アイコン三国志 人物名鑑 21(一一三~一一六)
ここでは一一三~一一六のアイコン三国志の登場人物を紹介しています。
張休、朱拠らを讒言や文書偽造で陥れ、命を奪った陰謀家。
孫権に臨終の床で後事を託されるが、またも諸葛恪の暗殺を企み、返り討ちにあって殺された。
筆者曰く――
ゲス。それ以上の言葉は一切必要ないだろう。
孫権の娘。夫の朱拠を讒言で殺され、自身も姉の孫魯班に謀叛の濡れ衣を着せられて命を落とした。
筆者曰く――
アイコンからもにじみ出る薄幸さ。幼い頃から姉の孫魯班にいじられいじめられ、不幸に次ぐ不幸に見舞われ命まで奪われてしまう三国一の不幸女。日本史の登場人物なら間違いなく怨霊になっているに違いない。
孫権の七男。兄たちが次々と脱落していき、わずか10歳の彼に帝位が転がり込んだ。
長じると自ら国政を執ろうと立ち上がり、専権を振るう孫綝を暗殺しようとしたが、返り討ちにあい廃位させられた。
筆者曰く――
極絵師3人目のショタ。600人以上描いてて3人目って。ちなみにロリは2人である。これでも仮にも21世紀のラノベなのだろうか。
孫さながらに遅く生まれた子なので孫権には死ぬほど甘やかされており、精神年齢はさらに幼い。
こんな彼が呉後期の腹黒オッサンどもに蹂躙されるなんてもはやR指定である。
孫権の死後に国を牛耳った諸葛恪を誅殺し、自分が独裁者に成り代わった野心家。
陰謀で成り上がっただけに自分を狙う陰謀を察知することに長け、ことごとく返り討ちにした。
しかし最期は急病を得てあっけなく没した。諸葛恪の怨霊に夢で殴られたともされる。
筆者曰く――
「柴錬三国志」では諸葛恪を誅殺するまではやたらとかっこよく描かれたが、数年経つと自分が独裁者になっていた。知らないで書いてたろ柴錬。
本作ではハナから野心家で、孫亮の姉の孫魯班と密通し、国を牛耳ろうとするのは史実通り。
性格的には孫家の血を引くべらんめえ口調でもいい気がするが、孫家のべらんめえは善玉にしか受け継がれないので、悪玉の彼ははじめは普通の口調である。
しかし国主としての責任感が芽生えた時、同時にべらんめえも目覚めることとなる。
軍歌をがなりながら敵に突撃を掛けたと伝わる戦うシンガー。
最期は部下を逃がして単身で魏軍と戦い討ち死にした。
筆者曰く――
その他にも負傷して伸びなくなった足を一か八か引っ張って治したり、部下を逃がすため「逃げなければ殺す」と刀を突きつけ脅したとか、楽しい逸話が数多いのに全く注目されなかった、呉ならでのイロモノ武将。
本作では軍歌ですら無いが日常でも歌い続けるという安易なキャラ付けをした。なお「♪俺も賛成だ」と「♪原田泰造です」は同じリズムであり、最後に長々と歌っているのは「男はつらいよ」である。
もともと魏に仕えていたが反乱の首謀者として担がれ、討伐軍に敗れて呉に亡命した。
その後、諸葛誕が魏に対して反乱すると援軍として差し向けられるも、孤立して魏軍に降伏。
帰参を許されて魏に出戻ったという三国志中でも異例の足跡をたどった。
筆者曰く――
魏と呉の2つの心を持つキカイダー。蜀と呉の2つの心を持つ潘濬で見た気がするが、こちらは典型的な小物武将。
同じく魏→呉→魏と出戻った文鴦という先例がなければあっさり殺されていたはず。
本作では呉のべらんめえな荒くれどもに振り回されている間の方が目立つだろう。
魏の将で諸葛亮とは遠縁。主に呉方面の指揮を担当したが、親しい者が次々と謀叛のかどで殺されていき、疑心暗鬼に駆られた末に自身も反乱した。
呉の援軍を得て必死に抵抗したが、やはり疑心暗鬼から援軍の文欽を殺してしまい、内部崩壊を起こし鎮圧された。
しかし部下は誰ひとりとして見放すことなく諸葛誕と運命をともにしたという。
筆者曰く――
部下思いの中間管理職。だが腹黒司馬昭、鬼毌丘倹、チンピラ文欽、一徹楽綝、殺人孫綝ら上司と同僚に恵まれず、自爆する予定。
初登場シーンでも早速司馬昭にいびられ、毌丘倹に振り回され、司馬師に左遷させられる。
出てくるたびにこんな目に見舞われることだろう。
素行不良で知られたが処罰されそうになるたびに偉い人の一言で難を逃れ、ますます増長した。
毌丘倹とともに反乱するも連携不足であっさり鎮圧され呉に亡命。
後に諸葛誕も反乱すると呉から援軍として派遣されるも、もともと不仲で、疑心暗鬼も起こしていた諸葛誕の逆鱗に触れ殺された。
筆者曰く――
強化型申儀というか出世した申儀というか。
それなりに腕は立つが基本的にチンピラでありDQN。暴れることと私欲を満たすことしか頭にない。
剛力無双な毌丘倹とは馬が合ったが、脳筋タッグのためあっさり反乱を鎮圧され、最期は胃痛に苦しむ諸葛誕に殺されるところまで、容易に想像できるではないか。
魏の将。司馬懿に見出され平民から魏後期を代表する名将へと上り、主に呉との戦いで活躍した。
筆者曰く――
平民上がりのため礼節がよくわからず、誰に対してもタメ口を使うが、常識があるため問題行動は起こさない。
文欽のような名家の出のチンピラには地位が下にもかかわらず軽く見られているが、彼に対してすら気配りを見せる好漢である。
きっと本作のネガティブ司馬懿を陰ながら支えるうちに色々と鍛えられたのだろうし、司馬懿はちょっと使ってみたらすげえ便利だった州泰にどっぷり依存したことだろう。
魏の重臣。統治能力に優れ各地の刺史を歴任したが、一方であまり有能さを感じさせない逸話も多々残る。
司馬懿一族が台頭すると、令狐愚とともに謀叛を企てたが、直前に露見して捕らわれ、護送中に自害した。
筆者曰く――
アイコンが出来た時には出番がだいたい終わっていたため、夏侯覇の回想シーンにのみ登場。
なんかいやらしい口調は顔からの連想である。
魏の臣。元の名前は令狐浚だったが、曹丕に罵られたのを機に愚に改名した。
司馬一族が台頭すると王凌とともに謀叛を企んだが、決行前に病死。謀叛が露見すると墓を暴かれた。
筆者曰く――
誰にも通じないだろうが、豚か何かが重々しい口調で人間に命の尊さか何かを訴え、横から牛か何かが「忘れるなかれ」みたいなことを繰り返すコピペが元ネタである。
ずっと探しているがそのコピペが全然見つからない。
諸葛亮の子。凡庸な人物だが父の七光から民衆に期待され、政治で何か良いことがあると彼のおかげと噂された。実際には蜀を傾けた黄皓と昵懇で、悪政こそ布かなかったが権勢を振るった。蜀の滅亡時には鄧艾と戦い討ち死にし、いちおうの面目は保った。
筆者曰く――
諸葛亮と黄月英の子を名乗る謎の男。劉禅はもちろん堅物の尹黙も爆笑させたありえないカップリングで、正体不明だが劉禅は面白がって登用。その素性は別に大したことないので期待する必要はない。
丁奉の弟。兄とともに後期の呉でそれなりに活躍した。
筆者曰く――
丁奉より弱く丁奉よりガラの悪い弟。史実での潘璋の正統後継者(兵も引き継いでいる)のチンピラ丁奉のイメージに近いかも知れない。丁奉のおまけとして扱っており特に活躍はしないだろう。
魏の将。病身を押して出撃した張嶷を討ち取ったが、主将を失ってなお意気盛んな張嶷の部下によって即座に仇を取られた。
筆者曰く――
演義では大斧使いとして登場し、同姓の徐晃と何か血縁がありそうだが特に言及されなかった。
本作では血縁はないが同姓の徐晃に憧れていると設定。しかし中身は粗暴な猪武者だったため、張嶷を討ち取るどころか返り討ちにあい最期の花道を飾られた。
戴陵や魏平ら自称三下たちにも死を惜しまれていないあたり、その実力が窺い知れるというものである。
文欽の次男。父とともに毌丘倹の反乱に加わるが敗走。しかし殿軍を務めた文鴦は追撃する司馬師に肉薄するほどの奮闘を見せ、驚いた司馬師は患っていた目玉が飛び出し死に至った。
呉に亡命するも、反乱した諸葛誕の援軍に赴いたところ、父を殺されてしまい魏に出戻った。
魏・晋でも活躍したが政争に巻き込まれ謀殺された。
筆者曰く――
傲慢で横暴な父を反面教師にした結果(?)正義感あふれる、常識をわきまえた青年に育った。
だがあまりに非常識な父を手本としたため、きわめて常識的な当り前のことしか口にしない。
また親譲りの話の聞かなさでしばしば勝手な行動を取るが、圧倒的な武勇でだいたい結果オーライに変えてしまう。
趙雲にもなぞらえられ民衆からの人気も高く、趙雲ばりのチート能力者である。
孫峻の従弟。急逝した孫峻に代わり呉の実権を握った。
権力に物を言わせて気ままに独裁を振るい、皇帝の孫亮も廃位に追いやった。
しかし代わりに立てた孫休に隙をつかれて誅殺された。
筆者曰く――
本作何人目かのヒャッハー。実力的には胡軫や蘇顒ら他のヒャッハーと大差なく、こんなのに実権を握られたら国力が傾くのは当然である。
他に候補がなくこんなのを跡継ぎに指名せざるを得なかった孫峻の無念はいかばかりであろうか。
呉の将。諸葛誕の援軍に赴いた際、敵中に孤立するが降伏勧告を無視して突撃を仕掛け、壮絶な戦死を遂げた。
「柴錬三国志」では不死身のごとく斬られても立ち上がる勇姿が描かれ印象深い。
筆者曰く――
筆者の発注ミスにより呉将なのに青くなってしまったため、魏軍の甲冑を奪った設定を追加した。
史実通りに登場させるだけで取れ高十分である。
孫綝の側近だったが、彼が孫休の廃位を企んでいることを密告し、誅殺に協力した。
筆者曰く――
登場を早め滕胤に左遷を伝える使者に抜擢。孫綝への反逆につながる伏線とした。
朱然の一族と思われるが、火付けキャラは顔を出すだろうか。
賈逵の子。司馬氏の軍師として数々の献策をし、帝位簒奪と晋建国、そして三国統一に大きな貢献をした。
統一後には娘の賈南風が皇后として権力を握り、一族は隆盛を極めることとなる。
一方で彼自身は極度の戦嫌いで、呉を滅亡寸前にまで追いやった時にも一人撤退を支持し、司馬炎にたしなめられるほどだったという。
筆者曰く――
本作では一般人に溶け込むほどのステルス能力を持つ、きわめて地味な父の血を引くとは思えない濃いアイコンである。
だがやはり血は争えず、父のように左右ならぬ東西に振り向くキャラに設定。また司馬氏の軍師として活躍するのは史実通りだが、戦は苦手で戦闘が始まるといち早く察知していつの間にか姿を消している。
単なるヘタレな気もするが、帷幕の中での働きで真価を発揮する彼が、不測の事態を恐れて戦場から離れるのは当然の計算でもある。
魏の将。文武両道に優れ、常に武功も治績も上げ続けた。
毌丘倹・文欽や諸葛誕の反乱では討伐軍を率い、的確な状況判断で大勝に導いた。
筆者曰く――
度を越した正義感を持つ完璧超人にして正義超人。ジャスティスマンの化身なのだろうか。
圧倒的な主人公補正により何をやっても成功してしまう、ガンパレード・マーチにおけるNPCの速水厚志のようなチートっぷりであり、もし趙雲や呂布と戦っても互角であろう。
なかば狂気のように性善説を盲信しているが、一方で民衆を救うためには正義ならざる司馬氏にも進んで協力する、清濁併せ呑むあたりも主人公、あるいは英雄キャラである。
きっと彼も北斗&南斗にどこかで会ってチート能力を授けられたのであろう。
魏の臣。曹髦が司馬昭を討つべく挙兵した時、誰も皇帝である彼に立ち向かえない中、責任を問わないからと賈充に背中を押され、曹髦を殺した。
その後、当然のように皇帝殺害の罪状を着せられ、無実を訴えながら誅殺された。
筆者曰く――
三国屈指の気の毒な男。司馬氏の側近として早めに登場したが、彼の最期はお察しの通りである。