八話「糸無き操り人形」
「・・・・・」
放課後、と言うよりも今日は一日中、恭一は感情の抜け落ちた様な表情でただ窓から外を眺めていた。いや、正確には様な、など曖昧なものではなく誰が見てもその通りであるだろう。
あの夜から数日、何も変化はない。ただ以前と同じように惰性の日常を過ごしているだけ。 設問すべき相手の渫槁凪に対しても恭一は何もせずにただ無関心だった。本人である凪が訝しがるほどに。
此処最近感じていなかった喪失感。
原因は分かっている。あの少女が最後に見せたあの瞳。あれが酷く似通っている所為だ。
誰に?
彼女に。
彼女とは?
それは、
「何の用だ」
思考を止め振り返る。
「お前なぁ、んな顔してるなよ。元は良いんだからもう少し景気よくしたらちゃんとモテるぞ、俺みたいに」
そこにいた相手、和佐が呆れたように肩を落としてため息を一つ零した。
僅かに声を落として恭一は繰り返す。
「何の用だ、と言った」
「お前の様子見に来たんだが・・・・・・やっぱりというか、なぁ」
「だから何だ」
「酷い顔だ。もうちょっと気、抜けよ」
「触るな」
両頬に向けて伸びてきた手を払い除けて恭一は席を立った。これがいる以上この場所にいる意味はなくなった、と言う事だ。
困ったように笑みを作りながら払われた両手を行く当てなく彷徨わせて、また一度和佐が肩を落とした。
「ま、俺の言いたい事はそれだけだよ。どうせ他は言っても無駄だろうしな」
机の横に下げてある鞄を手にとってそのまま教室を出る。和佐はもう何も言わずに後を付いてきた。
下駄箱で靴を履き替えて、ある顔を昇降口に見止めた。
何気なく気配を殺しながらその後についていく。
校門を出てしばらく路を歩いたが相手が気付いた様子はない。恭一もただ普通に足を進める。
「おい、恭一。置いてくなよ」
その声に相手が足を止めて振り返った。恭一も足を止める。
視線が交差した。
相手は尾行されていた事に気付いたのか明らかに警戒した鋭い視線。
「って、あれ。凪ちゃんも今帰りなのか?」
追いついてきた和佐の呑気な声。凪は一度和佐を見て、すぐに恭一へと視線を戻した。
そこで初めて和佐も二人の様子に気付いたのか戸惑いを見せ始める。
「私に何か用事か?」
「いや」
自分が何をしていたかを自問する事もなく、恭一は足を進めなおした。通り過ぎる間際凪の身体が緊張に強張ったが恭一は然して気に入れる事もなく、ただ通り過ぎた。
再び追いついてきた和佐が隣に並ぶ。
「あ〜・・・恭一よ、俺もしかして余計な事したか?」
一度だけ視線を向ける。
その目に責める色はない。と言うよりも何の色も無かった。
「そっか、ならいいわ」
和佐は納得したように頷いて、それ以上何も言わずに黙った。
家に帰れば妹が夕食の準備をしている頃だろう。
それは恭一にとって変わらない惰性、そんな一日のはずだった。
◆ ◇ ◇ ◇ ◇
少女は一人、夕暮れの中歩いていた。
この街で一番緑が多いのは、と聞かれたら住人なら誰でも風戸公園――ただし知名度は悲しいまでに低い――と答えるだろう。
確かに街唯一の公園である此処は都会にも珍しく緑が多い。だがその分、影になる場所も広い。つまり日が暮れると人が寄り付かなくなる場所でもあった。
何故この路を選んだか、と聞かれれば少女は「何気なく」と答えていただろう。だがつい最近も酷い目にあっている、しかも夕暮れ時に何気なくこの路を選ぶなど普通はありえない。例え家までの近道であるとしても、だ。
少女の考えは公園の一角、其処に一歩踏み込んだ瞬間に一変した。
何気なく、ではなく蜜に誘われた、と言う勘違いに気付いたがまるで操られているように少女の足は意志に逆らって先へと進んでしまう。
この一角だけが明らかに他と異なると感じられる。
誰もが無意識にでも避けるため生物の気配がまるでしない。この空気を少女は知っていた。
「よお、久しぶりだな」
身体が震える。
男性特有の低い声、少女に聞き覚えはない。少なくとも相手は知らない人間だ。
だが確かに少女は知っていた。
だから立ち止まる事を拒絶する、聞こえていないとする。
「ま、久しぶり・・・・・・・つっても忘れるほどに経っちゃいねぇよな」
少女は立ち止まり振り向いた。いや、この場合は振り向かされた、が正しいか。
公園のベンチに堂々と座っていた一人の男。金髪ピアスに貴金属ジャラジャラだ。
やはり見覚えはない。勿論古い知り合いでもない。
ただ知っていた。明らかに否定したい事実が在るものの、確かに少女は彼を知らず、けれど其れを知っていた。
身体は自然と応戦体勢へと移る。その上で少女は己を偽り、静かに意味のない質問をした。
「どちら様ですか?」
「とぼけるか、それとも本気で俺の事が分からない?」
実に嬉しそうに男は笑う。
嘗め回すような視線を感じるがそれを認めない、認めてはいけない。
「貴方と会うのは初めてだと思いますが・・・・人違いではありませんか?」
「俺としてはどちらでも構わねぇが・・・・・・んなわけねぇよな」
無駄な問答に痺れを切らしたのか男が立ち上がる。
もう認めないわけにはいかなかった。これ以上偽ると命が危うい。
周囲に目を奔らせるが残念な事に少女が武器に出来るような棒状の物はなかった。不運な事にいつも持ち歩いているはずの携帯用も今は家にある。
「足りねぇよ」
目前に迫った男の姿。手を伸ばせばもう届いてしまう。
「・・・・・・・ぁ」
動くに動けなかった。動いた瞬間に殺される、そんな確信さえある。
男の眼に映っているのは憎しみだけ。以前あった喜びや恐怖、そんなものが一切消えていた。
「お前も、何度殺っても殺り足りねえな」
その瞬間、少女の本能が動く事を命じた。
瞬時に光を纏った少女の掌底が男の腹部へと吸い込まれる。そして眩いばかりの光が辺りを満たし、その全てが吸い込まれるように男へと流れ込んでいった。
たった数瞬の出来事。
「う、嘘・・・」
少女の口から絶望とも取れる声が漏れる。その顔はかなり青ざめてもいた。
対して男は笑みを浮かべる。腹部に収まった少女の手首を握り捕り、愉快でならないとばかりに笑い声を上げた。
「全然、効かねぇな。おい、今何したんだ?」
掴まれた腕一本で少女の身体は軽々と宙に浮いた。
身を捻って逃れようとした少女の首を男の五指が捉えてそのまま地面に押し倒される。
「くくっ、随分とご立派な、無駄な抵抗だな」
「ゃ・・・・あぐ!!」
上に被さって息が掛かるほどに近づいた男の顔に少女が顔を背ける、が、頬をぶたれて無理矢理正面を向かされる。
「俺から目、逸らすんじゃねえよ。ちゃんと絶望しようぜ、なぁ?」
首を絞め付ける握力は弱まる事はない。なじるように刻一刻と、非常に緩慢な速度で絞まっていく。
「ぁ・・・く、ん・・・・・はぁ・・・・・ぁ」
「くくっ、イイ声で啼いてるじゃねえか。だがよ」
ふっ、と一瞬絞め付ける力が弱まって、
「っ、はあぁぁぁぁ、は、は、は、ぁ・・・・っ、っ!!」
強まった。今度は生半可な力ではない。少しでも力の掛かる方向がずれれば首の骨が折れてもおかしくはない程である。
ろくに呼吸も出来はしない。
「で、あのくそ王子様はいつおいでなさるんだ?」
男の眼は血走っている。絞付け過ぎで少女が喋れない事にも気づいていないだろう。
既に息も絶え絶えに、少女の視界に映る男の姿が次第に霞んでいく。
言われた王子様とは誰かという事も熱に浮かされたような頭では考える事も出来ない。
「っと、いけねぇ。すぐに殺しちゃ詰まんねえからな・・・」
絞まる力が急になくなったが、遅い。圧倒的に足りない酸素に意識は遠のく。
「おい、生きて・・・ちっ、気絶しやがったか」
目前に映し出された狂気を見出す男の瞳。それを眺めながら意識が完全に途切れる間際。
数日前にこの公園で出会った少年。何も映さないような瞳。
何故だかそれを思い出した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「る〜るる〜、ん〜ふふん〜〜〜♪」
奥の台所からは機嫌の良さそうな鼻歌が届く。それを恭一は椅子の上に座りながら聞いていた。
おいしそうな匂いも少しずつ漂ってきている。夕食ももうじき出来上がるだろう。
最近気が抜けている事が多いらしく、和佐に言われるまでもなく萌が心配しているらしい事は分かっていた。
だからといって如何する、如何する事が出来る、などと言う訳では決してない。
和佐の邪魔が入ったあの時、考え掛けていた事を思い出す。
あの瞳、あれは――妹のものに似ていたのだ。それも十年近く前のもの。
だがろくに当時の事を憶えてもいないのにどうしてそう言い切れるのか、ふと感じた疑問。
「お兄ちゃん、お待たせ〜、だよ。待っちゃった?」
盆の上に湯気のたった碗と容器を二つ筒乗せて萌が奥から出てきた。
恭一が両目を開いて萌を見ると、丁度向かいの椅子に座って碗をそれぞれの前に置こうとしているところ。
「・・・・・ど、どうかしたの?」
声をかけられて初めてじっと見つめていた事に気付く。
ほんのりと顔が赤い気がするのだがもしかすると風邪か何かだろうか、と思い中腰で萌に手を伸ばそうとして身を引かれた。
「な、何かな、お兄ちゃん?」
「熱は・・」
「ないと思うけど・・・?」
不思議そうに首を傾げる。嘘を言っている様子はない。
椅子に座りなおして、恭一はまた目を瞑ると大人しく夕食が並び終わるのを待つ事にした。
「お兄ちゃん?」
それほど時間は経たずに声が掛かる。
恭一は閉じていた瞳を開けて目の前の箸を取ると、いつも通りに手を合わせた。
「頂きます」
平穏な空気の中、いつも通りの夕食が始まる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
頬の辺りに痛みを伴い少女の意識は表層に浮上した。
身体を起こそうとして動かない、指一つ動かせなくなっている事に気がつく。続いて何か黒い靄のようなものが身体全体を覆っているのを感じた。
恐らくはこれが動きを封じている原因。
「お目覚めか、お姫様?」
馴染みのない男の声。
その声に少女は頬の痛みと、意識を失う直前の事を思い出した。そしてこんな男の前で無防備にも気を失った事に対して遅れながらに気が遠くなる。
と、もう一度気を失いかけた意識を必死に現実に戻して。
身体は殴られた頬以外痛いところはない。目線で確認した程度だが衣服の乱れも見られず、取り敢えず気絶している間に何かをされた様子はない。その事実に少女はそっと安堵した。
「全然、足りねえんだよ」
低い、獣の唸るような声に意識が再び現実に戻る。
例え今までそうでなくともこれからそうなる可能性は大いにあるのだ。それも意識がある今の方が恐らくは辛い。
身を捻り、渾身の力を込めてみるがやはりピクリとも動かせない。身体が動かせないと言う現実は変えようがなかった。
声を出そうとして、それさえ叶わない。
「何度殺しても、何度犯しても全く足りねぇよ。なぁ、何で気絶なんかした? その間俺がどれだけ苦しくて、どれだけ愉しかったか。くくっ・・・」
ぞっとする。
暗い、押し殺した笑い声。この男は間違いなく狂っている。それも最悪な方向に、だ。
「いいねぇ、俺はそんな表情が見たいんだよ」
果たして今自分はどんな表情をしているのか?
少女は不安に思考を巡らせたが、どちらにせよ酷い表情である事だけは確かだった。
こんな表情、見せられない。
「?」
少女はたった今の自分の思考に疑問を投げ掛けようとし、寸前まで伸びてきた手に我に返った。
男の手のおぞましい感触に耐える為に目を強く閉じて、
「・・・・・?」
いつまでもそれがこない事に恐る恐る目を開けた。
目の前の男は激しく不快そうに、それ以上の狂喜によって歪んでいた。
「つくづく気に入らねぇな」
その視線を公園の一角へと向けて、だがすぐに喜びだけが抜け落ちた。
「お前に気に入られる必要はない」
聞こえたのは女性の声で、まだ霞んで見えるその影も女性のもの。
「鼎が帰りが遅いと騒いでいたのは正解、と言うわけか」
近づいてきて相手の姿がはっきりと見て取れるようになる。
「何の用だ?」
明らかに怒気を含んだ男の声。
その女性、凪は一度だけ男へ視線を向けたがすぐさま少女へと移し、男のことなどまるでいないかのように口を開いた。
「余り弟を心配させるものじゃない」
身体を動かせないので応える事も出来ず、少女は自分が情けないような申し訳ないような気持ちになって、
「てめぇ・・・俺の質問に答えねぇか!!」
怒り狂ったその叫びに凪の視線が横に移った。
男の様子を極めて無表情に、淡々とした様子で見る。それを少女は無機物を見るときの視線だと感じた。
「彼女を探しに来た。そして連れ帰る、ついでに」
軽い金属音。
腰に差してあった短剣が抜き放たれる。
「お前を狩ろう」
宣言し、凪は男へと歩み寄るが一歩だけで前進は止められた。
「如何した、来いよ。俺を狩るんだろ?」
手を少女の首に当て、怒りだけで男は顔を笑みに歪ませる。
凪は進めない。もし進むのならそれは少女の命を諦める事に他ならない。あの男の手刀は易々と少女の頚動脈を絶ち切るだろう。それだけの事を出来る力が男にはある。
「如何した、早く来ないとこの女が死ぬぜ?」
男の手が食い込んで少女の首筋から赤い雫が僅かに垂れる。
近づけば殺す。止まっていれば殺す。男はそう言っている。恐らく離れても殺すだろう。
「くっ」
迷いを見せたその刹那。
男が凪に向かって手を振り下ろした。それに伴って地面を割って何かが迫ってくる。
凪は咄嗟に避けようと、
「動くな」
男と少女の姿を見ては止めざるを得ない。
無情に、何か、が凪を通り過ぎていった。
鮮血が舞う。
「ぐぅ・・・」
膝を折るようにして凪の姿が崩れ落ちた。地面に座り込んで押さえつけられた太股からは手と服を伝わって、全く止め処無く血が滲み出ていく。
遅れて背後の木が鮮やかに斜めに切れ落ちて、その音が公園内に響き渡った。
片膝を着き表情を歪ませた凪を見てか、僅かだがようやく男に喜びが戻る。
「小気味良い様だなぁ、おい。誰が誰を狩るだって? もう一度言ってみろよ」
今一度振った男の手が今度は逆の太股を抉っていく。
「あくぅ・・・」
両腿から血を流した所為で体勢が取れずか、凪が前のめりに倒れこんだ。それでも腕だけで上半身を起こし、男を気強く睨みつけて見せた。
だがこれでもう動けない。
「ああ、丁度いい。どうせもう一人の小僧が来るまでの暇つぶしだ。その前にこの女を殺っても仕方ねえし、変わりに手前で遊んでやるか」
少女から手を離し、愉快そうに湿った笑いを殺しながら男は上機嫌で凪へと寄った。
「貴様、私を甘く見ると痛い目を見る事になるぞ」
強がりか、そんな言葉を吐いた凪に男は愉快そうに笑った。そして倒れこんだ凪のすぐ傍で、それでも短剣の間合一歩手前、屈み込んで態々視線の高さを合わせて見せる。
「やれるならやってみろよ。一体どんな痛い目なんだぁ?」
明らかに嘲りに入り混じった言葉。
それに凪は口元を緩め、
「こう言った目だ」
剣大の長さになっていた紅蓮の短剣を背後から出し、男のにやけていた面へと突立てた。
「があああああああああああ」
突き出した焔の剣が男の眼を捉えて焼き払う。
一歩下がって剣が目から抜けて、男は眼の在った場所を抑えながら痛みに狂うように地面を転げ回り出した。
そんな様子を後目に、凪はゆっくりと自らの両足で地面に立ち――その時もう両腿の出血は止まっていた――何度かよろけながらも少女が寝かされていたベンチへと歩み寄った。
「無事か?」
微塵も応えない少女。
身体が動かないのだから応えられるはずが無い。
だがその視線の先を追って、少女の真上、凪はそこに在った黒い靄のようなもの――凪には見えなかったが――を紅蓮となった剣を振るって焼き絶った。
「凪さん、足を見せてっ!!」
「お、おい・・・」
動けるようになったなり、少女は凪に詰め寄って制止も聞かずに太股の傷に手を当てた。
その瞬間凪の表情が痛みに歪むが少女は気に入れていない。
太股に当てた手の平がほんのりと光を放って、
「・・・うん、もう片方も」
手が退いた時には傷口が綺麗さっぱりなくなっていた。代わりなのか、少女の額にはかなりの量の汗が滲み出ている。
両腿ともそうして傷を治して大きな息を一つ。やっと少女が凪から離れる。そして今ようやく気付いたように申し訳なさそうな顔を上げた。
「凪さん、あのわたし・・・」
その先を遮るように凪は少女に背を向けた。
「言は後で取ろう。今は、」
男はもう転げまわるのを止めて立ち上がっていた。その全身からは男の怒りに応えるように黒い靄のようなものが立ち上っている。
「あれを片付けるのが先決、ね?」
腰に差していたもう一つのもの、少女の携帯用の棍を僅かな視線と共に後ろに投げ寄越す。
「はい」
少女は額の汗を拭うとそれを手に取って。
二人は男に向けて構えを取った。
「さあ、望みどおり貴様を狩ってやろう」
今度は挑戦的に、凪は男に向かって言い放った。
七宝殿〜居間で興っている事?〜
チワワ「伊藤さんの居ない妖人形」
萌 何か……
和佐 あぁ
萌 お兄ちゃんって主役だよね
和佐 ああ
萌 殆ど出てないよ〜
和佐 …まっ、たまにはこんな事があってもしょうがないんじゃないの
舞 そうよ、(続けば)長い(はずだ)からこんな時もあるわよ
萌 そうはいってもやっぱり悔しいよ〜
舞 お〜、よしよし、萌ちゃんは良い子、好い子
和佐 本音出てるぞ、舞
萌&舞 え?
舞 こほん、まあそれはそれとして本題に入りましょうか
萌 本音って何、舞ちゃん?
和佐 そ…
舞 黙れ、和
和&萌 (びくっ)……
舞 さあ本題に入りましょう
和&萌 ……はい
……仕切り直り……
萌 今回の話だけど殆どが『少女』で彩られているね
舞 そうね、別にわざわざ『少女』にしなくても名前出せばいいのにね
和佐 そこはそこ、作者の都合だろうさ、ね、萌ちゃん
萌 うん……えっと、確か今回も預かったものがあるよ、ちょっとまってね〜
ガサゴソ ガサゴソ
萌 うんとね、『名前九割がた必要なのに出せないのは辛い』だって
舞 馬鹿ね、それならさっさと出しちゃえばいいのに
和佐 確かにその通りだな
萌 これは…わたしも舞ちゃんに賛成だよ
舞 あら? 何か紙が…(空中に漂って来た紙を取る)
和佐 なんて書いてあるんだ? …フムフム『速報:作者復活の兆しあ……
チンッ………チン
萌 今何か鍔鳴(つば な )りみたいな音が……って、あれ? 舞ちゃん、手に持ってた紙どうしたの?
舞 ちょっと御免なさい、急用ができたからもうこれで戻るわ
萌 うん…って、あれ? 和ちゃんもいない。え? もう終わり、そんな聞いてないよぅ…
和佐 さて、変に区切ったところでサヨウナラ〜、また九話でな〜