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七宝伝〜今起こったこと〜  作者: nyao
一章 ~始まり~
2/51

序章


申し訳ない。間違えて一度、消してしまいました。

内容は依然と同じです。





酷い土砂降りだった。


その少女は、雨に打たれながらもただ呆然と立っていた。歳の頃は5・6歳ほど。


雨の勢いにも負けずに(あお)る炎。少女はただ目の前の燃え上がった家を見上げていた。いや、見ているのかどうかは分からない。その瞳に感情の色は微塵もない。(にご)ってもいなければ()んでもいなかったのだから。

もしかすると少女は何も見ていないのかもしれない。


少女が立つ場所はさほど広くない(みち)であり、周囲は既に多数の野次馬たちと数台の消防車、救急車だけで埋め尽くされていた。だが、相当うるさいはずの雑音も少女には微塵も意味はない。

否、何一つとして届いていない。


彼女の代わりに泣くように振り続ける雨の音が響き渡るのみ。


突然、周囲がざわついた。


どうやら燃えていた家の中から生存者を確保したらしい。だが生存者を確保したというのに消防士の表情に喜々はなく、心なしか青ざめてさえいた。

彼の腕の中には一人の少年がいた。全身赤く染まり、何かに怯える様に震えながらも細かに口を動かして言を吐いているようだった。


それは、少女がとてもよく知った顔。

()を見た瞬間、微かだが少女の瞳に色が灯った。悲しむような、懐かしむような、そして憎むような。


景色が少女の瞳に映る。

だが焼けていく家を見上げているなか少女の耳に届いたのは後方から響く、ただ一つの足音だけだった。

周りの騒音を全て無視して、一つの足音だけが何故かはっきりと耳に届く。それに不思議はない。むしろそれが当然であるかのように、少女は受け入れた。

ただ、その音が届いたとき少女の瞳に(かす)かばかりの変化が現れた。


憎しみ。


その瞳は深い、とても深い憎しみ一色。

ほんの一瞬、だが次の瞬間にはまた総ての感情の色は少女から消え失せていた。一点、先ほどまでと違うのは少女は確かに既に外界を向いている(・・・・・・・・)という事。


足音が少女の真後ろで止まる。足元には街灯を背に彼女を追い越した影が一つ、重なって見えていた。

少女は返らない。燃える家を見上げながら気付いていない、何も解らないという様な無垢で、だからこの上なく残酷な無表情で。


「燃えているな」


後ろから突然ともいえる、届いたのは低い、男の声。

感情を殺したような平坦な声は主が何を思っているのか判断が難しい。


「哀しいか」


「――」


「悔しいか」


二言目、少女はやはり何も言わず、(ようや)く後ろを振り返った。立っていたのは一人の男。見た限りでは恐らく老人といってもいい歳の、だが全身に存在感と力強さを感じさせる男だった。


その男は真上からしっかりとその少女の瞳を見据え、口を開いた。


「いい目だ」


少女は答えない。


「判っている筈だ」


なにを?


「お前には力が必要だ」


なぜ?


「仇をとる為の力だ」


だれの?


「来い」


どこに?


少女の答えはない。ただ無表情、無感情のまま、男の方角に視線を向けていただけ。それでも男は何も言わずに振り返り、未だ燃えている家に背を向ける。もう用事は済んだとばかりに。


少女はもう一度(ひとたび)、燃えた家をその瞳に映した。そうして続いて、()を連れ去った白い色の車を目で追う。


視界から救急車が消える。


そして、少女は男の後へと付いて行った。


男はただの一度も振り返らない。まるで少女の動作がさも当然のように。

だから少女は見ていない、背を向けた男の口元に僅かだが満足げな笑みが浮かんでいた事を。






「――」


男の背を眺めながら。

少女の口元にほんの微かにあるものが浮かぶ。(あざけ)る様な、気にも入らない様、ほんの幽かな冷笑。

それに少女に背を向けていた男は気付いていたのかいなかったのか。


男は何も語らず、少女も何も語らない。ただ雨の音、そして周りの雑音だけが辺りには響いていた。







七宝殿〜居間で興っている事?〜


どーしよう?


あとがきの雑談コーナーです。ここは作者である私と主人公の妹である萌さんとで送っていこうと思います。よろしくお願いします


萌 いえいえ、こちらこそ


では早速この話の内容を…


萌 ……


序章の割に長いな


萌 そうですか?


意味もわからんしな


萌 そっ、それは序章のお約束って事で…


まとまってないしな


萌 そっ、そんなことは…


無いと?


萌 えっと〜、あの…


素直な反応ありがとう、萌君。ううぅ、どうせわたしゃへぼですよ(いじいじ)


萌 (この人の相手するのって結構疲れるかも…)


あぁ、もう止めちゃおうかな…(いじいじ)


萌 まあまあ、そういわずに、まだ序章しか書いてないんですよ


むう、そうだった…けどなぁ(いじいじ)


萌 これからうまくなっていけば良いじゃないですか!


ふむ、それもそうか。うん、そうだな


萌 (立ち直るの早いなぁ、この人)


なんか言ったか?


萌 いえっ、何も


そうか、なら良いんだが…


萌 あっ、もう時間ですよ。終わらなくっちゃ


お、もうそんな時間か。結局何も話してないが…いいか。では終わっといてくれ、さらば


萌 って……えー、早いよ!


………


萌 …って、もういなくなってるよぅ、うぅ、こんな作者、嫌…かも


萌 ………はっ!


萌 とっ、とりあえず気をとりなおして…


………


萌 では、一話で会いましょう!


萌 …はふぅ(会えるといいけど…)




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