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新しい家族

 王子との対談。魔法などの勉学。その他諸々、目まぐるしい日々を過ごすうちに私は6歳になっていた。


 父様は笑ったり、褒めたりしたりする事は相変わらず苦手みたいだが、私がそれに慣れたのですれ違いが減った。何を考えてるかなんとなくは分かるようになったのだ。

 このように家族の関係がこの2年で良い方向に向かったのだが、父様は何か思うところがあるらしく「新しい家族はいらないか」と聞いてきた。

 父様が私に意見を聞いてから行動するようになったのも2年前なら考えられない事だ。前なら聞く素振りを見せて、ほぼ確定事項を話されるだけだった。


 話が逸れたが、私に新しい家族ができるらしい。本当ならここでどんな人かワクワクするのだが、生憎私は聞かずともどんな人が家族になるか知ってしまっている。


 そう例の乙女ゲームの話だ。新しい家族を想像して、楽しむ事が出来ないのはものすごく残念だ。


 彼の場合悪役令嬢との生活で作られた冷めた心が短所だったはずなので、私が変な事をしない限り普通に仲良くなれる。「仲良くなろう大作戦」を考える必要もない。


 そう思い今日を迎えた。遂に義弟がやってくる。父様は昨日からなんだかソワソワしていた。彼を家に連れてくるだけなのに、かなり緊張しているのがわかった。

 私もそんな父様を見たり屋敷の忙しさを見たからか、時間が近づくにつれ緊張してきた。何を話すかくらいは考えておくべきだったかもしれない。


 今からでも間に合うかもしれない。そう思い、会話の内容を考え出した時。父様と彼が帰ってきた。





「シェリー、連れてきたぞ」


 父様が、後ろに隠れている彼を隣に立たせながら言った。顔が強張っているので、私達の対面に気を遣っているみたいだ。子供同士だし、そんな気を引き締めなくていいと思う。


「アルト…アルト・アルバート」


 彼は、小さな声でポツリと自分の名前。そして新しい家名を名乗った。改めて聞くと言いづらそうな名前だ。


「シェリーです。よろしくね、アルト」


 彼から挨拶する気配がなかったので、こちらからできる限りの笑顔で挨拶した……が、彼は全く反応しなかった。


 そのあと微妙な空気が流れので、父様が彼を部屋に案内すると言いその場は解散となった。


 私は、自分の知っている彼とは違うことに驚いていた。あんな無口だっただろうか。


 もしかしたら、想像以上に面倒な事になるのかもしれないなぁと2年前の王子との対談を振り返りながら思った。


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