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七宝伝〜今起こったこと〜  作者: nyao
三章 ~意味~
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三十三話「侵せし懐柔の絆」




「佐久弥は私とは属性が違う。確か光・・・だったな?」


「あ、はい。そうです」


「というわけだ。千里には彼女にお願いする事にする」


「ぇ?」


以上の会話が行われたのは彼女、水月佐久弥がこの場所に連れられてきたとき、つまりは今から十分ほど前の事である。

逆に言えば今はその会話からもう十分が経過している、とも言える。


今恭一はただじっと目の前に立つ佐久弥を眺めていた。

和佐と凪は少し離れた場所で先ほどと同じような事を繰り返している。本来恭一と佐久弥も同様の事をしているはずなのだが。


「・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・」


恭一はずっと目の前に立つ、言い方を変えれば目の前で硬直している佐久弥をじっと眺めていた。そう、かれこれ十分ばかり。


互いの距離は三間程(約五m)。会話は一切なければ動きも一切ない。


現状の原因としては一応双方に上げられた。


恭一はただ佐久弥の事を睨みつけているだけ。実は先ほどの気分の悪さが手伝って表情が険しくなっているだけなのだが、知る余地もないだろう。これでは相手も遠慮、もとい居心地が悪くて相当神経が図太くなければ何も出来ないに違いない。

佐久弥は恭一からの鋭い視線もあるのだろうが、それ以上に不自然なまでに視線を恭一と自分の足元を繰り返し見ているだけで何もしだそうとはしなかった。そしてそれは怯えと言うよりもむしろ恥じらいにも見えたりする。

向こうは向こうで、和佐と凪は一生懸命なようで二人を見る様子はない。結果、誰として突っ込み役がいないのも不味かった。お陰で一度入った硬直状態が全く解けそうにない。


言ってしまえば時間の無駄。睨めっこにすらなっていない。


一体いつまで、というよりもこのまま行くと凪か和佐のどちらかが気付くまで続くかと思われたこう着状態。奇跡なのか、呆気ないほどに終わりを迎えた。


「何をしている」


何の気紛れだったのか、恭一が声を掛けていた。かと言って佐久弥の視線を彷徨わせる仕草が気になったわけでは決してない。単に、声を掛けただけ。

一方で掛けられた方の佐久弥は仮に端から見ている人がいたならば憐れみを覚えるほどに身を縮こませた。


ゆっくりと、下を向いていた顔が上がる。それはまさに恐る恐るという言葉が当てはまる仕草だったが、所詮相手は恭一。何の感慨も持つに至らずに、上げられた視線と見ていた視線は重なりを持った。


「っ?!?」


一瞬で上がった顔が再び俯く。それに恭一は馬鹿素直に佐久弥の視線を追って足元を見て、確かにそこに何か変わりのない事を認めた。

顔を上げても佐久弥は以前足元を見たまま。


「足を見る理由は何だ」


「足?」


「先ほどから何度も足を見ている。その理由は何だ、と聞いた」


しばらくの間、顔を上げた佐久弥はぽかんと言う擬音に相応しい表情で恭一を見つめ、言葉の意味を解したのか突然大きく首を横に振った。


「いえいえ、いいえ!! ない、ないです。そんな足を見る理由なんて、何もありません!!」


対して恭一の反応はやはりという他ないほどに淡白なものだった。


「そうか」


それだけ。

明らかに恭一の質問が頓痴気なのに大腕を振った佐久弥の方が滑稽に見えてしまう。


一層の縮こまりを見せた佐久弥だが、あくまで恭一に悪気や嫌味は存在しない。単に思った事を口にしただけなのである。


「そ、その・・恭一さん。ごめん、なさい」


「そうか」


何に対しての謝罪だったのか、恭一はただ受け入れるだけ。それ以上でも以下でもない。興味がない事だから。

だがそれでも佐久弥の方は恭一が気にしてない事にほっとしたのか、顔を上げると安堵したような笑みを見せた。


「恭一さん」


「何だ」


「では、始めたいと思います。いいですか?」


先ほどまでと打って変わって、緊張が解けたのかその態度は滑らかなものだった。頷いた恭一に、四間ほど間を詰めてくる。

残り一間ほどで改めて向かい合う。互いが手を伸ばせば労せずに届く、そんな距離。


佐久弥は目を閉じて先ほどの凪同様に手を伸ばしてきた。違うといえば互いの距離。このまま手を伸ばせば相手の身体に触れてしまう。

伸びた手が胸元辺りまで上がってきたとき、


「恭一さん、も手を出してください」


「何故だ」


「え?」


驚いた様子で佐久弥が閉じていた目を開く。中途半端に伸ばされた手はただ所在無く宙を彷徨った。


「あの、凪さんは色を相手に送る、色の感知の修行をしていた・・・ので合っていますよね?」


「そのようだ」


明らかにほっとした表情が佐久弥に浮かぶ。そして宙に浮いていた手をもう一度恭一へと向けて、ただ今度は少し弱気になって、差し出してきた。


「それなら、その、手を貸してもらえませんか?」


「だから何故だ、と聞いた」


「な、何故って。えと、凪さんとは色の感知・・・・つまり互いの感部を重ね合わせる事により色を一方に与えて違和感を引き出す、事をしていたのでは・・・・・もしかして違って、います?」


素直に、恭一は首を縦に振る。大凡の言葉に間違いはなさそうだったが凪とは手を取り合ってなどいない。

すると佐久弥の顔色が一瞬で真っ青に、ではなく真っ赤に染まった。


「ぁ、う・・・・・で、でもそれなら凪さんはどうやって?」


上目遣い気味に向けてくる瞳は何故か今にも泣き出しそうなほどだった。かといって恭一が罪悪感に胸を痛ませたりその姿に胸を高鳴らせたりなど、まずありえない話だが。


恭一の態度はいつもと同じ、ただありのままを伝える。


「ただ手を向けた」


それでようやく、何か納得したように「あぁ」と首を僅かに縦に下ろして佐久弥の顔からは赤みが引いた。

少し困ったような、そんな視線を今度は向けてくる。


「でも恭一さん。わたしはこの方法の方が感じやすいとおばあちゃ・・・師範に教えられました。それにわたし、これ以外した事ないし・・・・・だから、えっと、その」


戸惑いながらだったが言いたい事は恭一にも理解できた。ただもしその言葉を最後まで待つとしたら一体いつまで掛かる事か。


目の前の彼女の様子を、恭一は見た事がある気がした。否、これと似た状況をよく知っていた。

僅かに、本人の自覚さえ無しに恭一の口元が綻ぶ。


手を、差し出した。そうしなければいけない、自分はその言う事を聞きたい気がして。


「ぇ、と・・・その、これ、は?」


目の前に出された手に佐久弥は戸惑いを見せる。


「手を出せと言った。だから出した」


「ぁ・・・・・・はい」


戸惑い交じりだったその瞳が嬉しそうに、花咲くように開く。


胸が悼んだ。


重なり合った手の平に、恭一は自然と瞳を閉じる。


「それではいきます、ね?」


佐久弥の声が聞こえた。恭一はそれに手を僅かに握り返すことで答える。

相手の緊張する感覚が手を握っていただけでもその部位を通して感じられた。


そして。


初めに感じられたのはどこか曖昧な違和感だった。何処が違うと問われても分からないが確かに何処かが違って、ずれている。そんな感じ。

繋がれた手の平からじわりと染み込んでいくように、全身を冒していく。ただそれは先の凪のものとは違い、不快感というほどの抵抗感ではなかった。

緩慢な違和感は各部を冒しつつ、ついに其れに全身を覆われ


「っ!!」


其れは何の前触れもなく訪れた。全身から湧き上がる、発狂しそうなほどの直情。


絶望、虚脱、虚無、危機、切望、焦燥、憎悪、醜悪。


途方もなく取りとめも出来ないもの。

足には重い楔、身体には見えない鎖、手には、湧き立つ赤い花火。


全ては何も変わらない。あの時と同じもの。


「・・・・・ぁ」


感情に遅れるように体が一度どくん、と跳ね上がる。

心音、ではない。息を呑んだ、身体の震えでもない。それは、


ただ感情が、身体を冒す其れはまだ全身を覆っていない事だけは分かっていた。何故なら、まだあれがない。だから、今ならまだ間に合う。


感情よりも、身体よりも、何より千里恭一と言う個人さえ置いて、全てを凌駕するその存在が動いていた。


繋いでいた手が拒絶し弾けるように振り払われる。

とん、とん、とん、と板を蹴る音は酷く他人行儀に思えて。

背中に何かが当たり止る。壁だ、と遅れた認識が続く。


要した時間は凡そ、一秒弱もない。


「きゃ・・・!!」


届く短な悲鳴と同時に恭一は遠く佐久弥から離れて、壁際に背を着いていた。

全身に遅れながら冷や汗が滲み出てくる。


「佐久弥?」


「佐久弥ちゃん?」


二人の声も今は遠くに聞こえた。が、認識だけはようやく現実に追いついてきていた。

先ずは脳だけ。ぼやける視界は座り込んで目を大きく開いた佐久弥の姿を捉えて、耳は自分の荒い息を捕捉する。


それは大海に垂らした水滴が広がっていくように。


各部が己の身体としての機能を思い出してきた。自分を取巻く空気の温度、全身を流れる厭な汗、背中に当たる冷たい壁の感触。


感覚を取り戻した足を一歩踏み出そうとして、身体が滑った。膝に力が入らず床に尻餅をつく。

それでも少し動かすのも辛い両腕で立ち上がろうと試みるが、手は何も握れず腰は踏ん張りがつかない。


何度か繰り返し、無駄だと悟り諦めた。


「恭一、何があったんだ?」


いつの間にか、よってきたらしい和佐の姿がすぐ隣にあった。


こんな事にも気付かなかったのか、と。


もう一度立とうと試みるも結果は同じ。だったが、和佐に肩を捕らえられて何とか立ち上がる事は出来た。


一方で佐久弥の方には凪が向かっていた。同じように座り込んだ佐久弥を助け起こして、それから訝しがるような表情でこちらを見ていた。


向けられる視線に晒されて、和佐には肩を支えられながらも凪たちへと向かって歩いていく。


「おい、恭一。大丈夫か?」


問いに答える余裕は今の恭一にはない。ようやく、僅かながら身体に力が入るようになってきた程度である。

そして凪と佐久弥の傍まで来たところで、和佐の肩から手を離した。まだ少し力が入らずにゆっくりと、その場に座り込む。それに合わせたように他の三人も円を組むようにしてその場へと腰を下ろした。


最初に切り出したのは和佐だった。


「で、凪ちゃん。これは一体どういう事だ?」


だが視線を向けられた凪は困惑の表情のまま口を開く様子はない。

しばらくして痺れを切らしたのか、その視線はその隣の佐久弥へと向かう。


「佐久弥ちゃんは、何か・・・・・佐久弥ちゃん?」


「ぇ、あ、はい。なな、何ですか?」


弾かれたように顔が和佐へと向く。その顔には酷い狼狽が見て取れた。


「佐久弥ちゃんは何か、判っているのか?」


「ぁ、いえ、わたしは・・その」


亡としながら、恭一はその景色を眺め続ける。身体を覆っていた倦怠感は全身を心地良いものへと置き換えられて、先ほどの出来事も頭が透明になっていくのと一緒に綺麗に消えていった。それは薄れる、ではなく消える、である。

先ほどまで自分が何をして何か考えていたのか、それさえも霞に消えていく。


その最中で一つ。


「何だ」


口を開いた恭一に一気に視線が集中した。だがその視線は唯一つ、先ほどからずっと向けられているその視線へと向けられ続けている。自然と他の視線もその相手へと向けられたのは言うまでもない。

向けられた相手、佐久弥は先ほどまでの狼狽とは違い伏し目がちになりながらもじっと恭一を見詰めていた。


「佐久弥、一体どうかした・・」


最後までも言わせずに、佐久弥は首を力なく横へと振った。


「いえ、そんな事。うん、きっとわたしの勘違い・・・だと思う」


その言葉は何かを必死に否定しているようで。


「佐久弥、一体どういう事だ? 千里の事で何か分かるのか?」


「・・・・・・・・・・・・拒絶、された?」


今まで以上に微かな、今にも消えそうなほどの呟き声。含まれるものは否定、の意味合い。だが紡がれた言葉は確固したもの。


凪はその言葉を耳にしたなり瞬時に恭一へと視線を移していた。向けられる視線に自ずと恭一は見返す。


「何だ」


「いや・・・千里、今は何ともないか? 例えば頭痛や身体のどこかが重い、みたいな事は?」


全身を僅かに動かしてみる。

身体を覆っていた倦怠感はもう殆ど感じなくなり、あれほど繋がっていないように感じられた四肢も今はもうなんともないように動かす事が出来た。


「何ともない」


「そうか。なら気分が悪くなったときはどういう風に気分が悪くなったか覚えているか?」


思い出し、僅かに顔を歪める。


「嫌悪だ」


「・・・・・そうか」


何かを考えるように、凪が俯き目を閉じる。


「凪ちゃん、何か分かったのか?」


その声に、凪が瞳を開く。その目の色に恭一は僅かに、危険を感じた。だが退くには至らない。


「ああ、多分な。千里、少し確かめたい事が出来た。付き合ってもらう事になるが・・・いいか?」


凪が立ち上がるのに合わせて恭一も立ち上がる。今度は膝が崩れるような事はなかった。同様にして佐久弥も立ち上がり、ついでに和佐も立った。つまりは全員という事。


「佐久弥、千里の横手で、頼む」


「・・・・はい」


言葉通りに、佐久弥は立った恭一の右側へと回った。

先ほどまでと同様に凪と恭一は向かい合い立ち、やはり同じように凪はその手を恭一へと向けた。ただ互いの距離だけが先ほどまでと違い大きく離れている。


「お、おい凪ちゃん。それは恭一には合わないって言ってた・・」


「いや、これでいい。後、千里。予め言っておくがこれからする事に対してお前に害はない。少なくとも私が危害になる事はありえない・・・・はずだ。それは分かっておいて欲しい」


「どうでもいい。するなら早くしろ」


それが先ほどまでと同じ、自分を犯すものであったとしても、何ら構いはしない。恭一とはそういうものだから。


「分かった。なら、絶対にその場から動くなよ」


釘を刺すような一言。

身体が勝手に後退ろうとしていたものを、無理矢理押さえ込む。そして頷いた。


差し出された掌の中で、何かが高密度に集い縮まっていく。そう恭一は、ただ感だけで感じ取った。


頭の中の警告音は最早最大に近く、自然と下がっていこうとする身体を無理矢理意思だけで除ける。


「上柳」


不意に声が上がった。


「何かな、凪ちゃん?」


「お前も、絶対に動くなよ。先ほども言ったが私が危害を加える事はない。少なくとも私の行為で誰もが傷つきはしない」


「そうか。でもそれってつまりある誰かには傷つく可能性もあるって事だよな?」


「・・・・・」


凪からの応えはない。ただ代わりに、答えはあった。


「大丈夫、です。行き成りわたしたちを信じて、とは言えません。都合がよすぎますから。でも、信じてください。わたしにはそれだけしか言えませんけど、大丈夫ですから」


言葉に従ったのか、和佐は壁へと背をつけてその場で両腕を組んだ。傍観に徹する気にはなったらしい。


そんな会話の中で、凪の掌に集っていた何かは臨界点を突破して現実の、物質へと影響を与えるまでになった。つまり、目視が可能。


其れは綺麗な赤い珠だった。小指の先ほどの大きさの、内で炎が渦巻いているような深紅。


「千里、覚悟はいいな?」


掛けられる言葉には何の感慨もなく。


「来い」


言葉を受け取って凪は掌を向けたまま瞳を閉じた。


「・・・・・いけ」


静かな声と共に、赤珠玉は凪の掌から飛び出して一直線へ恭一へと向かった。

向かってくる其れを目の前にして、今まで以上の警告、危機感が恭一の頭の中を埋め尽くす。それは押さえつける事も叶わずに恭一の身体をただ逃げるように動かして、


「!!」


右手。そして右足、左足、左腕と身体。何かに縛られるように身体は回避の動きを拒んだ。

自分を取巻いていたものに今更ながらに遅れて気がついて、恭一が向けた先に居たのは佐久弥。


「悪いが、保険も掛けて置いた。動かれると困るからな」


向かってくる珠の速度は酷く遅い。それでも其れは刻一刻と恭一へとにじり寄って来くる。そして恭一は結局避ける事も叶わずに、その珠を食らった。

珠は特に衝撃もなしに恭一の身体へと触れて、その体内へと滲入を開始した。








七宝殿~居間で興っている事?~


3ⅹ3=9「オットセイ懐柔時の傷」




萌:今回の題名だけど、一体如何言う意味なのかな?


鼎:……


萌:ねえ、鼎くん?


鼎:何でまた姉さんがあの狂人の相手なんかを…ぶつぶつ


萌:ねえ、還って来てよ、鼎く~ん?


鼎:……ちゃんと聞こえてるよ


萌:よかった、で、今回の題の意味は何なのかな?


鼎:僕が知ってる訳ないだろ、知りたいなら作者にでも教えてもらえばいいだろ?


萌:それもそうだね、それじゃ、それは後で聞くとして横に置くとして、と


鼎:……拘っていた割にあっさりと流すんだね、どうせ自分に都合が悪いから…


萌:で、鼎くん?


鼎:………なんだよ?


萌:何が、何が「悪いが保険をかけておいた」なのっ!!


鼎:何って…見ての通りじゃないか、凪さんが予め言ったのに結局避けようとしてたし…


萌:お兄ちゃんが危険って思った事は絶対なんだから!! ああ、お兄ちゃん、大丈夫かな


鼎:………また始まったよ、この人のブラコン


萌:うぅ…第一、鼎くん!!!!


鼎:何、怒鳴らなくても聞えるから……って今回の内容読んだら大体想像つくけどさ


萌:君のお姉さん、どさくさに紛れてお兄ちゃんと手を繋いだりして~~むうぅぅ~~~


鼎:むっ、そんなの僕の知った事じゃないよ、第一姉さんの事まで面倒見切れないさ


萌:ちがうっっっ!!!! 鼎くんが、もっと佐久弥さんを繋いで置けばいいのっ!!!


鼎:はぁ? 繋ぐってどういう…


萌:それに、何か得体の知れないものまでお兄ちゃんの体の中に流し込むし…


鼎:って、聞いてないね、全く、まあ、それほど期待しちゃいないよ、初めから


萌:本編のわたし!! こんな一大事に一体何しているの!? お兄ちゃんのぴんちだよっ


鼎:えっと資料によれば……舞って人と一緒に家で夕食作っているってさ


萌:あ、うん、お兄ちゃんにおいしいもの食べてほしいもん、隠し味はもちろん…


鼎:あ、愛情なんてベタな解説はいらないから


萌:………むぅ


鼎:やっぱりそれを言うつもりだったんだ


萌:い、いいもん、別に言わなくったって……その、熱情♡だって入っているんだもん!!


鼎:熱情………うわぁ、熱そ


萌:うん、やる気出てきたぞ~、お兄ちゃん待っててね、美味しいご飯作ってあげるから♡♡


鼎:………僕はもう無視だね、だから嫌なんだよ、この人と一緒にやるのは


萌:さぁ、次は三十四話で会おうね、皆~、と終わった所で、急いでご飯作らないと…



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