青の瞳
アルバート家の屋敷は、私の謝罪、私の瞳の色が変化した事で大騒ぎになっていた。私も声にでないほど、瞳の色の変化に驚いた。
瞳の色の変化驚くべき点を説明するには、急にではあるがまず魔法の話をしなければならない。
この世界には、魔法が存在している。主に火・風・水・土の4種類の属性がある。他に3つ属性があるのだが、それらは特殊なので横に置いておこう。
魔力の大小はあるが、一応この世界の人は、4つの中のどの属性も使うことができる。
しかし中でも、生まれた時に決まる得意属性というものがある。
それは代々家が受け継いでいくものだ。結婚して他の一族の血が混じると変わると思うかもしれないが、そんな事は起こらない。神が染めているからだ。
この世界では、それぞれの属性の神が生まれる前の子の魂の瞳を染めて加護を授けるとされている。
ここで瞳の話に戻る。
赤の瞳は火、緑の瞳は風、青は水、茶色は土のように属性の加護は瞳の色からわかるようになっている。
我がアルバート家では赤の瞳、つまり火の属性を代々受け継いでいる。瞳は染めきっているから死ぬまで変わらないはずなのだが、なぜだか私の瞳は青に変化したのだ。
皆が驚き、騒がれるのは仕方ないだろう。魔法の知識を思い出した私にとっても、瞳の色の変化は衝撃的なことだ。
これは、前世を思い出したことが原因なのだろうか。それなら何故目が覚めた時に変わらなかったのだろうか、わからない。
「シェリー! 瞳が変わったとはどういうことだ!」
何だか凄いことが起こったと思い呆然としていると、父様が勢いよく扉を開き、部屋に飛び込んできた。随分怖い顔をしている。
前回とは違い自分の親だと理解しているが、怖いのであまり関わりたくない。
「わたくしにもわかりません。どうしてでしょうか」
「……本当に瞳の色が変わっているな。頭ではなく瞳がおかしくなったのか、それは困るな」
「申し訳ありません。私の意思ではないにしろ、アルバート家の名誉に傷をつけることになってしまいました」
「いや、瞳の色を変えればなんとかなる。問題は方法だ」
父様は意外と前向きに考えてくれるようだ。怒られなくて良かった。
うーん、問題か……この場合は、あるけど違法とかだから問題ということではなく、ないから問題ってことだろうか? 大丈夫だよね?
「危ない方法は怖いので控えて欲しいです」
「いや、前例がないので方法自体がない。何故そう危険な方向に考えるのだ、もっと謙虚な考え方はできないのか? ……やはり瞳と頭の両方がおかしくなったようだ」
父様の酷い言葉はデフォルトらしい。真剣に受け止めると心が折れそうなので受け流す方向で頑張っていきたい。
「今ある魔法で色を変えるものはないのですか?」
「液体の色を変えたりとかならあるが、その他はよく知らないな。とりあえず魔法に詳しいものに聞いてみよう」
「ありがとうございます」
「……今のお前は別人みたいだな。それが影響で瞳も変わったようだ」
父様から鋭い指摘を受けて驚いた。まぁ確かに性格は変わったが、別人と言うほどだろうか。別人だと思われて変な実験台にされても困るので、今は改心したという方向を貫こう。
「そうでしょうか?」
「まぁ娘は娘だ。どうしようもない頭も多少ましになったから問題ない」
「……はい」
今の発言は、ものすごーくポジティブに考えると、別人でも娘には変わりないよ!ということなのだろうか。
もう父様はツンデレで良いだろうか。そうでもしないと彼の言葉と顔に一々心が折れそうなるのだ。精神面を考え、私の中で父様はツンデレだという事になった。
それから父様のツンデレや、瞳のこと、使用人達の関係などこれからについて考えてその日は終わった。
私の転生生活は、一筋縄ではいかないようだ。
まだ1日目だが、先行きが不安になった。




