コトノハジマリ
アレグセント国、アレグセント城内───。王の広間にて。
ヴァリシュ「・・・脆い。アレグセントとはこれほど脆い国であったか。」
燃え盛る城の中で、敵国カルザカの王ヴァリシュは残念そうに呟く。
セレス「くっ・・・。」
ヴァリシュ「では貴様の美しい妹君を貰っていこう。」
セレス「頼む・・・!それだけはやめてくれ!!」
ヴァリシュは聞く耳を全く持たなかった。俺を蔑むだけ・・・。
ヴァリシュ「勝者の言うことは何でも聞くものであるぞ。そして敵国の当主には幕を閉じてもらうのもまた当然の事。」
兵士「ヴァリシュ様。アレグセントのイリーナ姫を発見いたしました!!」
セレス「そんな・・・待ってくれ!妹だけは・・・!妹だけは・・・!頼む!」
俺はここで終わるのか・・・。国も守れず妹も助けられず。
何も達せられずここで・・・。
???「生きたいか?」
声が聞こえる。頭の中で・・・。
???「生きたいか?」
生きたい。まだ死ぬわけにはいかない。妹を・・・助けたい!
???「承知した。セレス・アレグセント」
ヴァリシュ「敗者には何も残されぬのだ。負けを認めるがいい。ではさらばだセレス・アレグセント。ここに眠るが良い。」
ザシュッ!
・・・
・・・
・・・
こうしてアレグセント国滅亡の歴史が刻まれた。