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神様は結構適当らしい。  作者: 月森 薫
第1章 神様の日々の始まり
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第9話 交叉する刃と

戦闘第2話目。今度はサクト戦!

「次は俺様だ!」


 と、ルクエに変わって堂々あたしの前に出てきたのは、いつのまに手にしたのだろうか大きな大剣たいけんを持ったサクト。

「ん、いいよー。どーせ、ぶっ倒すだけだし」

 それぞれ大剣と月閃を構える。

 大剣・・・・・・か。一撃一撃の破壊力は高いだろうな、たぶん。これでも力の強いほうとはいえ、まともにぶつかりあったら押し負けるかー。

あーあ、ほんっと厄介なもん来ちゃったなー、コレ。ラスボス控えてっからここで刃毀はこぼれなんてしたら洒落にならんし・・・・・・。

 落胆、というより「参ったなぁ」という感情交じりの分析を終えたところで、「ダンッ」と噴射のチカラもあわせて駆け出すと、一瞬後にイヤな手ごたえがあたしの手に帰って来た。

「ッつ・・・・・・」

 びりびりとあたしの手が震える。思わず跳躍して距離をとる。サクトが追ってこなかったのが幸いだった。

顔を顰めつつちらり、と月閃を見やり・・・・・・あたしは「げっ」と呻いた。


 今まで一度も刃毀れなんてしなかった月閃が、ものの見事に刃毀れしていた。


「・・・・・・硬すぎでしょ、その大剣」

 うぅ、と渋い顔をしつつ、あたしはサクトの大剣をくいと顎で示す。

「へへっ。そりゃ、ウチの宝剣だからな。重量と硬質さには折り紙つきだ」

「やっぱり一番苦手な相性かも、これ・・・・・・」

 はぁ、と溜息をつくと、渋々刀を構える。

 なるだけ刃を合わせて刃毀れしないようにして、リーチの隙を狙い、身体に直接ダメージを叩き込むか。

うん、それしかない、と苦渋の決断をしたところで、サクトが大剣を構えて言い放った。

「俺様の刃の重さはそれ即ち決意の重さだ! そう簡単に受け止められるとは、思うなよっ!!」

 こちらに向かって駈けて来た―――メチャクチャ重い大剣持ってるくせに、そのスピードは並大抵のものじゃなかった――――サクトを、鍔の根元をあわせるようにしていなす。そしてたたらを踏んでガラ空きになった背中に峰打ちを叩き込む、がサクトは振り返る勢いを使って更に大剣を振ってきた。一度宙へ逃れ、サクトの頭上で月閃奔流ゲッセンホンリュウを放ち目くらましにする。

「(一気にキメさせてもらう――――ッッ!!)」

 少し離れた所に着地し、素早くサクトへ向かって空振りの斬撃――――とみせかけて月閃奔流を何本も放つ。

何度も空を切る月閃、軌道からは光が。その全ての光はサクトにぶつかったが、サクトはその大剣を盾にして防いだ。

「ッつつっ」

 ザざざザざザザっッ

「・・・・・・ッ、!!」

 サクトがこちらを見たときには、あたしは既に移動していた。

「・・・・・・勝負あり。あたしの勝ちだよ」

サクトの頬横に刃毀れした刀の切っ先をつきつけたあたしは、不敵に笑んで、そう言った。

 しばらく呆然としていたサクトだったが、次に口を開くときは、ふっと笑って、

「・・・・・・俺様の負けだ、琉藍」


 サクト戦、勝利。


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