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LIGHTNING EDGE-神々に挑む剣 -  作者: 金属パーツ
18/45

二話 シーン3「初っ端から君たちさぁ・・」

はいまず言い訳。

とあるキャラの名前を間違えていました。今、ちょっとずつ訂正中。

なんか唐突に見たことない新キャラ出たーと混乱させてしまったのなら謝罪しますー

ごめんなさい〈てへぺろっ

ポンポンポン

ギルド長室で、ルーが送られてきた書類の山に判を押していく。

ポンポンポン

終わらない。

ポンポンポン

何時までもその山が消えてなくなる様子がない。

ポンポンポン ポンポンポン ポンポンポン


とてつもなく積み上がった書類の山。その向こう側に座す人物をすっぽりと隠してしまえる山の裏側では、まさに大変なことが起きていた。


無言で何時終わるとも知れない作業に追われるルーの隣りで、秘書のエルザは判を押し終えた後の書類に不備がないか、最終チェックを行っている。


判の濃淡や具合はどうか、向きや位置はどうか、押す必要のある書類もあれば

必要のない只の確認資料だって混ざっている。

ルーが押す速度と同等に手早くエルザのチェックは進んでいく。

するとどうしたことか。

出るわ出る。

判の必要のない報告書や不法な嘆願書、目を通すだけで良い一部の上級市民からの苦情や具申書にまで判が押されて流れてくる。

周囲から見ても脳死状態であり、疲労して集中力が途切れてきている様子が

ありありと伺えた。

「・・・ギルド長、こちらの書類は通して良いのですか?」

「ええ良いですよ」

「ブワレー国支部の支部長から、トイレ修理のための費用捻出の嘆願書は

承認しかねるのではなかったのですか?」

「・・・え?」

ルーの手が止まってエルザの顔を見つめる。彼女はハァと一つため息をつくと、

そのついうっかり判を押してしまった書類を手渡される。

それはとある中央ギルド支部からの申請なのであるが、トイレ修理費用と称して相場の百倍はあろうかという請求が書かれていた。

あまりに法外である。

確実に横領を企んだものであろう。

事前連絡を受けた時は口頭で「こんな申請は認められません。例え申請があっても却下で」とはっきりと

言っていたはずなのに。

黙って紙が送られればこれである。

「あ、ああ、えと、すいませんエルザ。これは却下です。

今、訂正印を・・・」

慌てた様子でルーは引き出しを開けると、そこから小さなシャチハタのような

訂正印を取り出すと、その用紙の承認印の上からペンで斜線を引き、

その上から印が押された。

「・・・お休みになられた方がよろしいのでは?」

まだ午前中であるが、ルーもエルザも徹夜で働いていた。

エルザは高い身体能力を有しているし、一晩程度ならば問題ない。

だがルーは違う。彼女はエルフ族特有の高い魔力を持つものの、身体能力は人並みである。

しかも今の時期、彼女の双肩にかかる負担、重責には比肩するものがない。


元々の中央ギルドとは、別々に存在していた商人ギルドと職人達の同職ギルド

〈キムキーのバリザドレ刀工群はこの傘下〉を一つに統合し、

魔術師協会や世界政府と連携して、冒険者達への仕事の斡旋、役所の委託業務、

市民への職業訓練所の運営と幅広い業務を担う組織である。

その本部であるのがここに中央ギルド館であり、その全ての中央ギルド職員の

頂点に立つのが彼女、ルー・ルマ・モレーである。

故にその激しい業務に追われる日々を送るはめになったのであるが。

困ったこととして、彼女はその仕事に追われて、忙しいからを理由として

その仕事の分配の見直しや細分化、効率化を怠ってしまっているのであった。

自分の仕事は自分で一から十まで見ていないと落ち着かない点は責任感の表れで

あるのだろうが、そのせいで横で見守るエルザの心は穏やかで居られなかった。

「ギルド長」

判を押すだけの機械に戻ったルーの背中からエルザが呼びかける。

だが彼女からの反応はない。

その無反応さに、エルザはルーの隣りから背後へと移動する。

そうして後ろからルーを抱きしめ、その判を握る手を掴んで

その動きを止めさせた。

「な、なんですかエルザ!今は休んでる場合では・・・」

振り返るルー。

その眼前、エルザはわずかな隙間もないほどに顔を近づけて

待ち構えていた。

二人の唇が重なった。

「んん・・・ちゅっ」

「ちゅっ、ちゅぷ、ちゅ、んく・・・」

エルザはルーの頭をがっしりと抑えると、唇を合わせては離し、

また重ねるのを繰り返した。

「んちゅっ、ずず、んふ・・・」

「んん!・・んずっ、はふ・・・」

ルーは体をよじらせるが力では歯が立たず、そのまま貪られるように唇を

吸われ続ける。

その合間にもエルザの指は、ルーの首元のボタンへと伸びた。

スーツの内側のシャツのボタンが一つ一つ外されていく。

そうして胸元が開くと、エルザは迷わずその中へと手を忍び込ませようと

動いた。

だが、その手は寸での所でルーに阻まれる。

「ちょっと!そこはダメです!!・・・はあはあ、私たちは、

もう、終わったでしょ?」

言いながら、ルーはエルザから顔を反らした。脱がされかけたシャツを両腕で

塞ぎ、これ以上は攻めさせないわとその体を丸めて縮こまる。

だがその頬は朱に染まっていた。

「・・・すいません、ルー。貴女が折れそうになっているように見えたので、

つい」

言いながら、エルザはルーにもう一度顔を近づけると、唯一がら空きになって

無防備に晒されている首筋に舌を這わせて、そこに静かにキスをした。

「アンッ、だからって、こんな昼間から・・・それにもう私達、

あの頃とは違うんですよ。

私にはもう・・・彼が・・・」

ルーには既に新しい愛する相手が居る。それも異性であり、エルザのように

世間体への懸念もない。

彼は今、同じギルド本部内で働いており、真剣に堅実に働いている。

そんな彼の事を思えば、不貞は働けない。

その想いが、ルーをギリギリの所で持ち堪えさせるのだった。

だがそんな事を物ともしないように、エルザは再びルーを抱きしめる。

「すいません・・・ルー、いえギルド長。もう貴女は、私じゃなくても、

想ってくれる人がいるのでしたね」

エルザはルーを抱きしめるその腕をギュッと力を込める。

彼女の腕と温もりをルーは静かに感じていた。

「・・・ですが最近はどうなのですか?

彼はなかなか、貴女との時間を作れずにいると聞きますよ?」

「それは・・・」


確かに、愛し合っているといっても最近はお互いのすれ違いが続き、肌を合わせる機会など殆ど作れていない。

言葉を交わすのですら事務的に仕事上の連絡のみであり、以前ほどに愛を伝えあうことがない状態であった。

「ギルド長、ご存知ですか?」

エルザはひっそりとルーに耳打ちする。

「私達が付き合っていた時によく通っていた『あのお店』、今晩に久しぶりの

『イベント』があるそうですよ?」

その言葉にルーの瞳が揺れる。

「そ、そんなこと、私に何の関係があるんですか」

「いえ、別に?ただですね・・・

今までの貴女なら、やはりその心の内を吐き出す場所が必要だったはずです。

ですが、今の彼、ワトスンは貴女を大切に思ってらっしゃるのは私も知っていますが・・・そろそろ吐き出してみても良いんですよ?」

「・・・・・・」


言われて、しばしの沈黙。

その脳裏にはワトスンの顔が思い浮かぶ。

彼はコボルト族で、人種に近い顔に犬耳を持つエルザと違い、

全て獣に近い姿をしている。

ルーよりも一回り年下の子犬のような子で、その触り心地の良い毛並みに触れるのは癒され、ベッドの上では意外とタフでパワフルな子だ。

だがここ一月近く、彼女はワトスンとの触れ合いがない。

彼は現在、中央ギルド内では魔術師協会との連絡係として働いてもらっている。

だが刻一刻と研究が進み、各部署各役員との往復は毎日数十回にも及ぶらしく、

足が棒になる程に駆け回ってくれている。

聞く所によるとそんなタフに頑張る彼だからこそ、女性人気も高いそうで、

内心では嫉妬したこともある。

〈吐き出して良いなんて、気軽に言ってくれますね・・・貴女は〉

そんな彼のことを頭に思い浮かべようとするのをあるビジョンが邪魔をする。

それはエルザのいう所の、『あのお店』での思い出だ。

あそこには自由があり、確かに癒され、心を開放することを最大限

楽しむことができた。

だが、そこへ向かうということは少なからず、ワトスンへの不義をするような

後ろめたさを感じさせる。

『あのお店』とは、つまるところそういった場所なのだった。


思い悩んでいる時、ふいにルーの顎が摘ままれ、クイと上に向けられた。

その視線の先にはエルザの顔が待っていた。

彼女はルーの耳元に唇を近づけると、そっと囁いた。

「一晩だけですから、大丈夫ですよ」

言われて、またルーの心がグッと引き付けられた。

彼女はついに観念したかというように、短いため息をついた。

「ほんと・・・好きねえ、貴女も」

そう呟くルーの言葉に、エルザはもう一度その唇を彼女に近づけていく。

「・・・んっ・・・!!・・・・♡♡♡・・・・♡!!」


とてつもなく積み上がった書類の山。

その向こう側に座す人物をすっぽりと隠してしまえる山の裏側では、まさに大変なことが起きていた。




「あぁ・・・ああ・・・ああ・・・」

ここは羽ばたく白鳥亭の一室、勇者カティルの自室として借りている部屋である。

「うう・・・うう・・・うう・・・」

その部屋ではカティルとベロニカが二人並んで天井を見つめている。

だがその目はどちらも死んだ魚のようであり、どこまでも生気を感じさせず濁っている。

〈しまったな・・・まさかこんなことに成るだなんて〉

〈考えたこともなかったわ・・・〉

この二人、数刻前に帰って来たのであるが、初めの内は喜び張り切っていた。

さあ折角得た自由の三日間をどう過ごそうか。

美味しい物を食べるかどこかに遊びに行くか何ができるかな、と

心を弾ませていた。

だが、そうやって話し合おうとした時である。

二人は気づいてしまった。

〈俺達って・・・〉

〈やりたいことが何一つない寂しい生き物だったのね・・〉

それはとても寂しいことで、最初は目に涙を浮かべていた。

だがそれも流しつくして枯れ果てて、今は虚ろな目で天井を見ている。


サワサワサワ

ところがそんな心境の中だというのに、ベロニカの手が無意識のうちに

動いてしまう。

「ちょっと・・・ベル?」

「何よぉ、カティ・・・」

どことは言わないが、ベロニカの手はカティルの体のとある部位を布地の上から

繰り返し撫でていた。

サワサワサワサワ

「なんかムラムラっと来るのですが、明るい内から早くないかな?」

「別に?良いでしょ・・・あんたも触っていいわよ」

「んー・・・だったら遠慮なく」

モミモミモミ

「どうよ?」

「うん・・・良い揉み心地でございます。てえてえ〈尊い〉、てえてえ〈尊い〉」

「んー、正直でよろしい」

サワサワ

モミモミ

しばし、二人はお互いの体を触れ合う遊びを続けていた。

「なあ、ベル・・・ちょっと良いか?」

「なぁに?」

「ちょっと頼みがあるんだが、挑戦してみないか?実は・・・」



それから間もなくのことである。

ドタドタドタドタ

静かだった廊下を激しい足音を立ててイツカが駆けぬける音が響いた。

彼女の両手には大切そうにがっしりと抱えている物を持ち、息を切らせて

走っていた。

そうしてカティルの部屋を捉えるとその前に来た所で、靴裏と床の間でキキィと

音をさせて急ブレーキ。そして勢いよく、そのドアを開くのであった。

「カティ!ベル!ここにいるって聞いた、よ!ちょっと聞いてほしい話、が!」

直ぐにイツカの目に、ベッド上の二人の姿が入ってきた。

「はふぇ?ほふへへはほ?いふは」

「!?よ、よお、イツカ。どうしたんだよ・・・そんな慌てて・・・」

ケロッとしたベロニカに対して、カティルはドッと脂汗を滴らせて

イツカを見ていた。

ベロニカは、カティルの足の間に陣取るとその両の胸をさらけ出して、何やら

ソーセージのような物を胸で挟み、その先端を舐めていた。

「・・・なにしてるの、二人とも」

未だ日も高い時に、あまりに罪深い行為に没頭しかけていた二人を

イツカは呆れて物も言えなく成りそうになりながらも、ポロリと言葉を漏らし、

白い目でそれらを凝視していた。

はい、ちょっと投下ペース落ちてきましたが一応まだ生きてますよ。

これからも私の駄文は続きますが、気が向いたら見に来てくださったら幸いです

ではまた!

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