海の街  作者: トキン
2/10

昼休み

 学校というのは単純だ。

 多少準備をすれば困ることのない授業、現状維持を心掛ければ失敗しない人付き合い。

 それなりであればいい。慣れれば特に考えない。

 先生の前ではそれなりのやる気を、友達の前ではそれなりの無気力を。求められるままであればいい。

 今日も、気づけば昼になっていた。日に六回の授業、四回の休み時間、一回の昼休み。もはやノルマのようだ。

 いつも通りのグループで昼食をとった。マンネリとか、考えないらしい。別に害がないから、どうでもいい。

彼女らを好ましくないように言ってはいるが、嫌いではない。親しく付き合うのに面倒とは思わないし、自分に合った人たちだと思う。

 聞くに徹しつつ、ある程度は自分から話題を振った。私は変にコミュニケーションが取れないわけではないから、意識せずともまあまあこなせる。

 自分たち以外のグループからも笑い声が聞こえる。のんびりとした平和な昼下がり。暖かく心地いい時間。

  あれ、みんな油断してる?

 午後には眠るなるかもしれない。大丈夫だろうか。

  今この時間、壊せるかな?

 ほかの3人も同じ心配をしていたが、五限目現文、六限目地理で大丈夫だろうと言い合った。

  どうすればこの空気、変えれる?

 こんなだからテスト取れないなあ、とぼやくと、みんな同意した。特別勉強を頑張りたいわけではないから、あまり不安感はない。

  例えば大声で叫びだす?

 話のネタも尽きてきた。いつかしたような話を繰り返す。

  目の前の子を殴る?

 人気の歌、最近のドラマ、好きな俳優、嫌いな教科。

  思ったこともなかったけど、この場を壊すのなんて簡単なのかな?

 笑いながら無為に時間を過ごした。

  まあでも私は実行しないのかな?

 予鈴が鳴る。

  私が何もしなくてもこの時間が終わる?

 残り二時間。

 午後が始まる。

 席に着く。

 面倒に思う。

 準備をする。

 先生が来た。

 本鈴ももうすぐ鳴る。

 鳴った。

        この日々が続くのだろうか?




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