決意
二度寝から、目が覚めた。
どうやら夢ではなかったらしい。先程の天井とまたご対面したのがその証拠だ。
目が覚めて現実だと認識したからか、色々思い出してきた。ここは知っている場所だ。
確認の為にも、今の状況を整理したい。
私は誰だろうか。
–––シェリー・アルバート。公爵令嬢だ。現在4歳。
今の家族は?
–––父1人母は幼い頃に亡くなっている。兄妹はいない。
ここはどこ?
–––ユラートス国のアルバート家の私の部屋。
うん、これが今の私の事だ。しかしこれが私なら、さっきこの場所を知らないと思った、日本にいた自分はなんなのだろう。しっかり生活していた記憶がある。
うーん……つまりだ、階段から転げ落ちたことにより日本での記憶、つまり前世を思い出した。この状況からして、私は転生したという事だろうか。ラノベかよ。
とりあえずこの流れのまま、今までのシェリーの事を思い出してみようと思う。
シェリーは、いつも多くの使用人にイタズラをし、我儘を言う少女だった。
朝、起こしただけで「まだ寝てたい! 起こさないで!」と駄々をこねる。
ドレスに着せると「この服はわたくしに似合わないと思う! 嫌だ! 別のはないの⁉︎」と違う服を要求。
新人のメイドにわざとぶつかり花瓶を割らせると「その花瓶お気に入りだったのに! 同じもの買ってきて!」と言う、などなどだ。
使用人はただ仕事をしているだけなのに、結構理不尽だ。まぁ4歳ってこんなものかなとも思う。
今までシェリーとして生きていたので、行動や感情がどのようなものだったかわかる。わかるが今の私は、これらの事に使用人可哀想だなという感想を抱く。
現在は、前世を思い出したシェリーという解釈でいいのだろうか。それにしても中身の性格が違いすぎる。
あまり考えたくはないが、これは本来のシェリーの人格を奪ったことになってしまうのだろうか。前世の記憶覚醒がイレギュラーだった場合、今の私みたいな思考にはならずに過ごしていたはずだ。
しかしどれだけ考えても、もう前世を思い出してしまった。もう私にどうにかできる問題ではない。
けれど、せっかくなのでシェリーの意思を引き継ぎ自分らしく前向きに生きていこう。
前世のようなつまらない平凡な毎日ではなくなりそうだ。私はこれからの生活が少し楽しみになった。




