7話 東区の森
俺達はここ最近クエストを毎日受けていてその結果多少贅沢ができるくらいのお金がたまったので、久しぶりに1日休みを取ることにした。
なんでいきなり休みの話になったかというと、、
~昨日の夜~
「依頼達成おめでどうございます。こちらが今回の報酬になります」
「ありがとうございます」
俺達はいつも通りクエストを終え報酬を受取った後ギルド内で食事をしようと席に座ろうとした時にラノスがレンジが着てる装備がボロボロの事に気づいた。
「おい、レンジの装備ボロボロになってるじゃん」
「ん?ああ~そうだな、だいぶダメージを受けたからな」
ラノスは他2人の装備も見るとボロボロだった。
「皆ここ最近ずっとクエスト続きでしたもんね。いつも見てるので気づきませんでした(笑)」
「私新しい装備ほしいな~」
「ん~そうだね。じゃぁ明日一日休みにして各々買い物に行くことにしよう」
すると3人は座っていた椅子から立ち上がり聞き直してきた。
「「「えっ、明日休み!?」」」
「お金も余裕が出てきたし、久しぶりに休みでも取ってリフレッシュしよう。」
3人は嬉しくなり、「休み!休み!」と言いながらハイタッチをしてテーブルの周りを回っていた。
その休みで俺は、防具と剣を買いに行こうと武器屋さんに向かっていた。
武器屋に着きドアを開けようとドアノブを握ったと同時にもう1人横からドアノブを握ら人がいた。
ラノスは横を振り向くとそこにはミアがいた。
「あっミア!」
「ラノスだぁー!」
「ミアもここで装備買いに来たのか?」
「そうだよーラノスもここで買いに来たんだ」
2人は話しながら武器屋に入った。
武器屋に入ると見慣れた顔をした男2人がいた。
「僕がこの剣を先に目をつけていたんだ」
「いーや俺が先に目をつけていた」
「僕なんて店入ってすぐこの剣を見つけて決めてたんだ」
「俺なんて店入る前からこの剣って決めてた」
「何意味分からない事言ってるんですか?」
店に居たのはルフレとラノスだった。
どうやら同じ剣を狙っていたらしく、どっちが先に目をつけてたか口喧嘩してるようだ。
喧嘩と気づいたラノスは2人の真ん中に立ち、仲裁に入った。
「おーい、喧嘩するなよ」
「「あっラノス」」(君)
ラノスは2人の喧嘩を収めるように肩をポンポンと叩いた。
するとミアがラノスの後ろからピョコと顔を出した。
「私もいるよ~」
「なんだよお前らもここに来たのか」
レンジは呆れた顔や声で言った。
「ミアともさっきドアの前で合ったんだよ、、、それでこの剣を巡って喧嘩をしてたのか?」
「そうなんですよ!ラノス君聞いてくださいよ~先に僕が目をつけてた剣をレンジ君が横取りしようとしたんですよ」
「はぁぁ?俺が先に目をつけてたんだし」
ラノスの一言でまたレンジと口論が始まった。
ラノスは呆れ、ミアは苦笑いをした。
喧嘩の原因になっている剣をラノスは持ち上げ見た。
-グラムソード-
レベル:上級
特性:鋼よりも硬く羽よりも軽い素材のグラムで出来ている。
おーーカッコいい剣だな。
そしてめちゃくちゃ軽いし。
それに素人の俺でもこれはいい剣ということが分かる。
見た目も良くってそれに加えて軽い、素人でも分かるくらいいい剣
なんなら俺も欲しいくらいだ、まぁ買わないけど。
こんないい剣だったら結構いい値段するだろ。
ラノスはグラムソードが置いてあった所にある値札を見ると100万Gと書いてあった。
ラノスは値段の高さに驚き片手で持っていた剣を両手で持ちそーとグラムソードをあった場所に戻した。
「たっけーー値段見たら怖くなったわ」
ルフレとレンジはラノスの反応を見てグラムソードの値段を見た。
「「あ」」
値段を見た2人の態度がいきなり急変した。
「レッ、レンジ君ぼっ僕は他に欲しい武器があったから今回は君に譲るよ」
「いっいやーおっ俺もよーく見るとダサく見えてきたような感じもしなくもなくなったからいいや」
態度が急変したルフレ、レンジを見たラノスは何か気づいたような顔をしてため息をついた。
おいおい2人とも値段絶対見てなかっただろ。
恥ずかしいなあいつら~(笑)
まぁここで「お前ら買えない値段の剣をどっちが買うか喧嘩してたのか?」とかは言わない。
なんったてここの世界では歳は同じかもしれないけど前の世界も含むと29歳上のおじさんだしな。
ここは、何も分からない感じで行こう!
「あれ?2人ともさっきまで買いたいって言ってたのに何で急に買わなくなったの?」
「いっいやー僕は他の武器にしようと・・・」
「おっ俺もそんな感じだな」
やめてあげてー!2人はもう瀕死状態よ
2人とも買えもしない剣をどっちが買うか喧嘩して、値段見たら買えないって気づいて引くに引けない状況になっているんだからー
「あっもしかしてお金が足らないの?」
ミアの言葉に心がダイレクトアタックされたのか2人は顔を真っ赤にして走って店を出て行ってしまった。
ラノスは苦笑いをしており、ミアはポカーンとしていた。
「まぁ買い物の続きでもしようか」
「そうだね」
♢
買い物を終えレンジ他3人は、ギルドで夕食を食べていた。
「ねぇねぇ明日はどうするのラノスー」
「んーそうだな明日は皆の新装備つけて初めてのクエストだから試しとしてランクの低いものを選んで練習をしよう」
「そうですね」
「うん!私もそれがいいと思う!」
「じゃあこれで決定で――――」
その時ラノスの言葉を遮りレンジが話をした。
「いや!この前ボルアーってやつが言ってた森の異変ってやつを俺達が解明しに行こうぜ」
「レンジ君なに言ってるんですか。僕達にはまだ実力が足りてないのにそんな場所に行ったらどんな目にあうか、、」
「だってよ最近の俺達調子いいしさ、ランクも上げてぇーじゃんかよ」
ルフレとレンジは行く行かないで口論になった。
そんな中ラノスはレンジが言ってた事を考えていた。
いやでも待てよ。
ルフレが言ってたように最近俺達調子いいのは確かだし、今俺達は凄いスピードで成長していってる。
それに新しい装備でさらに強くなった俺達にとっては最高の特訓になるんじゃないか。
まぁもし少しでも危険って感じたら逃げればいいか。
「まぁちょっとくらいならいいんじゃないか?」
「えっ!ラノス君まで」
「ラノスーノリいいじゃん」
「でも俺が少しでも危ないって感じたらすぐ退散するからな」
「ラノスが言うなら着いていくよ」
ルフレは3人に呆れてしまい仕方なく同意した。
「危険って感じたらすぐに逃ますよ」
「ありがとうなルフレ」
♢
翌日になり、4人はこの前買った新装備を身に着けボルアーが言っていた東区の森に向かっていた。
「見てくれよ!俺のこの装備を」
「レンジ君それなら、せっかくだし今の皆さんのステータスと装備を見せ合いっこしましょうよ!」
「そうだね!案外皆と見せ合いっこしたことないもんね!」
「じゃあ俺から発表するぜ!」
ステータス
名前:レンジ
年齢:16歳
所属:なし
ランク:Eランク
武器:剣
称号:死に急ぎ野郎
「おぉー死に急ぎ野郎か、いかにもレンジらしいステータスだな。いっつも魔物に突っ込みに行くもんな笑」
「そうだね笑レンジ君その装備の素材はなんなの?」
「ああこれはランドロスの素材だぜ、防御力が高いけど重いんだよな安いし俺にあってると思ったんだよな!」
【ランドロス】
トカゲのような見た目をしており、大きさは全長2mくらいの大きさ。動きが遅く、皮膚は鉄のように頑丈な魔物。
「じゃあ次は僕が発表します!」
ステータス
名前:ルフレ
年齢:16歳
所属:なし
ランク:Eランク
武器:片手剣
称号:チキン
「ルフレお、お前チキンってビビりって事かよ笑」
「おっおいレンジ君笑うのは失礼だろぷぷっ」
ラノスとレンジはルフレのステータスを聞いて腹を抱えながら笑った。
そこに少しムッっとしたルフレが話し出した。
「バカにしないでください!ビビりは慎重ってことだから僕は結構気に入ってるけし、それにこの装備見てくださいよ」
【オンバパーチ】
猿のような見た目をしており、大きさは全長1.5mくらいの大きさ。
腕が特化しており、あらゆる物を握り潰すほどの力がある。
「このオンバパーチの装備つけてるとパワーが上がるし軽いから結構いいんですよ、防御力が低いのがネックですが」
「うん私もルフレ君の慎重なところいいと思うし装備かっこいいね」
「ミアちゃん~ありがとう」
ミアの言葉が嬉しく涙目になりながら、ミアと握手をして上下に大きく振っていた。
「じゃあ次は私が発表する」
ステータス
名前:ミア
年齢:15歳
所属:なし
ランク:Eランク
武器:弓、杖
称号:スピード出世
「ミアの称号スピード出世って凄くねぇか」
「あははは、私も見た時驚いちゃったよ、後これが私の新しい装備だよ」
【ペックフー】
カビパラのような見た目をしており、大きさは30cmほどの小型の魔物。
魔法が使える魔物で威力は大したことがないだが、魔力量が多い魔物。
「私は魔法も使うからペックフーの装備を着ることによって魔力の増大があるし、軽いし、安かったけど耐久力がないのがねぇー可愛いけど」
ミアの素材はふわふわしていてかわいい感じだった。
「じゃあ最後俺だな」
ステータス
名前:ラノス
年齢:15歳
所属:なし
ランク:Eランク
武器:剣、弓
称号:遨コ髢楢?
「このステータスなんだこれ?」
「俺もよく分かってないんだよ。まぁまぁ一旦これは置いといて装備も見てくれよ」
【エスターシャ】
カラスと似た見た目をしており、口ばしが鉄のように固い。
防御力はないものの、とても軽く通常よりスピードが速くなる。
「ちょー軽いんだよエスターシャの装備すごいよな着てるのに着てないときより軽くなれるんだぜ」
「恐らくは、魔物の魔石による力だと思うのですが、凄いですよね」
「すごいよね~」
4人のステータス、装備を説明し終わる頃には目的だった東区の森が見えた。
「よーしやっと着きやがったな」
「案外話してるとあっという間に着いちゃったね」
「そうですね。昨日も言ったと思うのですけど少しでも危険って感じたらすぐに退避ですからね。」
「ああ」
「うん」
「おうよ」
4人は森の中に消えていった。