第3話:観測結果
ある所に、2人の男の子と女の子がいた。
女の子は紋章術の才能に長け、片方の男の子は博識でした。
そして、もう一人の男の子は、何も取得がありませんでした。
女の子は、紋章術の名家の娘だったこともあり、メキメキと力をつけて行きました。
博識な男の子は、紋章術の専門書を読み解くなど、学問を通じてあらゆる分野に踏み込んで行きました。
残された男の子は…、紋章術や学問において才能が見出されることはありませんでした。
数年後、博識な男の子は更なる高みを目指して大都市に引っ越していきました。
残された男の子は、女の子に紋章術を教わって彼が故郷に戻ってきた時に驚かせてやろうと思いました。
森の中で特訓をしている最中、1匹の魔獣が茂みから姿を現しました。
初めて見る魔獣に怯える少女。
いくら才能があるといえど、やはり年相応の女の子。
魔獣が女の子に飛びかかります。
女の子の悲鳴。
魔獣の存在感。
恐怖心。
男の子は動いていた、悲鳴を聞いた瞬間に。
魔獣への恐怖心よりも女の子を守らなくてはいけないという気持ちの方が大きかったのでしょう。
勇気ある行動をした男の子は、自分の取得を見つける代償として、その命を散らしました。
魔獣は、女の子の家の執事によって倒されました。
執事は、男の子を看病しましたが、あの傷ではまず助からないでしょう。