プロローグ<いつかの日常に戻れるなら>
俺の名前は、柊 蒼空。しがない32歳のサラリーマンだ。会社と家との往復で1日が終わるような生活だが、休日には1歳の子供と遊んでいる(正しくは、遊ばれている・・・)。
残業で帰りは遅くなるけど、朝日は起きてるかなー。楓には、負担を掛けることにもなるし、なるべく早く帰れるように頑張ろう。
「よし!休憩終わり、一気に片付けよう」
そう意気込んだものの、終わったのは22時を回っていた。
「やっぱり週末は、遅くなっちゃうな、もう朝日は寝てるだろうなー。非常に残念だ・・。明日の朝、戯れよう!」
急ぐ必要もないため、安全運転で自宅へ帰宅する。
ドアノブに鍵を入れ、いつものように鍵を開けようとするも
「あれ?鍵が空いてる?・・・・ただいまー」
朝日を起こさないように小声で帰宅したことをアピールする。
『くそ、帰って来やがった!逃げるぞ!!』
突然、部屋から声が聞こえ、急いで家に入る。
そして、目の前の光景に愕然とした。
「な、なんで・・・。どうして・・・。」
腹から血を流している妻、うつ伏せで動いていない子供・・・・覆面姿の4人。
『おい!ちゃんと調べたって言ったじゃないか!旦那が帰ってきたぞ!!』
『まぁまぁ帰ってちゃったもんは仕方がないでしょ〜』
『・・・』
『2人が3人になっても対して変わらんよ』
「楓・・・朝日・・・返事をしてくれ!!!」
『もう殺った後なのに、あんまり可哀想なこと言ってやるなよ〜必死すぎワロタピーポー』
楓の周りには、人の身体にはこんなにも血液があったのかと思うくらい血が溢れている。
「誰だよ、なんだよ、何が目的だ!!なんでこんなこと・・・・・・・・・。絶対に許さない。全員殺してやる。」
『何言ってんの?お父さんはココで死んじゃうんだよ〜』
覆面の1人の男がそう言い、手に持っていたパールのようなものを振りかざす。
『じゃ〜ねぇ〜ば〜いば〜い』
「死んでも殺してやるからな!!」
そう呟いた途端、激しい光に包まれ目の前が真っ白になり意識が無くなった。
「えっ僕は・・・ここは俺の家の部屋だけど・・・ここは・・・?・・・・おえええぇぇっ」
意識が戻った時には、柊 蒼空はアルト・ヴァリークとして記憶を持って目覚めた。
柊 蒼空として過ごした32年分の記憶とアルト・ヴァリークとしての10年間の記憶。
頭の処理が追いつかず吐き気を催すが、そんなことはどうでも良い。
「あれからどうなった、?」
記憶が途切れる瞬間を思い出すが、殺される瞬間が思い出せない。
強い光が目の前にやってきて・・・でも・・・。
「あの4人を必ず見つけ出す。何があっても、どこにいても」
これは、10歳になったアルト・ヴァリークが復讐を果たすための物語
いつもありがとうございます。