大学文化祭の和菓子作り体験をきっかけに結婚した僕達は、5年後和菓子を作っている
大学の文化祭で和菓子を作ることになった。
和菓子は美味しい。
だから僕も賛成なのだけれど、和菓子は難しいイメージ。
本当に作れるのか?
「凝らなければ大丈夫よ」
「作ったことあるの? 」
「私の実家、和菓子店なの」
そう言うのは同じサークルの佐藤さん。
実家が和菓子店なのか。それは知らなかった。
「む。佐藤、実家が和菓子店なのか? 」
部長が僕達の話を聞きつける。
佐藤さんが部長の言葉に大きく頷くと、彼は少し考える。
「なら山本。佐藤の実家に研修に行ってこい」
「え?! 」
部長の突然の言葉に抗議する。
「いきなりは迷惑だと思うのですが」
「だ、大丈夫ですよ」
佐藤さんはこういうが、部長の無茶ぶりを聞かなくても良いと思う。
「佐藤の了解も出たことだしいってこい山本。それに実際少しでも齧った奴が店を回してくれる方が良いだろうしな」
部長がにやりと笑みを作ると僕の和菓子研修が決定した。
<5年後>
「まさかあれがきっかけで和菓子職人になるとは」
妻の実家の店で仕事を終えて一休み。
「お母さんも「後継者が出来た」って大喜びですよ」
大学で妻の実家で研修をした僕。
手先の器用さが評価されて、そのまま和菓子職人の道へ。
こうして二人一緒に店で働けるのは気恥ずかしくも、嬉しくある。
「ん? これは……」
「お母さんが考えた新作のお菓子です。和菓子と言えど常に進化は必要ですから」
出されたお菓子を見て息を飲む。
お義母の新作は奇想天外。
普通に見えるこの和菓子もどんな仕掛けがあるのかわからない。
けれど食べないわけにはいかない。
ふぅ、と息を吐き覚悟を決めて爪楊枝をとった。
「…………? ……カッッッラッッっ!!! 」
唐辛子はきついッ!
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