一話「あの日に出会った」
一度間違えて消してしまいました。申し訳ない。
「はぁはぁ、はっ・・・」
息を切らして少女が一人、強く前を見据える。
少女がいるのは人気のない夜の公園。そこは明らかに異常な空間だった。人気がない事が異常なのではない。それ自体はさして重要でなく人が寄ってこない事はあくまでおまけに過ぎない。
ほんの僅かな命さえも息を潜めて自らを隠し通そうとする事で出来上がる静寂。それが場の異常の真実。
此処は狩場だった。
強者が弱者を嬲り殺す為だけに存在する空間。
聞こえるのは押し殺した複数の湿った嘲笑と少女の荒れた息遣い、後は時折鳴る鈍い打撃音くらいのもの。
強者は数に者を言わせた数十人の男達。弱者はたった一人の少女。
恐らく学校帰りであろう少女は学生服に身を包み、胸ほどまである長い髪を今はただ乱していた。全身から上がる汗と乱れた呼吸。
少女の手にあるのは自身の身長と同じ長さがあろうかというほどの一本の棒。それを振るう事が少女にとっての許される命をかけた抵抗だった。
「はぁはぁ・・ふっ」
整わない呼吸の合間に割り込んでくる男の手。一度でも捕まれば結果は明らか。だが伸びてきた手は少女に触れる事無く空を掴んだ。
半歩下がって、無防備に寄ってきてくれた的の眉間に向かって手にした棒を一点。
恐らく自分は少女を捕まえて当然と思っていたのだろう。手を伸ばしてきた男は驚く事もなく、浮かべていた下衆な笑みのままその場に崩れ落ちた。
だがそれでは終わらない。後ろから、否、残り三方から少女を捕まえようと手が伸びる。
少女はたった今作った突破網を駆ける。
追ってきた男一名には手にした棒を顎に叩きつけて昏倒させる。
駆けて、男達から少しばかり距離をとって一息。ほんの僅かな休息に荒れ狂う心臓を宥める。
男達はまた二名の脱落者を出したからか無理に追っては来なかった。だがそれも当然の事。この狩場でいかにして少女一人が逃げおおせると言うのか。
獲物に逃げ道はない、時間はいくらでもある、此処はそういう狩場なのだから。なら苦しみ絶望する様をより引き出す方が大いに悦楽。事実、少女の表情は既にその八割方に絶望の色を見せていた。
単純な力関係で言えば間違いなく少女が上。それは今のやり取りでも見て取れる。だがそれでも、数の暴力の前にたった一人の少女は無力だった。
既に二十分以上、休みなしの動きっぱなしである。いくら呼吸を整えたところでそうすぐに体力が戻るわけでもない。精々で数動作、元のように動けるだけだろう。
このままで行けば少女に待っているのは確実な、狩られるものとしての末路。だというのに少女の瞳はまだ芯まで絶望の色に染まってはいなかった。
「・・・ふぅ」
最後に大きく息を吐き完全に息を整える。それを待っていたかのように男達が再び少女へと群がっていく。此処までは先ほどからずっと続けられてきた同じ光景だった、少女が顔を上げて男達を見るまでは。
口を一文字に結んだ少女は手にした棒を少しだけ強く握り締め、初めて自分から打って出ていた。
捕らえに掛かったはずの男達が踏鞴を踏む。
一拍の踏み込み。
怯えさえ覗かせていた男達の、その先陣へ衝きを一発。抵抗もせず崩れ落ちる。
先ずは一人目。
手にした棒に更に力を込める。この間、一秒弱。
我に返るが群がっていた所為で身動きの取れない男たちに、少女は一直線に突き進んだ。目指すは男達の中心。自らの技が一番効力を発するであろう場所。
動く前に、気付かれる前にそこへたどり着く事が少女にとっての唯一の必須条件。
立ちはだかる邪魔者は急所を的確に一突き。横から伸びてくる手は薙いで振り払う。いつの間にか淡い光を纏った棒はそれだけで相手を数間吹き飛ばし抵抗を無くす。
ここに来てようやく少女の目的に気が付いた男達が、今度こそ眼の色を変えて少女へと群がっていった。
ここまででほんの五秒にも満たない。
周囲を見るまでもなくこれ以上の突進は無理と悟った少女は向かってくる誰よりも速く淡い光を纏った棒を振り上げた。
後は振り下ろすだけ。それだけで終了。うまくいけば全て終わるがそうでなくとも大半の危機を無力化できるはずだった。地面に叩きつける事さえ出来れば。
「そこまでだ、嬢ちゃん」
少女の振り下ろしかけた手が止まる。否、止めざるを得ない。
真後ろからかかってきた声の主には確かにそれだけの事が出来た。少女の首筋に当てられた手は今や、いつでもその少女の命を摘み取れると言っても過言ではない。
ひやりと流れる汗。だが遅かった。それは少女が一人で勝つためには決定的な綻び。
「先ずはその物騒なものをやめてくれねえか。じゃねえといつ俺の手が滑っちまうか分かんねえよ」
まるで本気で言っていない事は誰が聞いても明白だっただろう。恐慌になりかけている少女の精神ですらも自らの後ろにいる男の言葉が冗談なのが分かった。
少女は固まったまま動かない、動けない。
手にしていた棒から漏れ出していた淡い光が次第に夜の闇に溶け込んでいく。
「ぁ・・・」
声が出た。だがそれは決して少女の望んだものではない。近づいてきた他の男が手にしていた唯一の抵抗を奪ったが為の、今度こその絶望の証だった。
少女の手から離れた棒は纏っていた残りの淡い光を一瞬で失い、ただの棒切れに成り下がる。
「くくっ、これで・・・」
「きゃ・・!」
力ずくに冷たい地面に押し倒された少女にこれから起こるであろう事を思ってか最高の絶望が覆う。血の気が引けるのが自身でも分かる程に。
周りにはいつの間にか殆ど景色が見えないほどに男達が集まっている。
仰向けにされた少女の四肢は今やそれぞれが別の男に押さえ込まれ少女の力では微々たりとも動かない。そして目の前には、恐らく立場上頂点であろう一人の男。
出来得る最後の抵抗、とばかりに少女の瞳は強い意思の光を持って正面の男を睨みつける。
「くくっ、獲物は生きがよくないと・・・なっ」
それも男を愉しませただけ。
男の手が少女の制服にかかる。
「っ!」
息を呑む暇も与えられず、音を立ててまるで紙切れのように少女の制服は下につけていた下着諸共無残に胸元から裂けた。
闇夜に晒される白いほどの双胸。
「ゃ・・!!!」
さすがにこれ以上は耐え切れなかったのか少女の顔が大きく逸らされる。そこで、彼女は初めてその存在に気が付いて大きく目を見開いた。
「へへっ、そんな驚いて。まさか助けでもいたって」
それ以上は言葉が続かない。上に乗っていた男は少女と同じ方向を見て、殆ど同じ表情で固まった。
誰が初めに見つけたか、と言う問いはこの場合関係ないだろう。間違いなく他の男達は一斉にそれに気が付いた。
狩場で弱者が強者に気が付くのは当然の事。それも間に合わないときほど滑稽なものはない。まさに今がその時。
男達全員、少女も含めての共通意識がそこにはあった。
――どうして今までこの場の異常以上の怪異に気付けなかったのか、と。
視線の先にいたのはまだ少年と呼んでもいいだろう男がたった一人。ただそれだけなら少女の時と同様に、圧倒的多である男達が今怯えているのはおかしい。だが何か、決定的に掛け違っていた。
それは異状。
少年の全身から立ち上がる殺気。少年から出ているのはただそれだけだ。が、本当にそれだけだった。殺気以外は何一つ感じない、純粋な殺気。間違いなく相手を殺すためだけに存在する、まさに殺人機械のそれ。
ただの一目でその場の全員が理解する。
勝てる相手――否、正気の生物に出来る相手ではない。如何足掻いても生きるもの、それもただの人間の雄如き、之の前では単なる獲物に成り下がる。誰一人として例外は認めない。
「・・・・誰だ、てめぇ?」
さすが肝が据わっていると一応、褒めておこう。
最初に声を出せたのは少女に圧し掛かっていた男。答えなど初めからないと判っていながら男は声に出さずにはいられなかった。
目の前のそれが言葉を発するなど在ってはならないこと。それはこの場にいる全員の共通の意識だった、ただ一人を除いては。
「ミズキ・・・」
一瞬誰もが耳を疑った。目の前の少年が声を出すなどと言う余りにも非現実的な事実。だから、男の呆けた声は仕方が無かったはずである。
「はあ?」
瞬間、少年からは殺気すらも消えてしまった。
最初の生贄になったのは憐れにも少年の一番近くにいた丸刈りの男。地面に膝をつく事無く仰向けに倒れた。彼は恐らく何が起きたのかさえも分からなかっただろう。
二人、三人と同じように倒れて、漸く男たちはそれが少年の仕業だと気付けた。
「なっ、てめぇ・・!!」
一瞬にして呑まれていた場の雰囲気が変わって緊張に包まれる。
だが剣呑な雰囲気も全く無視して、少年はたった今倒れこんだ男の傍にしゃがみこむとそれこそ無造作に面を上げさせた。
「ミズキと言う男を知っているか」
既に気を失っている男に対してそれがどれほどの意味がある事か。
答えがないと分かると少年は掴んでいた頭を離す。その時には既に男の事は眼に入っていない。
辺り一面を見渡して、殺気だった連中に自分が囲まれていると言う事実を目の辺りにしても少年は眉一つ動かす事はなかった。
ただ淡々と、
「次だ」
果たしてそれが挑発と呼べるものだったのかどうか。
少年の出した第三声と同時に囲っていた男達は一斉に渦の中の獲物へと向かっていった。
「・・・・うそ」
最早組み伏せられてもいないのに動けないでいた少女の口から漏れた言葉はその現実を見せ付けられたもの共通の意志だったろう。乱闘に参加していなかった頭と思われる主導格の男一人と自らの身を起こそうとする事も気づかない少女。今ばかりはどちらも立場を忘れて気持ちは同じだといわんばかりに微々も動かない。
二人の目の前で繰り広げられる光景、乱闘とは名ばかりのそれは実に整然としたものだった。
鬼気此処に見たり、と言えばよいだろうか。たった一人の少年が数十人の男達相手に立ち回り、否、ただの的にしている風景など実に在り得ない。
向かってくる相手は例外なく、反撃一発で撃沈。男達がどれだけ躊躇おうと一斉に襲おうと、ただそれの繰り返し。少年はその場を一歩動いてすらいない。まさしく的相手。
男たちは恐怖しない。否、恐怖する暇すら与えてもらえないと言った方が正しいだろう。
結局、少年が男達の駆除に要した時間は男達が少年に向かって行った時間と同じだった。
倒れたまま動かない男達、唖然以外言えない光景を背に少年が男達を踏み台に初めて前に出る。異様としか表しようのないその姿にはある種の感動すら催しかねない。
「ありえ、ねぇ・・・こんな糞」
無感動なまでの恐ろしさに少女は見惚れながらも自らの上でギリッと歯が鳴る音を聞いた。
だが誰が何を言おうがこれが現実。
男達の山を乗り越えて少年が二人の前に姿を現す。無論、傷一つどころか息切れすらない。
「ぇ・・?」
「ま、待てクソガキ!!」
少年が街灯の元に姿を現した瞬間、少女の身体が上から引っ張られるようにして浮いた。そのまま首に回される手。誰のものかは言うに及ばず。
当然、少年が呼びかけに応えて止まることなど在り得ない。それは初めから判り切っていた事。だがそんな簡単な事も分からないほどに男は混乱していたようで。少年は地面を蹴って一直線に二人へと向かって、
「くそっ・・」
その時に男が取った行動は少女にしてみれば実に幸運なものだった。
「ぁ・・」
後ろから押された、と思う間もなく少女の眼前に広がったのは少年の姿。
互いに瞳が捉え合う、がそれも一瞬。
「邪魔だ」
耳に入ってきた音の羅列が何を意味したのか、という事は少女には分からなかった。ただ許されたのは少年が発したにしては内容が受け入れがたい現実であったらしいという事実だけ。
「っ・・・」
咄嗟に手を付いて少女が地面に倒れこむのと後ろで何かが倒れた音がしたのとはほぼ同時。一体何が倒れたのかは後ろを向いている少女にも見るまでもない事だった。
後ろからは足音が聞こえてくる。そして残ったのは自分一人。身を起こしながらそこまで思考して、勝手に肩が震えていた。
「ぇ?」
だがそれは思い違い。
少女が慌てて後ろを振り向くと遠ざかっていく少年の後姿。足を立てようとして、腰が抜けているらしくまるで足に力が入らなかった。
遠ざかっていく少年に少女は成す事もなく、
「あ、あの・・・!」
振り返る少年。その瞳は未だ以って感情の読めないそれに変わりない。それこそ目の前にいるはずの少女の事を道端の石ころとすら思っているかどうか怪しい。
「っ・・」
「何だ・・」
そんな瞳に射竦められて何か話せという方がどうかしている。それだけならまだしも少女は大よそ話すのが得意とは言い難かった。むしろ初対面相手ではろくに話せない、といってもいいほどの人見知りだったりする。
「あ、あの・・・たす・・助けてもら・・ってありがとう」
だというのに必死になって紡いだ言葉。
返ってくる反応もなく少女は恐る恐る少年の顔を見上げようとして、表情を強張らせた。
少年に映っていたのは相変わらず何も考えていないだろうか判らない表情。見詰められただけで全身の血が引くほどに温度のない、冷たいとすら感じさせない視線だった。
「それだけか」
「え?」
「言いたい事はそれだけか、と言った」
言われた事が頭に入るのに数秒。それを理解するのにまた数秒。その間少年が待っているはずもなく、少女から遠ざかっていこうとする。
「ま、待ってくださいっ!!」
物言わず振り返る少年。その姿は言われた通りに立ち止まっただけ、と整った容姿も相まって人形にさえ見えた。
「ぁ、その・・・せめてお名前・・を・・・その・・・」
何かを踏む音が周囲に響く。少女がその音が少年の近づいてくる足音だと気が付いたのはもう目の前に少年が迫っていた時。
未だ立ち上がれない少女は見上げるのが必然となる。
「ぁ・・えっと・・・・その・・・・?」
変わらず少年の瞳の中に見られるものはない。その瞳に見竦められたためか少女の身体が強張る。
「恭一」
「・・・ぇ?」
「恭一だ」
唐突に繰り返されたその言葉に少女の目が驚きに開かれる。
二・三度の瞬きの後、少女はようやく少年の言葉の意味を悟った。自分から言った事ながらまさかこの目の前の相手に自分が出した問いの答えが返ってくるなど微塵にも思っていなかったのだ。
「ぁ・・・恭、一・・さん・・・?」
「そうだと言った」
肯定する少年の瞳の中にはやはり何の色もない。
まるで互いに見詰め合っているように思えること数瞬。否、それは明らかに少女だけの勘違いに過ぎない。少年の瞳は少女を向いているだけで決して見てなどいない。
「ミズキ・・・」
沈黙を破り再び少年の口から漏れたのはやはり何の脈絡もない言葉。
「ミズキを知っているか・・・」
一体何を言われたのか一瞬分からない。数秒、呆けたように少年を見上げた後、少女はわけも判らずに首を横に振っていた。
「いいえ」
遅れて少年の言葉に本当に心当たりがなかった事を思い出して安堵する少女。
少女が答えた事に対して少年はそれで一切の興味をなくしたらしくもはや気に入れる事無くそのまま少女に背中を向けた。
「ぁ、あの・・!」
自分がまだ何も言っていない事に気付いた少女が慌てて呼び止めたが、しかし三度目はなかった。
だが唐突に何かを思い出したかのように少年が引き返してくる。
「ぇ?」
少女がその行動の意味を理解するなど不可能な事。いや、気まぐれといわれる好意に理解を求める方がどうかしている。
少年はやはり何も言わずに羽織っていた上着を脱いで少女へと放り投げる。
「雨の日に傘を差さない奴は馬鹿だ」
それだけ言うと少年は再び少女に背を向けて歩き出した。
少女は思わず空を見上げたが当然雨など降っていない。戸惑う少女に、闇夜に紛れすぐに少年の姿は見えなくなった。
一人その場に残される形となった少女はただ呆然と少年の消えていった先を見ていることしか出来なかった。何より、まだ恐怖に腰が抜けていてしばらくは立てそうにもなかった。
狩場の跡となった場所にまだ人影はない。多量の男たちがそう簡単に気が付くがない事も判っている。後しばらく、誰も訪れることはないだろう。
少女にとってはそれが幸い。少女を助けに来たらしい、あの少年とは別の少年が慌てて現れたのは結局それから十数分後。そしてそのとき少女は少年から放られた上着を手に抱いていたとはいえ自らの服が破れた事を指摘されるまで失念していたのだから。
狩りはいつの間にか終わっていた。
七宝殿〜居間で興っている事?〜
一羽「あの妃に出遭った」
また何か長い話になっちゃったなあ(しみじみ)
萌 そうだけど。その割にわたし、名前も出てこない…
めげない、めげない
舞 主人公の私が名前すら出てこないなんて頭悪いのよ、このへぼ作者は
オイ、そこまで言うこと無いだろう。第一お前呼んでないし、何で此処に居るんだよ?
舞 私に不可能なんて無いの、人ってね、頑張れば何だって出来るのよ
言葉が爽やかなくせに実際の行動と言ったら…はんっ
舞 実に含みのありそうな態度ね、どういうつもりよ?
別にぃ、それに貴様は楽園に呼んでもない…そもそも主人公でもないし……
萌 あのー、舞ちゃん、作者さん?
舞 何、萌ちゃん? あっ、後このへぼに"さん"は不要よ、私を主人公にしないなんて
いい加減な事いうな。泣かすぞ、テメエ
萌 あ、あのね、話ずれてきてるよ、これ
舞 あら、そういえばそうね。このへぼの所為で、気付かなかったわ。流石、萌ちゃん
舞、てめぇ創造者をおいて話をすんじゃねぇー!
萌 でも確かに、本当の主人公のお兄ちゃんも全然出てないよね、舞ちゃん?(笑顔)
舞 (汗)…そっ、そうね、萌ちゃん。それに少女の名前も出てきてないわね。へぼ作者?
萌 誰か、も気になるけど…一体どうしてなの、作者さん?
うう、舞の奴へぼへぼって……もういいや。これは今回だけだ、きっと、多分、おそらく。次回からはバリバリに恭一が主人公でやってもらいますよ、うん
萌 答になってないよ。それに勝手に自己完結に入ってるし…この人怖い、舞ちゃん
舞 よしよし、萌ちゃん。私がついてるから大丈夫よ
憑いてる、の間違いだろ。それに何か萌、本編入る前に此処で性格壊れそ――
バキッ、グキッ、ボキッ、メリッ、ブシュー
舞 萌ちゃんを愚弄すると私が許さないわよ
ぐっ、作者に対して容赦のない奴め。(…ここはさっさと用件話して逃げるか)
では一話の話です。恭一が偶然居合わせて女の子を助ける、それだけだな、以上終わり、後は締めとけお前ら、では、さいなら
舞 早っ、ちょっと待ちなさい、まだ話は…
………
舞 …ちっ、逃がしたか…でも今度あった時は、ふふふ
萌 はぁ…舞ちゃん、舞ちゃん、早く締めなくっちゃ、もう時間無いよぅ
舞 …あら、それもそうね、危うくあのへぼのお陰で忘れる所でした。では…萌ちゃん
萌 うん♪ せーの……
萌&舞 また二話で会いましょう