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一世紀に亘る、長い長い恋物語。

 「ふぎゃぁー  ふぎゃあーーー」




 ――産まれたての私の小さな声は、  とても広い この世界に谺する。




 だけど、この世界に命を芽吹いたのは私だけではない。 隣には、貴方も居る。




 なぜなら、 私達の世界では、対で産まれてくるのが当然の事だから。






 だから、これからの人生で貴方を愛すことは、既に決まっていること。




 ――だって、貴方以外の人に恋をしたところで、この世界では認められない。 




 だから、これからの人生で、私が貴方を愛すことは 既に決まっているの。



















































 さて、私は高校を卒業しました。




 ――えっ? 「産まれたのは、少し前ジャンw」って?



 気にしない、気にしない。


 私が幼稚園だった頃から話を始めると、大変なことになるよ?



 数千文字とかじゃ済まないくらい多くなるよ?  数万は行っちゃうよ?



 読むの、面倒でしょ? 面倒でしょっ??   だから、私は高校生になりました。











 さて、これ以上 ここで話を引っ張っても意味がないから、とっとと進めちゃうとすると、



 私は現在、高校三年生である。   そうだな、分かりやすく年齢で言うと、18歳。






 そんな私の隣には今も、貴方が居る。  ずっと一緒。  100歳の時までずっと。



 ――『死んでも一緒がいいな?』  そう思ってるのは、私だけなのかな?



 ――『来世でも、そのまた先でも、一緒がいい!』 そう思うのは、私だけなのかな?




 そんな想いばかりが駆け巡る頭の中。  私は、勉強は出来ないけど、貴方を愛せる。




 ――誰よりも貴方の事を理解し、誰よりも貴方の事を愛している自信が私にはある。








 だけど、貴方にとって 私という人間はどういう存在なのかな?



 ――結婚まで 残り2年という月日が、私にはとても長く感じるよ。


















































 さて、20歳になりました。




 ――えっ!?  「さっき高校生になったばっかジャン?」って??



 気にしない、気にしない。  いちいち気にしてたら、時間が足りないよ。











 ってなわけで、話を進めちゃうと、 今日は成人式であり、同時に私達の誕生日である。




 ――ちなみに、  この世界では、双子が誕生日を迎えた日が成人式なのである。



 ――だから、言うなれば 毎日が誰かの成人式ってことになるね、 どうも♪♪






 まぁ、そんな事はどうでもいいか。   とにかく、今日 私達は結婚をした。





 そう・・・。 貴方も私を好いてくれていたのである・・・。



 ――私は今まで、貴方から直接 聞いたことがなかったけれど、貴方は今日 言った。



 「俺もお前が好きなんだよ・・・」 「だから、結婚しよう?」  って―――――。
















 だけど、本当は、 私の心の中は 不安でいっぱいだった。


 他の双子達は、結婚する前から付き合ってたりもするから。




 だから、『私は独身になっちゃうのかも』って不安だった。


 それ以上に、貴方との楽しい関係も、『20歳で終わっちゃうのか?』って不安だった。






 だけど、貴方は言ってくれた。  「これからも一緒に生きよう」って言ってくれた。






 私には、それだけで十分なんだ。   だから、残りの80年間も一緒に居ようね?
















































 さて、私は80歳のシワクチャなおばあちゃんになりました。



 シワだらけ。  白髪まみれ。  もう、冗談もまともにカマセないや(笑)






 だけど、私のシワの数は、私達が愛し合った数。


 そして、私の白髪の数は、私達が互いに笑い合った数。




 だから、こんな格好になっても幸せを感じられる。  隣には貴方が居るから。











 死ぬまで一緒に居ようって誓ったもんね。 今更、離れ離れとか考えられないもんね♪








 子供もずっと前に自立したことだし、 孫も産まれたし、 私達には不自由とかないよ。






 だから、残り20年だけになってしまったけれど、  必ず 絶対 一緒に死のうね?



















































 さて、残り数分で私は100歳です。 ってことは、私はもうすぐ死んでしまいます。



 だけど、私は死ぬ寸前も笑顔でいれる。 それは、私の隣に貴方が居てくれるから。





 ――きっと、来世でも、 そのまた先でも、  一緒に居れるって信じてるから。




 だから、私は貴方の手を握りながら、安心して笑顔で次の世界に行くことが出来る。














 今の私達の近くには、私が産んだ貴方との子供や、そのまた子供やそのまた子供。



 要するに、ひ孫までが私達の死に際に駆けつけてくれて、見守ってくれている。








 これ以上、幸せなことが他にあるだろうか?



 一番好きな人と生きて死に、  その最期を看取ってくれる人がいる。






 これ以上、幸せなことが他にあるのだろうか?



 もしあったとしても、私には分からない。 私は、この人生を通して幸せだったから。































 ――ありがとう。  最期まで私の隣に居てくれて。




 ――嬉しかった。  20歳の誕生日に、「結婚しよう」って言ってくれて。




 ――楽しかった。  死ぬまでの100年間、 ずっと貴方と過ごすことが出来て。





 ――それじゃ、またね?   絶対、来世でも私を見つけてね?   絶対にだよ??






 ――それじゃあ、約束したからね??  先に、どっちが探し当てるか勝負だよ??








 ――サヨナラ、  隣に居れて、私は幸せだったよ? 貴方は・・・どう・・だっ・・・




















































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