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LIGHTNING EDGE-神々に挑む剣 -  作者: 金属パーツ
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一話 シーン13『紋章』

カティルの決死のライトニングエッジの斬撃は全く神には届いていない。

赤き光の刃が肌に触れているのに防がれもせず、だが弾かれもせず血も流れない。

相手の皮膚を薄皮一枚すら断ち切ることもできずに止められた。


「なんだ・・・本当にこの程度か?」

数刻もしない内に、勇者達はその神の圧倒的な力の前に、ボロ布のように倒され、

地面に転がされてしまった。


「もうちょっと頑張ろうぜ。いくらなんでもこれはねえわー。ありえねえわー」


己の声が届く相手の姿はどこにもなく、誰にともなく煽るバルズタース。

彼は地面にあぐらをかくと、負傷し、意識を失い、虫のようにか細い呼吸を繰り返す勇者達を見渡す。


「・・完全に期待外れかよ。

そこの盾役、俺の力を見くびりすぎんな?

盾役のくせして、ちょっと暗黒属性の武器を貰えりゃ自分は神様キラーにでもなった気でいたか?」

ロックの鎧は大量にヒビが入ってボロボロに砕かれ、意識を失い地面に突っ伏している。

「そこの弓使い。聞こえてるか?

そこそこ良い弓を持ってるらしいけど、矢がいかんなぁ。

そんだけ術に精通しといて未だ『物質の矢』を使うとか未熟も良いとこだぜ?

もっと勉強しとけ」

傷だらけでのびているユリの頭を足でコンコンと小突いてみる。

こちらも死んでは居ないが反応もない。

「そこの悪くない乳の嬢ちゃん。

お前は頭が悪い。

頭も穴も緩そうな戦い方しやがって。

あれだけの力を集められるんならよぉ。あの半分の力で十分に土蜘蛛を

半殺しにできて、そこの弓使いにタスキを繋げられた筈だ。

それなのに全力出し切りやがってよお。

だから一番に狙われて死にかけんだよ。お前ももっと勉強だぞ?」

ベロニカの乳房を足で扱いながら、彼女の顔を無表情に見下ろした。


踏み心地は悪くない。ただ、天界の神々の中には、これ以上の肉体の女神は星の数ほどいる。

バルズタースの目には、パーティーで1番、群衆のオカズにされがちだった彼女の肉体すら、無価値な石ころ程度にしか映ることはなかった。


だが何故だろう。

この神が敗者達にかける言葉はいくらか教育者然としているというか、ただの

罵倒や罵詈雑言ではなく、具体的である程度〈大雑把ではあるが〉の教訓めいたものが混じっている。

やはり戦神だからだろうか。それだけこの戦いはあまりにお粗末に過ぎたのだ。

それ故に、バルズタースはこの勇者達が許せなかった。

きっと、こんな未熟な弱者が勇者を名乗ることが許せず、腹ただしかったのかも知れない。

だからこそ最後に、バルズタースはカティルの方に目を向ける。


「・・・はぁ・・はぁ・・・ぐぐっ」

神相手というのに流石というべきか、カティルは立ち上がれないなりに、

僅かに意識があった。

体のあらゆる所に打撲があり、内臓からも鈍い痛みがする。口の中からは鉄の味がする。

一瞬で意識を飛ばされた他の仲間達に対し、バルズタースの手によって特に執拗に痛めつけられたのがカティルだった。


意識が薄れそうになる中、カティルは顔を上げることもできずにただ地面を見ていた。

気を失わないように、意識を保とうと必死で腹に力を集中させている。

その重い腕を動かして、立ち上がろうとフンと力を込めた。

しかし、悲しくも彼の意識は徐々に、今もなお遠のき続ける。

体に感じる自身の重さが何倍にも増していく。


〈ダメだ、ここで俺が倒れたら、イツカを助けにいけない。

皆のことも守れない・・・〉

頼む、動いてくれとカティルの精神は今も強く吠えていた。


「どういうことだ?答えろお前」

「・・・答えろって、何、のこと、だよ」

「お前には言ってねえよ」

バルズタースは素気なく冷徹にそう吐き捨てた。


そもそも彼はカティルの顔を見ていない。

彼は自分の人差し指を一本だけヒョイと下向きに振る。

その瞬間、カティルの頭にミシリッと打撃を受けたような衝撃がかかる。

そうしてカティルの意識は闇の中に落ちて行った。


バルズタースは腰を下ろして、尻が地面に触れないギリギリの姿勢で座り込んだ。

その視線は彼の手の甲で輝きを失いきっていない紋章へと向けられている。

「どういうことだ?

『お前』が力を貸しているってのに、このガキはあの程度の力しか

出せないってのは納得できねえぞ。しかもなんだ?

一発撃ったら力が底をつく?

ありえねえだろそれ」

まるで一人の知人にそうするように、彼は紋章に対して親しげに馴れ馴れしく話しかけている。


勇者の手の甲に輝く紋章「ライトニングエッジ」。

それは紋章の名であり、仲間達に対する祝福でもあり、神の如き敵を屠る可能性を秘めた必殺の一太刀でもある。

繰り返しになるが、紋章の勇者とは元々、創造神たる主神を楽しませるために

催されるようになった魔王と人類の戦いにおいて、戦力として圧倒的に劣る人類側に対して用意された救済だった。

だが、それは歴代の勇者達の誰も知らされなかった事であるが、

その紋章には一つの秘密が隠されていた。


その紋章とは、けしてただのスキルではないのだ。

それは勇者を選びだし、時に見守り、時に見張り、時に支えるために神々の中から選ばれた「担当神」が宿っているのである。

これは神々すらもその催しに参戦している今代でも変わらない。


そしてこの戦神は知っている。

今代の勇者の紋章に宿る「担当神」は、彼の良く知る一柱の神が担っていたのである。

それ故にバルズタースはその紋章に問いかける。

彼にとって、どうにも納得できないことがあったからだ。


「・・・・今まで何人も勇者を見てきたけどよ。

こ・ん・な・くそ弱い勇者見たことねえ!

だから答えろよなぁ!このガキにどんな秘密がある?答えろよおい!」

問われて、カティルの手に宿った紋章が反応する。

強く輝き、一瞬治まり、また長く強く輝いて見せる。

「ああそうだなぁ。今回は俺達も参戦してることで、人間達への支援はストップだ。

今までの勇者達みてえに俺達の支援はなく、むしろ俺達っていう驚異的な障害が

こいつらをなおさら苦しめてるよなぁ!

だがよ、それでも限度はあるだろ?

少なくとも直近の先代勇者、キッド・カッツの野郎は俺達の支援や祝福がなくても、このクソ雑魚よりかは強かったぞ!!」

忌々しげにバルズタースは、うつ伏せの状態のカティルの背中に足を振り下ろした。

彼の体からミシミシと音がする。骨が数本砕かれた。

紋章は数回瞬く。


「・・・なんだぁそれ」

紋章がまた繰り返し輝く。何かを語り掛けるように。

「・・・はあ?まじかよ・・・」

次は強く輝いては消光するを短いスパンで繰り返す。

まるで金切声を上げる少女のような点滅だ。

「いくら主神様でもそこまで・・・・いや、やるかあのお方は。

んで、お前はこのクソ雑魚勇者モドキについてやって。

本当に何とかできる気でいるってのか?」

大きく強く輝く。

「・・・チッ、言い切りやがるかよ。

だが俺には信じられねえなぁ。

こんなガキがいったいどうやって」

紋章が再び強く輝く。

「はあ?キギクゴの気配を探ってみろ?

何言ってやがる・・・・アイツがあんなガキに負けるわけ・・・」

言われた通りに、あの神獣の魔力を頼りにしてイツカ達側の戦況を感じ取ろうとする。

神々が地上を見通す時に使う千里眼を活用したのだ。


「・・・嘘だろ」

小さくそう漏らした。

キギクゴは神獣の中でもそれなりに高位である。

神獣が1、神が2とするならば、キギクゴは1.5に相当すると言われる程だ。

ところが、その魔力を辿って、その眼で確認した、離れた第二の戦場で見えたものは、


キギクゴの完全なる惨敗であった。


「てめえ、知ってやがったのかビシュメルガ!?

あんな隠し玉があるなんて聞いてねえぞ!」

紋章から新たな輝きが放たれる。それは淡く優しい光であったのだが、

どこか誇らしげで。

あの戦神に一泡吹かせたと自慢げに見えた。

「言ってろクソ●゛ッチ!くそっ、確かに想像以上だぜ。

てめえの悪趣味さっていえば天界一だったもんなぁ!」

言われて、紋章が新たな輝きを見せる。

それは赤い炎のような輝きのなかに、うっすらと黒い影が混じっていた。

どうやら腹を立てているといった感じだ。

「ケッ、人のことをコケにすっからだろうが!

・・ああ、ああ分かったよ。

今回で、今代の勇者を全滅させてやるつもりで来たけど、気が変わったぜ」

げんなりとした表情で、フーと深くため息をつく。


さあどうしたものか。色々とそこの紋章の中の奴から話は聞けた。

このクソ雑魚勇者がどうして弱いのか、納得はできないが理解はできた。

今ここでこいつらを殺すことは容易いが、それだと主神を楽しませることができない。


神々にもまた事情があった。

神々の活動は全て、『主神を楽しませること』が最優先なのである。

そして紋章の話を聞くに、コイツにも何か企みがあると知れた。


だがそれだと自分が楽しめない。物足りない。

だから何か一つ、ここから去る前に楽しいと思えることを何かしておきたい。

その思いが、彼をむず痒くさせて、わずかに苛立たせていた。

何か何か、自分の苛立ちをぶつけてから帰りたい、と倒れている勇者メンバーを見渡してみる。

すると、ベロニカに視線が止まった。

「こいつで良いか」


彼は倒れているベロニカの傍でしゃがみ込むと、彼女を仰向けに直させた。

そしてその頬に触れてみる。

ふむ、顔はまあまあ。体は?

その手を顎、首筋と順に撫でつつ、胸当ての上から乳房に触れてみる。

ほお、この胸当ての素材は何かの金属繊維に近い物のようだ。

何百年か前まであった古代帝国の奴らがこんな素材で、軽く柔らかい繊維で服のような鎧を作っていたが。

それの再現に成功した技術者がいるらしい。人間にしては大したものだ。


コンコン


手の裏で軽く小突いてみる。まるで金属板を叩くような硬さと冷たさが返ってくる。


モミ


なのに、その胸当ての上から掴むように触れてみるとどうしたことか。


モミモミ


その防具を構成していた金属は布切れか何かのようにグニャリと歪み、

その中にある人肌の温もりまで手に伝わってくるようだ。

その防具に意思が備わっているのか?それとももっと原始的な反射によるものなのか?

その時々によって瞬時に性質を変えるその不思議な金属に、神は関心を持った。


モミモミモミ


〈ふむ・・・年頃にしては良く育った良い肉体だ。人間にしてはなかなか〉

それからしばし無言でバルズタースはベロニカの乳房を揉み弄んだ。

「んっ・・・だ・・め・・カティ・・・そういうことは・・・結婚してからって・・ん」

〈なんだ寝言か?

この俺にボコボコに伸されて気絶させられた割りに図太い娘だ。

だが俺のテクでそんな良い夢を見ているというなら、案外好都合じゃね〉

バルズタースの手は更に下へ下へと降りていく。

腹を通って、腰へ。そして彼女のパンツへと伸び、それをスルスルとずり下ろし始めた。

すっかり脱がせ終わると、その下に隠れていたショーツに目が行く。


色は純白、だがワンポイントに赤のリボンが飾り付けられている。

なんとも少女趣味であり、バルスターズの趣味とは外れていた。

〈もっと黒とか、布地の面積がキワドく穴とか空いてるような奴が良かったんだがな。

まだ20年も生きていないオボ●にそこまで期待しても野暮か〉


その下着が趣味に合わなかったが故に、下着は実にスムーズに脱がされた。

目覚めさせないようにといった配慮もなく、

目覚められても、それはそれでといわんばかりに大胆に

ベロニカの乙女の素顔は、カティルに見せるよりも早く、

その敵の目に汚されてしまった。


バルズタースはベロニカの両足を大きくM字型に開かせた。

そして中心を目で捕らえると、ゆっくりと顔をそこへ向けて近づけていく。



ツーーーーーーーーン

「!?!?!?!??!?」

瞬間的に顔を引き離す。下着を戻して封印する。鼻を強く擦り始めた。

鼻の周囲に汚染物質が張り付いたような不快感をこそぎ落とすためにだ。

「オエッオウエッ」

更に喉の奥からこみ上げてくる激しい嘔吐感に襲われ、嗚咽を上げる。

〈何かツーンが目に来たぞ。沁みる!目がー目がー!!

なんだこれは?人間とはこれほどまでにアレだったか?

体質か?呪いか?民族性?いやいや民族性は関係ないだろ!

だがなんだこれはなんだこれは。

どんどんと知能が低下していくかのようなががががが゛がが゛が〉


それは一樽の酒を飲みほした後のおっさんが吐いた吐しゃ物を腐った生魚に掛けたような、出し忘れた生ごみの袋の中で発酵が進み、蓄えられた腐敗ガスが漏れ出ているのを嗅いだような、日陰に置いたザリガニの死体のような? 地の底に作られたゴブリンの巣穴?

昔、遊びで消し飛ばしたアブホースの落とし子がこんな臭いだった気がする。

とにかくやべえ!


神は試しにこの女の髪を一つかみして嗅いでみる。首筋を嗅いでみる。

わきもチェック。

問題ない普通。

汗の臭いが混じるが、俺が今まで導いてきた戦士達にも、俺が種を下贈してやった亡国の姫や俺を祀る神殿の巫女の中でもこれ以上の臭いの奴はいくらでもいた。

なのに、いったいどんな生き方してたらあんな、局部からだけ限定的に

あんな・・・・・


とその時だ。ふいにある事が思い出される。

『なノ!』

それはバルズタースの知るある一柱の女神のことだ。

〈くそっ!まさかこの小娘、アイツの血筋かよ!?〉


その女神は、人間に対しての執着というか、愛着があまりに重い存在であった。

以前は数百年単位で人間に成りすまして人の間で暮らし、人と番い、子を成した。

そしてその子孫達を全て把握し、己の信者達を差し置いてその子孫達を重視して

見守るようなダメダメ女神だった。


特にその子孫達の恋愛事情には厳格に監視し、運命を捻じ曲げてまで、あらゆる

手を使って自分の気に入った異性と婚姻を結ばせ、自分の気に入った容姿、能力、性格をした子孫を作ろうとしていた。

その女神は以前、確か、その対策の一つとしてこういう呪いを子孫にかけたと言っていた。


「バルちゃんバルちゃん聞いてなノ!私の大切な子孫達にはね、

私が決めた最良のパートナーと絶対に幸せな結婚ができるように。

その特定の異性以外には、アソコからつおーい悪臭が感じられる祝福

〈という名の呪い〉をかけてあるノ!これでバッチリなノ!!」

まさかその一人が勇者パーティーに居ようとは、奇妙な縁である。


「このクソバード!てめえ、この事知ってやがったなあ!?」

目を血走らせて、背後で気絶している筈の紋章をもつ、少年の方へ振り向こうとした瞬間。


シュパッ


ふいに飛んできたのは何かの斬撃、かまいたちのような衝撃波。

反射的に体を反らす。衝撃波をかわす。だが、かわしきれなかったのか、

その頬に一筋の切り傷がついた。


振り向いたそこには、カティルが上半身だけを起こし、必死の形相でバルズタースに腕を伸ばしていた。

その伸ばした手の甲で輝く紋章は赤い光を放っていたはずだが、今はそれが銀色の輝きをしていた。

「ベル・・・に、手を・・出す・・な」

なんとか底力を奮い立たせて最後の一撃を放ったのであろうが。彼の精神はそこで完全に尽きる。

彼の意識が闇に落ちていくのと同時に、特異な輝きを放っていた紋章も、その輝きが失われていった。


戦神は体を震わせる。

恐る恐る自分の頬をなぞると、その指先には久しぶりに見る、己の赤い血が残っていた。

「・・まじかよ。こいつ・・・・今の力?」


今の攻撃はどうやら、微量の力を込めたライトニングエッジのように見えたが、

そこに込められた力が違っていた。

質が桁外れに違う。

〈あいつが万全の時に放った力では俺に傷一つ付けられなかったのに、何で今のギリギリの最後っ屁が俺の体に傷をつけやがる? 〉


バルズタースが己の血を見たのは、実に二千年ぶりのことだ。

コイツ、今の力を意識して呼び覚ましたのか?

いやいや、偶然だろう。

多分、神がこの小娘に手を出そうとしたのを偶然感じ取ったのだ。

そして目覚めることができた。

実にお熱いことだ。童話に出てくるお姫様を救う騎士さま気取りですかぁ?

そしてその結果が今の『________』だと?


こいつは気づいているのか?

本来の輝きを超え、瞬間的にとんでもない力を放った。

先ほどまで、この神にとってこの少年は、爪の垢ほどの価値もない塵芥にしか見えなかった筈である。

しかし、あの力は偶然呼び起せるようなものではない。

つまるところ


〈くそっ、あのクソバード!まだ俺達に隠し事をしてやがんのか。

正直にいってムカつく!!こんな・・・こんな・・・

こんな面白そうなオモチャを俺から隠し通そうとするなんてなあ!!〉

何か気に入られた。


カティルによって付けられた傷は既に塞がっている。

彼は邪悪な笑みを浮かべると、その地面に這いつくばっている少年の頭を掴み、

天高くに吊り上げる。

「おお!主神よ!偉大なる万物の創造主!我らが父よ!!聞いておられますか!

御覧の通り、この勇者はあまりに未熟で弱い!

このまま我ら神々に挑ませても長くは保たぬでしょう!!

ならばせめて、私がたった一つ、この者に祝福〈ハンデ〉を送りたく思います!!

どうか許されんことを!!」

叫ぶ。そしてしばし待ってみる。


それから一刻と待たぬうちに、天界からの返事が届く。


___ 好きにせよ____


それは主神から直々の返答であった。

バルズタースと紋章に宿りし担当神の双方の意識に、直接そのメッセージが届けられた。


「_______________!!??!!????!!」


カティルの手が再び輝きだして紋章が浮かび上がり、強烈な赤い光を放つ。

それらが短いスパンで明滅を繰り返している。

それはまるで、何かを強く抗議し、訴えているような怒声の籠った輝き方をさせていた。

「へっ、今更おせーよバーカ!もう主神様のお許しは来たんだ。

おめえも逆らうんじゃねえぞビシュメルガ!!

どんな体に成ろうがコイツはもう少し生き長らえるチャンスが来たんだ。

幸運に思え!!」


言いながら、バルズタースはいったんカティルを地面に寝かせる。

そうした後に、自分で自分の腕を嚙み切って血を溢れ出させ。

そのゆっくりと流れ落ちる血の雫をカティルの口にしたたり落としていった。

一滴二滴とカティルはそれらを受け止めていく。

紋章の明滅は更に激しさを増す。

その手の紋章から、怒りの籠った黒交じりの赤い炎のような輝きが立ち始める。


「やめろ!やめろ!やめろ!私の物に不純物を混ぜるな!汚すな!!」といわんばかりの

輝きを繰り返すが、使い手たるカティルの意識が戻らぬ今は、

何の抵抗もできずに眺めることしか、ソレにはできなかった。


「アハハハハハ!安心しろよこれから楽しくなるぜ?

楽しみにしてろよ、なんせちょっとの苦痛と引き換えによ、大いなるご褒美が待ってるんだからなぁ!!」

ただいま文章が読みづらいと感想が有りましたのでシーン1から文の再編集中

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