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七宝伝〜今起こったこと〜  作者: nyao
三章 ~意味~
43/51

三十四話「拒絶する者、される者」






感じられたそれは最早違和感などというには余りに生易しすぎるものだった。いや、感覚だけで済まそうとすること自体が無理というもの。


「あ、うぐぁ」


身体の奥底から湧き上がってくる強烈なまでの他排、嫌悪、廃絶、拒絶、絶望、切望感。


そして、否認する。


口から絶えずにもれるのは苦悶に呻く音。

何か、今までに無い執拗なまでに認めようとしないものが胸の辺りを覆っていた。


「ぅ、ぁ、あ゛・・・」


身を包み込むのは先ほどと比べ物にならないほど強烈な虚脱。抵抗という二文字さえ浮かべる事を許されずにただその場に膝が折れる。


「恭一!?」


「凪さん!!」


時折、強制的に引き戻される現実の中で恭一はその叫びを聞いた、気がした。ただ曖昧で、まるで皮一枚外の別世界のようにしか取れない。


「もう限界です、凪さん!!」


「あ、ああ・・・そうだ、な」


膝を折った恭一は、だがそのまま地面に伏せる事はなかった。折れはしたものの完全に身体が崩れ落ちるまでには至らない。

前のめりの、半端な体勢。なのにそれが安定を保っている。いつ倒れてもいい体勢のはずが、このままいつまでも倒れないのではないかという思いを湧かせる。


いつか死ぬぞ、と。


何処かで誰かが言っていた。あれは一体誰だったろうか。全てを認めない今はそれすら曖昧に、ただ。


死。


一つの単語が魅了するように脳裏を離れない、瞬間。


――ふ、ふふふっ・・・


耳に残るような、震撼させる笑い声。恭一はそれを聞いた気がした。


「あ゛・・ああああぁあぁぁああ」


天を仰ぐ恭一の口から漏れだす、今までの苦悶ではなく、それは決して声などでは在り得ない魂の絶叫。


「――っ!!」


誰かが何かを言っていた、かもしれない。


凪が突き出していた腕を、攫むように引き上げる。だがそれは、ただそれだけの事。それ以上ではなかった。

表情に焦りを浮かべながら、凪は同じ動作を繰り返す。


「凪さん、早くっ!!」


「くっ、もう何度もやっている。だが・・・何故だ!?」


凪がその動作をする度に、湧き上がる想いは一層強くなる。それがただ邪魔で、邪魔であり。


――へぇ、面白い、面白いね、君


何時か、された光景は何を語るのか。


遂には何かが軽く臨界を突破した。その瞬間に湧き上がっていた否全てが振り切れる。だからなのか、もう感じる事もない。

身体の制限も取れたのか、膝が床に着く。

俯きがちの表情は他の三人からは見て取れない。だが恭一の身体は息すらしていないように、動くという気配が全くなかった。


いつの間にか漏れ出た絶叫は止まっていた。


「恭い・・・」


すぐ傍らまで寄ってきていたらしい和佐の動きが、恭一に手を伸ばした途中で止まる。他の二人も同時に動かなくなっていた。

静寂に、場の空気がただ重い。


音も無く恭一の胸元から何かが零れ落ち、凪の足元まで転がっていった。だが誰一人として視線で追う事を許されていない。


珠。

転がったものは幾許か深紅だった色が薄くなってはいたが確かに凪が恭一に向けたものだった。それは空気に溶け込むように消えていく。

最後に半透明な球状の揺らめきを残し、それもすぐに風に吹かれて消えた。


「何、だ」


一言が不自然なほど場に響く。

場を支配する空気は張り詰めてなどいない。そんな領域当に越してしまっている。

生死すら存在しない唯一たる、敵意。いや、それは生けるもの全てを根源から縛り付けてしまうほどに純粋なもの。敵意、殺意、など陳腐な言葉にするのも全く生易しい。


「今、何をした」


応える、答えられるものなどいるはずがなかった。

動く、動けないは精神力の問題ではない。想いに焦がれるが故に、身動ぎも叶わず望まない。


恭一が顔を上げる。ただそれだけの事に和佐と凪の二人が二人、数歩ほども後ろへ遠退いた。


「言え」


着いた膝を立ち上げて、一歩前へ。

近づかれて和佐と凪は更に後退する。遠ざかっているはずの佐久弥すら動く事は出来ない。


歩を進める速度は驚くほどに緩慢だった。一歩進むたびに節々が軋みを上げる。尤も、其の方がより畏怖感を強める結果になっていたのだが。


「言・・・・」


右手を引かれる感覚に、恭一は言葉を切ると振り返り向くべき場所へと視線を向けた。

その先に居たのは佐久弥。未だ動けず、視線を向けられたとき一度だけびくりと震えて俯いた程度である。


引かれた右腕をもう一度、無造作に引く。

一瞬何かが弾けたように、それだけでもう抵抗感はなくなっていた。囚われては、いない。


再び凪へと向き直ろうと、


「ぁ・・・・・・あ、の・・ですね、恭一さん」


「何だ」


向けたものは視線、と呼ぶのも躊躇われるほどに何も篭ってなどいない。

それを悟って息を呑んだように僅かに瞳が開かれる事、一瞬だった。それを境に確かに俯きがちだった佐久弥の瞳に篭る色が変わった。


ある種の決意を込めたような。


「恭一、さん」


零れ落ちた言葉は恐怖も、怯みも戸惑いもなかった。ただあったのは、悲しみ。

だが果たして残念な事なのか、その真意を知るものも悲しみを感じ取れたものもこの場にはいない。


うつむいていた顔が上がる。

重なり合い、射抜き合った視線はただひたすら真っ直ぐに。


それは勇気か、無謀か、蛮勇か。


息を吸う、小さく肩が上がる。


紡がれたのは、そのどれでもない言葉。


「大丈夫ですか?」


それに恭一は己の状態を見るまでもなく一言。


「大丈夫だ」


「そう、ですか。よかった」


本当に安堵するように、一時だけ僅かに口元に笑みが結ばれた。そしてすぐに消える。


「恭一さん」


やはり視線は真っ直ぐと。向けられている純粋な敵意を感じられぬほど鈍感でないのはかすかに震える肩が示している。それでも、向ける視線は強がりなどではない。

篭る明確な意思がものを伝える。だから対する恭一も他に向ける事が出来ない。しない、だけとも言えるが。


ただ一つだけが確かな事。


「わたしは、それに凪さんも、何もしてはいません。何かを行える、行ったとすればそれは恭一さん、あなた自身です」


「どういう事だ」


「凪さんが恭一さんに打ち込んだもの、あれは『色』を純化して留めただけのものです。色はそれ自体では何もしませんし、決して身体に害がある訳でもありません。だから今のは恭一さんが・・・・・・・・・・・・・・・・」


言いよどむ様に、だがそれは自身が許さなかった。


「恭一さんが拒絶しました。いらない、と。だから先ほどは苦しんだ。その意味が分かりますか?」


「知らない。それがどうした」


「色の拒絶は、すなわち命の拒絶。生きる事それ・・・・・いえ。恭一さん、一つだけ聞かせてもらえますか。ミズキさん・・の事、許せないのですよね?」


「そうだ」


「だから探している、殺したいほど憎んでいる。その為に生きている、そうですよね?」


言い募る佐久弥の姿は何故か、驚くほどに必死なものだった。だが例え何に必死だったとしても、受ける恭一に変わりはない、そのはず。


「・・・そうだ」


二度目の返事を聞いて佐久弥は僅かに肩を落した。安堵するように。


「なら、よかったです。いえ、よくはありませんが・・・いえ、よかった・・・・です」


「何が言いたい」


「恭一さん、今のあなたにはきっと、未来がない。だから・・・・・・・命を拒絶してしまう。その証拠に今恭一さんは、」


言いかけた言葉を切り、また躊躇うように、此処にきて初めて佐久弥は恭一から視線を逸らして目を彷徨わせる。が、最後には結局元の位置へと、その瞳は真っ直ぐに貫いた。


一度、大きく息が吸われる。


「楽しいですか?」


その問いは、返すまでも無く。

僅かに恭一の体が左右に揺らめき、その意味を本人さえ分からぬよう。恭一は佐久弥を見返し続ける。


「・・・・・」


浮かんだのは幽かな嘲笑。ただ、それを浮かべた本人が気付いていたかどうか。恐らくは気付かなかっただろうが、普段無表情なだけにそれは大いに目立つ。


間違いなく今までで一番悲しそうに、そして辛そうに、佐久弥は表情を曇らせた。


嘲笑はそれ自体が嘘だったかのようにすぐに消え去る。後にあるのはいつもどおりの無表情。何も変わりなど無い。


「恭一、さん」


「何だ」


不意に。

寒気が脳裏に奔った。それがどういう意味を示すのか、恭一は知らないし知る気もない。


何故って、それが仮に恐怖だとして、一体何に対して恐怖したというのか?


答えはやはりというか、恭一の内には存在しなかった。


言葉に応えはせずに佐久弥がその場から一歩近づき、踏み出した。

向かう害意を忘れてしまったのか、寄って来る佐久弥が浮かべているのは笑顔。絶対にこの場には合わない、むしろ真逆としか言えないだろうに。


確実に近寄ってくる足取りは明らかに軽い。それに気負いもない。


ある距離を切って恭一の意識が間合に入った敵相手のそれに変わり、途端に場に緊張が伝った。

張り詰めた、現実感のあるこの緊張に気付かないものがいるはずがない。だがそれでも佐久弥は足を止めはしなかったし、凪と和佐は未だ場に呑まれたまま動けずその無謀を留める事も叶わぬようだった。


向かってくるのは敵。そうである、それは確かなはずなのに。

確実に一足の内に打を放てると言うのに恭一はどうしてもその一歩を踏み出す事が出来なかった。


何故か、恭一や佐久弥本人達が気付いているかどうかは分からないがそれは、まるで敵意と言うものがなかったから。言い換えるなら、佐久弥という少女は恭一に対して全くの無防備だった。

だから攻撃できなかったなどと、この場の誰も浮かべる事さえしない。もし仮に他の、萌か舞のどちらか・・・・・・・・でもいたとすれば気付いたのかもしれない。どのみちどちらもいない。


手を伸ばせば触れられる程に近く、佐久弥はその足を止めた。


緊張が更に高まるが、恭一が事実上手を出せない故に、その逃げ道はない。

ただ無駄に高まっていく緊張が弾けるより先。


「恭一さん、探しましょう!!」


勢いもよく佐久弥が恭一の両手を掴み取って、真摯な瞳を向けてきていた。

同時に、緊張が霧散した。場の誰も、恭一さえも今何を言ったのかと訝しげな表情を浮かべる程に、言うなれば白けていた。


昂揚しているのか僅かに頬を紅潮させながら、佐久弥は更に一歩ずいっと迫ってきて、


「同じ生きるなら前向きの方が絶対に良いに決まっています。何か、生きていて嬉しいと思えるような楽しい事を探しましょう。そして叶うのならわたしにそれを手伝わせてください。そうすればきっと・・・・・・・・今よりも素敵になれます。だからっ」


浮かべているのは笑顔だった。だがそれ以上に、その場にいる誰よりも佐久弥の浮かべるそれは切羽詰っていた。


ぎゅっと、握られた手に更に力が篭る。


はたと我に返った恭一は気が付くと握られていた両手を振り払おうと、だが中々強く握り締められていたようで容易に離れる事は無かった。

佐久弥本人は恭一のそんな動作にも気づかずにただ真っ直ぐと、今も瞳を向け続けている。


「あ、あの佐久弥? 一体何を・・・」


緊張から解かれたついでに身体の硬直からも解かれたらしい凪の戸惑いの声も届かない。いやむしろその声に獲物を見つけたように笑顔のまま凪へと振り向いた。


「そうだ。凪さんも一緒に探――」


「離せ」


「ぇ?」


「手を離せ」


顔を戻した佐久弥はそこで初めて自分が恭一の手を握っている事に気付いたように、握られた自らの両手を凝視したままぴたりと動きを止めた。

期を逃さずに緩んだ手を振り払い解く。振り払われた佐久弥は呆けたまま反応を見せなかった。


動きを止めたまま一秒、二秒、三秒・・・


「ごごごごめんなさい恭一さん。わ、わたしは何て事・・・」


ずざざ、という擬音が出る勢いで佐久弥の身体は瞬時に恭一から離れていた。


解かれた手を軽くほぐして、恭一は改めて佐久弥へと目を遣った。

開いた距離は二間ほど。相変わらず彼女に敵意は無く、何故か俯きがちに頬を赤らめている。それでも時折視線を上げてちらちらと見てくるのは何故だろうか、と。


見覚えのある仕草に気付けば声が出ていた。


「何だ」


応える仕草は恥ずかしそうなままに。


「そ、その・・・・でも本当にどう、でしょう?」


どう、とは勿論先ほど口走っていた事に対してだろう事は想像に難くなく、そしてその応えも考えるまでもなかった。


「関係ない」


それだけなら、まだよかったものを。


「何かしたいのなら勝手にすれば良い」


「ぇ」


驚きに満ちた表情が顔を上げた。真っ直ぐ見ていた恭一と視線が重なる。だが今は頬を赤らめて逸らされるような事はなかった。

ただ信じられないというように。


「勝手に、してもいいのですか?」


「すれば良い。関係ない」


ふと、窓から漏れる外の茜色が初めて視界に入った。そうして今の時刻に気が付く。


脳裏に在った誰かが、不意に鼻歌を歌うエプロン姿の萌の背中に変わった。そして浮かんだ情景に感化されるように唐突に空腹の念が浮かぶ。

同時に湧き上がる、脅迫に似た観念。それは言葉となり漏れ出す。


「帰る」


即座に出口へと向いた足は既にもう急いでいた。後ろから誰か、恐らく和佐の付いてくる気配を感じたが態々振り返り確認する事もない。


「きょ、恭一さんっ」


後ろから聞こえた佐久弥の声にももう応える事はなく、


「わたし、しますから。勝手にしますから。約束・・・約束ですよ!! きっと・・・」


道場を後にした。最後の辺りの言葉が聞こえなかったがどうとでも良い事。すぐ後ろの和佐から「いいのか?」という言葉が出たような気もするがそれこそ無視する。


――約束、だぞ?


「・・・・・・」


思い浮かんだのは、いつの言葉だったか。だがそれは考える間も、事もなくすぐに記憶の中に消えていった。


とても、自分にとって大切であったもののはずなのに。




◆ ◆ ◇ ◇ ◇




道場から玄関へは殆ど一本道と呼べるもので迷うような事はなかった。すぐに玄関へと辿り着き、自らの靴の元へと腰を下げる。


「上柳。それと千里も」


後を追ってきたのか、靴を履いて戸口に手を掛けたところで背後から掛かった声に和佐だけが振り返った。恭一は構わず戸口を開く。


「今日感じたものがあるというならそれが『色』だ。そして感じてしまった以上、お前たちはもう足を踏み入れた。・・・・・・二人に言いたかったのはそれだけだ。っと、千里」


もう身体も外に、殆ど道に出ているような状態で呼ばれて、恭一は動きを止めた。だが振り返りはしない。凪もそれを期待はしていないのか気にする様子は見られない。


「今日は無理をさせたようで悪かった。済まないと思う」


「そうか」


結局振り向いて凪の表情を見る事無く、恭一はその場を後にする。


「じゃ、凪ちゃん。また明日学校で・・・・て、あ、いや。恭一」


背後からの声に、今度は振り向く事は愚か立ち止まる事もしない。だがそれは和佐も分かっていたはず。事実出た声に気にした様子はなかった。


「俺ちょっと凪ちゃんに聞きたい事があるから残るわ。寂しいだろうが一人で帰ってくれ」


「私に、聞きたい事?」


「そ、言う事」


「・・・何だ?」


後ろの方で話し合っている声は最早恭一の意識には入ってきてはいなかった。何故か和佐がついてきていないようだったが、その程度。それで恭一がどうするこうするなどあり得る事ではない。勿論気にする事もでもない。

気にせずにそのまま帰りの路を歩いていく。


「・・・・・・」


ふと。


何と無しに恭一は左手を目の高さまで上げると軽く開閉を繰り返した。当然何が在るでもないので結果はただ手の平が開いては閉じるだけの事。花が出るわけでなければ特別な何かを感じるわけでもない。

ただそれだけの事を確認するように、恭一は挙げた腕を再び下ろした。


少しだけ熱の篭ったような左手を握り締めて、風に乗って微かに耳に触れた嘲りの幻聴を振り払う。


自然と、少しだけ早足になっていた。


一陣の風が恭一の後を縋るようにして流れ、追い越すとそのまま空へと昇って流れていく。それがまた幻聴を嘲った。


どうして早く殺さない・・・・・・・・・・、と。








七宝殿~居間で興っている事?~



三銃士は「拒絶したり、しなかったり…」



萌 : お兄ちゃん!!


真衣 : と、恭一さんも無事ですし、何よりそれはもういいですから


萌 : ぁ……うん、そうだよね


真衣 : はい、そうです


萌 : あ、でも真衣さんはどうしてここに?


真衣 : さぁ? 多分暴走した萌さんを止める役が板についてしまっただけですよ


萌 : わたし、暴走しているの…かな?


真衣 : はい、それはもう、恭一さんの事だとまさに我を忘れてって感じで凄いですよ~


萌 : うぅぅぅ……(真っ赤)


真衣 : まあ、そんなことは今更どうでもいいですから、今回の解説、いってみましょうか


萌 : ぅ、うん、そうする


真衣 : さて、今回の話ですが…


萌 : お兄ちゃんが怒っている(?)場面だね


真衣 : 言い方は人それぞれ…って事でしょうか


萌 : もう、お兄ちゃんに酷い事するからだよぅ、報いを受けて当然だね


真衣 : ……萌さん、恭一さんの事となると本当に性格が変わっちゃいますね


萌 : そ、そうかな…?


真衣 : はい、それはもうですって、1,441度くらい変わります


萌 : それはまた、随分と中途半端な数字…だね


真衣 : 気にしなくて結構ですよ、どうせ今決めた数ですし


萌 : ………


真衣 : さ、おふざけはこれくらいで…それでは正しい今回の解説をしましょうか、萌さん?


真衣 : うぅ、わたしの言った事だって十分正しいもん


真衣 : まあ、今回は恭一さんというよりは佐久弥さん、でしょうかね


萌 : …むぅ


真衣 : まあまあ、萌さんもそんなにむくれないでくださいよ


真衣 : …うん、そうだよね、最後はお兄ちゃんわたしの事を思い出してくれていたもんね


真衣 : はい、恭一さんにとって萌さんは唯一の大切な人ですから、多少は気にせずとも…


萌 : ……それ、ほんと?


真衣 : はい?


萌 : そ、その…わたし、お兄ちゃんにとってたい、たい…大切なひ、ひひひ……とって?


真衣 : …何を今更、気づきませんか、恭一さんが何時も名前を呼ぶのは萌さんだけですよ?


萌 : ………ぇ? ま、真衣さん、今言った事…


真衣 : さてっと、都合よく萌さんが驚いた所で今回はお開きです、ではでは三十五話で~


真衣 : あ、それと私の発言が本当かどうかはご自分で見てみてくださいね~~、では♪


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