第1話 俺のコミュ力マジで最強
どこまでも続きそうな草原をただひたすら歩く旅。あなたはこんな旅をどう思いますか?
私ならこう思うでしょう...
ーーとりあえずさっきの商人死ね。
俺の名前はアールグレイ・オーグ。妹重いないい兄でちょっとやんちゃなピッチピチの18歳のイケメンだ。
訳あって妹のルフと二人で旅をしているのだが、ちょいと困ったことが起きている。
商人から買った地図をもとに歩いているのだが1時間たっても草原。3時間たっても草原。
5時間たっても...
ーーはっ!!こんなことじゃ、ルフも飽きてしまう!
「ルフ。待ってろ?もうすぐで街が見えてくるからな」
ルフに語り掛けると、ルフは進行方向と別の方向を向いていた。
その視線の先に小さく町らしきものが見えた。
「あ~~...な?見えてきただろ?」
ルフの表情が変化ないことを確認して、二人は街へと歩を進めた。
街の入り口には出店が多く並んでおり、町の住民らしき人であふれかえっている。
「ここが、サングリーアかぁ。なんだか良くも悪くも騒がしい街だなぁ。たくさん歩いて疲れている
俺にはちょっと騒がしすぎるかな。なぁ、ルf」
ルフに話しかけようとした時、右足に小さな衝撃が走った。目の前には風船を持った子供が座り込んでいる。
まもなく母らしき人物が駆け寄ってきた。
「申し訳ありません旅のお方。お怪我はありませんか?」
「大丈夫ですよ。私が看板を見ていて前からくる風船小z、いや少年に気づかないのがいけないんですから」
「風船小z?」
「なんでもありません。つ、つかれているのでもう行きますね」
何か言われる前にその場を立ち去ることにした。